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黒石 新宿鮫Ⅻ [book] [大沢在昌]

sample1.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第十二弾

前作から阿坂課長を向かえ、新組織でスタートを切った新宿鮫

後ろ盾の桃井課長を亡くした鮫島の変貌ぶり、独断専行の捜査からチームワン阿坂課長、矢崎、藪、そして鮫島、での捜査には驚かされる!?

シリーズもここまで来ると書き手としてもなかなか辛いものがあることはわかるが、シリーズを続ける以上、アイデアを出さなければならない。マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズはリンカーン弁護士やナイト・ショーのレイネ・バラードを登場させ、常に活性化をはかり、読者を飽きさせない。

<新宿鮫>は鮫島の際立ったキャラと独断専行の捜査が持ち味のシリーズだった。そこに何を加えるか?現時点ではワンチームと底を見せない阿坂課長・・・レイネ・バラード的な存在が本書では公安のスパイだった矢崎なのか?

わたし的には優等生になった鮫島は見たくない。延々と語られる鮫島の能書き!?も聞きたくはない。早く終わりにしてくれと願うわたしと次も読みたいと願うわたしが存在する<新宿鮫>だ。



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暗約領域 新宿鮫Ⅺ [book] [大沢在昌]

sample1.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

新宿鮫シリーズ第十一弾

前作で唯一無二の上司桃井を亡くし、恋人の晶とも別れた鮫島。孤独な捜査に没入するだけ・・・桃井に変わる新課長、阿坂景子の掟とは「基本を守る。ルールを曲げない」こと。しかも一匹狼鮫島に新人刑事、矢崎と組むことを命じる。

売人から鮫島にたれ込み、麻薬の小分けがヤミ民宿の一室で行われる、が入る。張り込みをかける鮫島の前に身元不明の射殺死体が・・・

ヤミ民宿の影の経営者は元ヤクザ、鮫島の裏のネットワークを辿るが害者の身元がなかなか割れない。前半戦は新課長、新人刑事に気を使う?いつもとはちが物足りない鮫島の姿が見え隠れする。

後半はいつものように、中国人・北朝鮮人の組織、ヤクザ、公安警察らがからみ、独断専行の新宿鮫が現れ一安心、だがいつもの派手なアクションはなし。鮫島も歳をとったのか!?

それにしても鮫島の歳のとらせかたが難しい。大沢在昌も一番悩んだところではないか・・・ハリー・ボッシュのように警官→探偵→警官というわけにはいかない。鮫島が新宿署から異動なるときは警官を辞めるときだからだ。

大沢在昌には鮫島にいい歳のとらせかたをしてもらって、次作を期待したい!


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雨の狩人 [book] [大沢在昌]

sample1.jpg大沢在昌/幻冬舎/お薦め度 ★★★★☆

狩人シリーズ第四弾

地下格闘技の行われているキャパクラで不動産会社社長の高部が銃殺される。鮮やかな手口はプロの仕事。帳場が立ち、ただひとり呼ばれる「組対」の佐江、コンビを組むのは捜一の谷神。

捜査は組対の佐江のリードで進む。日本最大の広域暴力団高河連合の影が見え隠れする。暴力団の影を消し、一見カタギ集団と思わせる組織を作り資金を捻出する。高部以外にも連合に近い二人が弾かれていたことが明らかになる。

高河連合の若頭、延井が計画しているのは恒久的な資金調達、これからの組織が生き延びるための方法だった。それが新宿オレンジタウンの地上げ!?

今更なぜ地上げなのか?そこには「カジノ法案」の成立が絡んでいた・・・

大筋は現代社会を反映、暴力団の資金調達、カジノ法案等々、リアリティを持たせる一方、延井の私的殺し屋「佐藤」、タイから日本に潜入した少女プラム、何かを隠している谷神・・・600頁の大作を飽きさせない仕掛けが満載。

久しぶりの大沢在昌だったが満足度120%!

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鮫島の貌 [book] [大沢在昌]

sample1.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

「新宿鮫短編集」

2006年から2011年の間に掲載された短編。「新宿鮫Ⅸ」から「新宿鮫Ⅹ」の間が10年あるわけだから、その間にかかれたもの。読者、出版社の要望で長編を書くにはエネルギーがいるが短編ならという感じか!?

「鮫島の貌」とは的を得た表題。内面から顕れるのが「貌」だから・・・

10編収録されているが、やっつけ仕事、失礼、「貌」が見えない作品もあるようだ。もう少し吟味してもよかったのなか・・・

でも、新宿鮫ファンにとってはたまらない一冊。にんまりしながら読了。


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絆回廊 新宿鮫Ⅹ [book] [大沢在昌]

sample2.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第十弾

「新宿鮫」シリーズ第一作の刊行は1990年、20年でシリーズ第十作、最新刊の本書はなんと5年ぶり

鮫島の歳のとり方に比較すると、著者・大沢在昌の歳の取り方のほうが圧倒的に早い。「新宿鮫」はこの十年で前作「狼花」と本書の2冊だけ。本文316頁には、「昔のお前なら、それが誰であろうと、警官の命を守るためなら、つっぱったのじゃないか」・・・あんたは新宿鮫なんだぜ、鮫島らしくない感傷的なシーンもみられる。

本シリーズのもうひとつの柱は「鮫島」と「晶」の関係、本書ではサイドストーリーとして頁を割いている。ファンとしてはうれしい限り!

