一夜 隠蔽捜査10 [book] [今野敏]
審議官 隠蔽捜査9.5 [book] [今野敏]
探花 隠蔽捜査9 [book] [今野敏]
清明 隠蔽捜査8 [book] [今野敏]
シリーズ第10作
大森署長から神奈川県警刑事部長へ異動になった竜崎、着任早々、町田で死体遺棄事件が発生、神奈川県と東京都が入り組んだ県境のため、幼馴染みの伊丹刑事部長から要請を受け、神奈川県警も応援部隊を派遣することに・・・
捜査本部で旧友?と再会するも、大森署と警視庁、神奈川県警と警視庁と名前が変わっただけで少し違和感を感じるふたり!?
おまけに妻の冴子がペーパードライバー教習で事故を起こしたという一報が入る多難な幕開け。
被害者は中国人と判明したことから、中華街での情報収集、中国人の手配師、公安、元県警OBで教習車の所長らが絡み物語は進む。
公安部長、伊丹刑事部長、竜崎の三者会談がもたれる場面で、伊丹がのたまう台詞がこれ、「この男には『たてまえと本音』という概念がありません。すべて本音なのです。そして、その本音は原理原則に沿っているのです」
公安の横やりもなんのその、本音で突き進む頼もしい竜崎が・・・相変わらず愉しめる一冊。
棲月 隠蔽捜査7 [book] [今野敏]
シリーズ第七弾
原因不明のシステムダウンが鉄道会社、銀行と続けて起きる。大森署の管轄外ではあるが、原因を確認するため竜崎は鉄道会社、銀行へ署員を向かわせる。
確認に出向かせただけだったのに、生活安全部の新任部長から、伊丹刑事部長の予想どおり、横やりが入る。そんことにかまけいる竜崎ではない。
そんななか伊丹から異動の噂が出ているらしいと聞かされ、これまでになく動揺する竜崎。今朝出かけに息子邦彦がポーランドに留学したいと言って来たことと重なる・・・・
更に管内で少年のリンチ殺人?事件が発生する。システムダウンは大森署が先行したことでサイバー対策班へ署員を差し出せ?と依頼をうけ、竜崎は了承、越権行為?ではあるが直接自分へ報告するようにと命じる。
リンチ事件は帳場が立ち、少年課を中心に捜査が進む。殺された少年のグループメンバー3名は何かに脅えている!?
本書でも十八番の竜崎節がさく裂した上に臨場まで・・・八面六臂の活躍を見せる竜崎。次作は異動後の話となる隠蔽捜査8、今から楽しみにしています。
追伸:表題の「棲月」とは「棲む」すみかとする。大森署をすみかとするラストの月という意味なのかな!?
去就 隠蔽捜査6 [book] [今野敏]
今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★
シリーズ第六弾
大森署管内でストーカー事件発生?女性が連れ去られたの一報、ストーカーと思しき男と話し合いをするため最近付き合い始めた先輩と一緒に現場に赴く。そこで先輩がナイフで刺され略取・誘拐される。
ストーカー対策チームを立ち上げようとしていた矢先の略取・誘拐事件だった。対策チームの人選期限で新任の方面本部長、ノンキャリアの叩き上げ、とちょっとした行き違い?があったばかりのことでもあった。
事件は途中からあらぬ方向へ展開する。ストーカーと女性がストーカーのマンションに立てこもり、機動隊がマンションを包囲、SATが現場に派遣される。SATの指揮権は方面本部が持っている。交渉に応じようとしないストーカー、固定電話には出ず、携帯に一度接触できただけだった。
前線本部へ赴く竜崎、そこで情報を整理すると、略取・誘拐されたのはストーカー?の方ではないかという結論に達する。
ここから竜崎流、公務員の公務員たる職責を本音で語る、のリーダーシップが如何なく発揮される。そのことが事件解決後、権限を逸脱したとして特別監察にかけられてしまう。
竜崎の娘と婚約者?とのすれ違いがストーカー事案になりかねないというのも本書のサブストーリーのひとつ。
エンジン全開の隠蔽捜査、伊丹本部長をはじめとする登場人物も安定感を増し、次作はどうなるのか今から楽しみな一気読みシリーズ!
自覚 隠蔽捜査5.5 [book] [今野敏]
今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★
シリーズ第七弾
「初陣 隠蔽捜査3.5」に続くスピンアウト短編集
副署長の貝沼、元部下で竜崎が恋心をいだいたキャリア・畠山美奈子、野間崎管理官、刑事の戸高・・・らにぶれない大森署署長・竜崎、刑事部長・伊丹が絡む。
箸休め的な「0.5シリーズ」。竜崎ファンにとってはたまらない一冊ですが、初めて手にするには軽すぎ・・・1、2、3、4、5をお薦めします。
宰領 隠蔽捜査5 [book] [今野敏]
今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★☆
シリーズ第六弾
「宰領」とは、とりしまり。荷物・人夫の監督。
元警察官の秘書から伊丹刑事部長に、議員の行方がわからないと電話が入る。早速、管轄の大森署署長・竜崎に内密で捜査依頼。そうこうするうちに、議員の乗っていた車が発見され、車内から運転手の遺体が・・・
そして犯人とおぼしき男から脅迫電話、マスコミに議員誘拐を公表せよ、と。脅迫電話は神奈川県下、横須賀、からかけられたものだった。
指揮本部は大森署、警視庁、前線本部は横須賀署、神奈川県警、伊丹のたっての希望で竜崎は前線本部の副部長として就く。
警視庁VS神奈川県警の意地の張りあいのなか、「ぶれない男」、竜崎の孤軍奮闘を描く最新刊。「宰領」とはなんとも巧いタイトル!
本音と建前を使い分ける伊丹、直球勝負の竜崎の丁々発止の掛け合いは見もの。最後の軽い捻り、オマケ、もあったりして・・・点数は少々甘め。
転迷 隠蔽捜査4 [book] [今野敏]
今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★
待望のシリーズ第五弾
「隠蔽捜査4」なのにシリーズ第5弾、前作に「隠蔽捜査3.5」あり。
管内で起こったひき逃げ事件、隣の署で起こる殺人事件、被害者は外務省OBと外務官僚。ひき逃げ事件は殺人事件の可能性ありとして捜査本部が大森署にもうけられる。
大森署署長・竜崎伸也に降りかかる火の粉はそれ以外にも、放火事件の人員補充、売人逮捕に対する麻取り脅し、加えて娘の彼氏の音信不通問題・・・公私にわたり難題山積!
これらの事件を一手に引き受ける竜崎・・・それにしても相変わらず爽快なシリーズ、「上司にしたい何とか」だったら竜崎は間違いなくNo.1!?
追伸:署内では向かうところ敵なしの竜崎だが、娘と話がかみ合わない姿がなんともオヤジ。
初陣 隠蔽捜査3.5 [book] [今野敏]
今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★
隠蔽捜査シリーズ番外編
既刊シリーズとそれに続く新刊のはざま、シリーズ3と4、なので3.5とは何ともうまい表題
既刊シリーズでは主役演じる竜崎伸也、竜崎に絡む準主役の刑事部長・伊丹俊太郎。本書では伊丹を主役に、既刊シリーズの話を網羅、裏側から見た、伊丹から見た事件簿。
本シリーズのファンにとってはたまらない一冊。既刊シリーズを手にすることで愉しみは倍増間違いなし。
隠蔽捜査シリーズ4が待ち遠しい!