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短編回廊 [book] [ローレンス・ブロック]

sample1.jpgローレンス・ブロック編/パーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆

「短編画廊2」

アートから生まれた17の物語

寄稿者は前作「短編画廊」とほぼ同じ、リー・チャイルド、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァー、ジョー・R・ランズデール、S・J・ローザン・・・

読み手としては、まず絵画、版画、彫刻、壁画・・・があって、そこからインスパイアーされ、紡がれた物語がどんなものなのか想像しながら読み進む。

ジェフリー・ディーヴァーはラスコーの壁画、S・J・ローザンは北斎の版画「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」、リー・チャイルドはルノワールの絵画、ローレンス・ブロックはダヴィデ像・・・

アートと物語を対比させながら、想像しながら読み進む贅沢な一冊。

「短編画廊3」もあるのかな!?


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八百万の死にざま [book] [ローレンス・ブロック]

sample1.jpgローレンス・ブロック/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

アメリア私立探偵作家クラブ賞受賞作

マット・スカダー・シリーズ第五作

エレインの知り合いの娼婦キムから足を洗いたいので仲介をしてほしいと頼まれるスカダー。ヒモのチャンスは以外にもすんなりとキムの願いを受け入れた。

そのキムがホテルで惨殺される。ナタ?のようなもので・・・

スカダーはチャンスの犯行ではないかとジョー、刑事、に情報をリークする。しかし、チャンスは完璧なアリバイを有していた。

意外にも、スカダーはチャンスからキム殺害の犯人探しを依頼される。

1980年代、警察官が大幅に減らされ、ニューヨークの治安は最悪なものになっていた。そんな時代背景を元にジョーがかつて刑事だったスカダーに酒を飲んでくだをまく。ニューヨークに住むみんな、八百万人、にはそれぞれの死にざまがある、と。

本書は初期の作品なので、エレインとの大人の無駄話はまだない・・・


タグ:PWA賞
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処刑宣告 [book] [ローレンス・ブロック]

sample26.jpgローレンス・ブロック/二見書房/お薦め度 ★★★★☆

マット・スカダー・シリーズ、第十三作

2004年CWA賞ダイヤモンド・ダガー受賞シリーズ。

新聞に犯行を予告する姿なき連続殺人鬼、法では裁けぬ”悪人”たちを”ウィル=人々の意志”の名のもとに処刑、ロビイスト、マフィアのドンが次々処刑されていく。

次に処刑宣告を受けた弁護士が身辺警護をスカダーに依頼する。事前に対策を練ったにもかかわらず処刑は実行されてしまう。

スカダーの”倍返し”の始まり・・・

フーダニットとホワイダニットが合わさったサービス満点の一作、さすがCWA賞受賞作。

2006/05

タグ:CWA賞
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倒錯の舞踏 [book] [ローレンス・ブロック]

sample167.jpgローレンス・ブロック/二見書房/お薦め度 ★★★★☆

MWA賞受賞作、マット・スカダー・シリーズ

元警官、今は無免許の探偵。AA(アルコール自主治療協会)のメンバーからわたされた「特攻大作戦」のビデオに映っていたのは、マスクをした男女が少年をいたぶる殺人プレイの一部始終だった。

妻殺しの調査を依頼されたスカダー。容疑者と思しき男はケーブルテレビのプロデューサー。ボクシング会場で調査中、ふと殺人プレイの片割れの男を目撃!?

それをきっかけに二つの事件が交錯していく・・・

シリーズ九作目(邦訳されている)とあって、まわりに配置された人物設定も裏社会的でいい。特に高級娼婦でもあるエレインは特筆すべき配役だ。

2003/02

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石を放つとき [book] [ローレンス・ブロック]

ローレンス・ブロック/二見書房/お薦め度 ★★★★☆


sample1.jpgマット・スカダー・シリーズ新作+短編集

新作「石を放つとき」。

スカダーの妻、エレインが元娼婦の集まりで知り合ったエレン、エレインとエレン、から客だった男がストーカー化する恐れがあると打ち明けられる。男の名前も住所も分からない・・・

スカダーがこの件を引き受ける。手掛かりが何もない、そこで登場するのが似顔絵描きから画家になったかつての同僚、エレンの証言をもとに似顔絵を描き、それをもとに男の正体を割り出す・・・

大きな仕掛けがあるわけでもない本作品。堂場瞬一氏曰く、「大人の無駄話」、言い得て妙、が実に愉しく、老いて尚盛んなスカダーとエレインに会えドッキリ!?スカダー・ファンにとってはたまらない、必読の書・・・

久々にじっくり味わった一冊・・・

追伸:あとがきをローレンス・ブロック自身が書いているので、それぞれの作品がシリーズのなかでどんな位置づけだったのか復讐出来るのもいい。


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短編画廊 [book] [ローレンス・ブロック]

sample1.jpgローレンス・ブロック編/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆

秀逸な短編集

エドワード・ホッパーの絵にインスパイアーされた17の短編

編者のローレンス・ブロック自身ももちろん寄稿、その他の寄稿者はリー・チャイルド、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァー、スティーヴン・キング・・・らのビッグネームが。

ミーガン・アボットの「ガーリー・ショウ」、絵と文章が見事にシンクロ?わたし的には17編のなかで最も印象的な作品。

マイクル・コナリーの「夜鷹(ナイトホーク)」は心優しいハリー・ボッシュ。

スティーヴン・キングの「音楽室」はキングの本領発揮。

ジョー・R・ランズデールの「映写技師ヒーロー」はノワール。

ローレンス・ブロックの「オートマットの秋」はトラップ。

編者のローレンス・ブロックがいみじくも、エドワード・ホッパーの作品は「絵のなかに物語があること、その物語は語られることを待っていること」を強く示唆している、と。

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泥棒は野球カードを集める [book] [ローレンス・ブロック]

sample5.jpgローレンス・ブロック/早川書房/お薦め度 ★★★★

泥棒探偵シリーズ第六弾

前作「泥棒は抽象画を描く」から11年ぶりの本書、ちょっと趣を異にする雰囲気あり!?