表題の通り、たくさんの「絆」、絆というより「しがらみ」、が出てくる。親子、上司、身代わり人、同胞・・・それを一冊に凝縮させる筆致は相変わらず。本件はすべて解決したように見えるが、キーパーソンが最後に姿を消してしまう。これは次作への伏線!?

何年後にこの続きを読めるかわからないが、気長に待ちたいものです。


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黒の狩人 [book] [大沢在昌]

sample9.jpg大沢在昌/幻冬舎/お薦め度 ★★★★ 

「狩人」シリーズ最高傑作!?

ここのところお疲れモードだった著者、久々の復活!?

中国人ばかりを狙う連続殺人事件、残忍な手口と脇の下に刻まれた刺青。それらが意味するものは「五岳聖山」。陰陽五行説に基づき、木行=東、火行=南、土行=中、金行=西、水行=北 の各方位に位置する、五つの山が聖山とされる。

事件を追うのは新宿署の刑事・佐江、謎の中国人で捜査補助員の毛、情報収集に自身の身体を投げ出すこともいとわない外務省職員・由紀の三人組。特に謎の中国人・毛の存在が効いている。上下巻の長篇だがあっという間に読ませる。

「影絵の騎士」では近未来を、「魔物」ではイコンを題材に新境地を狙ったのだろうが、在昌ファンを納得させることは出来なかったはず。今回は軌道修正?本来の王道を歩む大沢在昌を久々に見た。


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魔女の盟約 [book] [大沢在昌]

11391174.jpg大沢在昌/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 

シリーズ第二弾

前作「魔女の笑窪」は連作短編集、シリーズ第二弾は長篇

日本のどこかにある島。外からくる男には『天国』。そこに暮らす女にとっては『地獄』。逃げることも許されない「地獄島」。そこを破壊し釜山に逃げた水原冬子は、自分が組織の企みに利用されていたことを知る。韓国で知り合った女性捜査官・白理と共に日本に戻る

白理のあだ討ちに付き合うと同時に報復の戦いが始まる。

ちょっとイージーゴーイングな展開かもしれないが、在昌ファンとしてはついつい手が出てしまう。
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魔物 [book] [大沢在昌]

10604180.jpg大沢在昌/角川書店/お薦め度 ★★★★ 

新境地!?

大沢在昌にしてはめずらしい題材!?

封印されたイコン、そこに描かれているのは聖人「カシアン」。心に強い憎しみを持つ人間に獲りつき、悪しき欲望を満たす力を与える魔物。

ロシア人に獲りつき日本に上陸する魔物。麻薬取引による銃撃戦にて重症を負ったように思えたが、素手で警察官数名を殺害し、逃走する。

麻薬取締官の大塚、ロシア人ホステス・ジャイナの力を借り、イコンのもつ魔力を知ることになる。

人が多ければ多いほど憎しみを持つ人もまた多い、憎しみが渦巻く魔物の理想郷・東京、魔物は東京を目指す。

いつもの大沢在昌じゃないけど、たまにはいいじゃないの!?
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影絵の騎士 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/集英社/お薦め度 ★★★ 

ついつい辛くなってしまう・・・

近未来、スラム化した東京、そこから切り離された人口島、そこは日本版ハリウッドのムービー・アイランド、テレビ番組を通じての連続殺人事件が横行、高い視聴率、人気のレポーター・・・世間の注目を集める。そんな人口島へ探偵がひとり乗り込む。

イントロはあらたな主人公が作り出され、期待感が高まるかに思えたが、実はそうではないようだ。近未来の設定が胡散臭さを消してしまい、毒のない、平凡なエンタテイメントにしてしまった。

ファン故についつい辛口になってしまう。ここのところスランプ気味の大沢在昌でありますが諦めず待ちます。会心の一打を!


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Kの日々 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/双葉社/お薦め度★★★

「狼花」同様、少々お疲れ気味!?

三年前の組長誘拐事件、四人の実行犯、身代金は消えたまま東京湾に浮かんだ中国人マフィア。身代金の行方を捜すため実行犯の元組員二人から、死んだ中国人マフィアの恋人「K」の身辺調査の依頼を受けた裏の探偵・木(もく)。

「K」の見張りを続けるうち、ついつい掟破りの接触をしてしまう。近づくに従い、ミイラとりがミイラになってしまう木。

裏の探偵だから少々甘っちょろくてもしかたがないが、もっとスパイスの効いた展開がほしかったな・・・

やっぱりお疲れ気味の在昌!!!


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