ジェシカが駆け抜けた七年間について [book] [歌野晶午]
歌野晶午/原書房/お薦め度 ★★★☆
期待が大きすぎたのか!?
期待が大きすぎたのか!?
ニューメキシコ州アルバカーキ、世界各地からスカウトされた長距離ランナーの集団、エチオピア出身のジェシカ・エドルもそのひとり。或る晩、隣室のアユミ・ハラダ、体調を崩し精神的に不安定な状態だった、の奇怪な行動-いわゆる「丑の刻参り」、丑の刻(午前二時ごろ)火をつけたろうそくを頭に、ひそかに社寺に詣で、呪う相手に模した藁人形を神木で打ちつける-を目撃していまう。
ジェシカに問いただされたアユミは、クラブチーム内に、呪い殺したいほど憎んでいる人間がいると告げる。
表題の通り、ジェシカの駆け抜けた七年間はなんだったのかということになるのだが、いまいち切れがない!
ジェシカに問いただされたアユミは、クラブチーム内に、呪い殺したいほど憎んでいる人間がいると告げる。
表題の通り、ジェシカの駆け抜けた七年間はなんだったのかということになるのだが、いまいち切れがない!
2004/0304
葉桜の季節に君を想うということ [book] [歌野晶午]
歌野晶午/文藝春秋/お薦め度 ★★★★★
歌野晶午と言えば本書!
宝島社のインタビューに、「・・・この作品は、作品全体が『詐欺』みたいなもの(笑)。だから、中で扱う事件も、詐欺的なものにしたんです・・・タイトルから構成まで、騙すということをトータルで考えました。本格っぽくなく見せておいて、じつは・・・という構成になるように、エピソードを書く足していったりもしました・・・トリックがあって、そこに物語がること、それが僕に書ける小説、僕にとっての小説そのものです」
元私立探偵、現在は「なんでもやってやろう屋」の成瀬将虎が請負ったひき逃げ犯探し、近所の老人の別れた妻子探し、暴力団の潜入調査・・・すべてがドンデン返しの序曲にすぎない!?
歌野晶午と言えば本書!
宝島社のインタビューに、「・・・この作品は、作品全体が『詐欺』みたいなもの(笑)。だから、中で扱う事件も、詐欺的なものにしたんです・・・タイトルから構成まで、騙すということをトータルで考えました。本格っぽくなく見せておいて、じつは・・・という構成になるように、エピソードを書く足していったりもしました・・・トリックがあって、そこに物語がること、それが僕に書ける小説、僕にとっての小説そのものです」
元私立探偵、現在は「なんでもやってやろう屋」の成瀬将虎が請負ったひき逃げ犯探し、近所の老人の別れた妻子探し、暴力団の潜入調査・・・すべてがドンデン返しの序曲にすぎない!?
歌野晶午のトリックに酔ってください!最後の最後に「やられた!」、と。
2004/01/05
密室殺人ゲーム王手飛車取り [book] [歌野晶午]
歌野晶午/講談社/お薦め度 ★★★★
騙しに注意!?
著者には一度「葉桜の季節に君を想うということ」で騙された経験があります。それがトラウマとなってついつい用心をしてしまいます。
可笑しなハンドルネームを持つ5人が、インターネット上で殺人推理ゲームを出題しあうという設定。しかも殺人事件は実際に発生している。実行者は出題者。
結構愉しんで書いている著者が見えます。出題例は著者のアイデア集積、それに落ちをつけて一件落着・・・こんな感じかな、でも結構いい落ちですよ!
女王様と私 [book] [歌野晶午]
歌野晶午/角川書店/お薦め度★★★★
「真藤数馬のうんざりするような現実」、「真藤数馬のめくるめく妄想」、「真藤数馬のまぎれもない現実」の三部構成。
うざったい「オタク」、無職で親のすねかじり、もちろん独身、44歳の真藤数馬。ある日、日暮里で「女王様」に出逢う。女王様は来美、12歳。なんともすごい設定。
来美の同級生が次から次へと殺されていく。事件解明に乗り出す数馬だが、女王様の発言をことごとくくつ覆す事実が明らかになっていく。女王様が数馬を陥れようとしているのか・・・!? いつしか数馬が犯人として警察に御用となってしまう。
結末の裏庭から死体が発見される件は、なんとも現実的。最近頻発する「幼児誘拐殺人」犯の内面の一部をコミカルなタッチで描いているように思える。題材としてはシリアスだが、コミカルな語り口が救い。
あまり評判が高くないようだが、わたし的にはGood!