古書店が軌道にのり?泥棒稼業をすばらくお休みしていたバーニイ、大家が変わり、家賃の大幅値上げを通告されたため、やむなく?稼業を復活させることに・・・

高級アパートに忍び込んだバーニイ、開かずの扉の先は浴室、そこで裸の死体を発見、ここまではいつの通り。何も盗らずに退散したはいいが、野球カードを盗まれたとの家主の訴えにお縄に・・・

保釈されたバーニイ、身の潔白と家賃交渉の切り札、大家が野球カードを欲しがっている、のため再度お勤めに。

結末は「三方よし」、「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」、的な裁き?にびっくりぽん!

手探りをしながら書き進めているのか?それとも11年のブランクがなせる技なのか?

追伸:本書から猫のラッフルズが登場。本書でシリーズ11作すべて読了、本当に愉しいシリーズでした!

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泥棒は抽象画を描く [\book] [ローレンス・ブロック]

sample1.jpgローレンス・ブロック/早川書房/お薦め度 ★★★★

シリーズ第五弾

キャロリンの猫アーチーが誘拐され、身代金25万ドルの電話がかかる。電話の主はドイツ訛りの女。身代金が無理ならモンドリアンの名画<色のコンポジッション>。

アーチ―のひげが送りつけられるに至り、バーニーとキャロリンはモンドリアンが展示してある美術館へ。そこは厳重に警備され、バーニーでも手に負えそうにない!?

前夜、蔵書鑑定に訪れた宅にモンドリアンが・・・モンドリアンの構図はどれも素人にとっては同じに見える?ならばと、もう一度・・・しかし、モンドリアンがあった壁は絵の跡を残すのみ。

いつもならここで死体に出くわすのだが、今回は何もなく撤退!?後日、クロゼットのなかで死体が発見され、バーニイが捕まる。何とか保釈されたものの、今度は本屋のトイレで画家の死体をキャロリンが見つける。

モンドリアンの絵をどう調達するのか?殺人事件の犯人は誰なのか?関係者全員を集めた謎解きが始まる。

シリーズ全11作、残すは「泥棒は野球カードを集める」のみ。本当に愉快なシリーズ!

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泥棒は哲学で解決する [book] [ローレンス・ブロック]

sample5.jpgローレンス・ブロック/早川書房/お薦め度 ★★★★

泥棒バーニイ・シリーズ第四弾

キャロリン、犬の美容師、バーニイの親友、の情報をもとに、キャロリンと忍び込んだのは金持ちのコルキャノン邸、しかし、そこには先客が・・・部屋は荒らされていたが、壁金庫には手がつけられていなかった。

バーニイが壁金庫から失敬したのは、腕時計、イヤリング、そして世界に5枚しかない希少価値のコイン、50万ドル!? その足で故買屋クロウのもとへ。腕時計とイヤリングは買い取ってもらい、コインは簡単に右から左とはいかないのでいったん預けることに・・・

翌日、ふたりの刑事がバーニイを訪ね、警察へしょっ引かれる。昨夜遅く帰宅したコルキャノン夫妻が泥棒と出くわし、妻が撲殺された、と。現場に落ちていたキャロリンのビニール手袋から・・・

コルキャノンの面通しをパスしたバーニイは釈放されたが、コインを預けた故買屋のクロイが死体で発見されるに至り、泥棒探偵バーニイの登場・・・

いつものように関係者全員を集めた謎解き、犯人探しはお見事!まるで大岡越前のお白州みたい・・・

いつもひとりのバーニイが誰かと組んで泥棒に入るとは?しかもその相手がキャロリンとは・・・バーニイの泥棒哲学に違反してないか?

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泥棒はボガートを夢見る [book] [ローレンス・ブロック]

sample5.jpgローレンス・ブロック/早川書房/お薦め度 ★★★★

泥棒バーニイ・シリーズ第七弾

プロローグはシリーズ第二弾の「泥棒はクロゼットのなか」状態、その間に依頼された書類鞄はなくなっていた。

バーネガット書店にハンフリー・ボガートの本を差し出す絶世の美女があらわれる。一目惚れのバーニイと絶世の美女イローナはボガートの話題で意気投合、その夜から15夜連続でボガートの映画を2本づつ観ることに・・・

盗みの依頼人の部屋から建物に入るための案内人?が死体で発見される。いつもならバーニイが死体を発見するのだが・・・レイ・カーシュマンから事件を知らされる。

15夜連続の映画館通い、一夜を共にしたバーニイの前からイローナが忽然と消える・・・

物語はいつものように、関係者全員が集められバーニイの謎解きが披露されるが、今回は近江商人の「三方よし」的な裁定?に拍子抜けの感はあるが、これはこれでいいのかと納得してしまう。

本シリーズのお愉しみはエピローグ、今回は「いい人」バーニイ!?

相変わらず愉しめるシリーズ。シリーズ読了までラスト3作品・・・

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