帰らざる故郷 [book] [ジョン・ハート]
終わりなき道 [book] [ジョン・ハート]
ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
さすがジョン・ハート!
監禁された少女を助けるため二人の犯人を射殺した刑事のエリザベスは世間の批判にさらされる。犯人に向け18発の弾丸を撃ち尽くしたため・・・
停職中のエリザベスは助け出した?少女に寄り添い、精神的支柱となる。それはエリザベスの少女時代の過去と事件に関する秘密に由来していた。そんな折、元警官でエリザベスが心酔していたエイドリアンが刑務所から釈放される。人妻殺しを認め13年の刑に服していた。
事件は電話をかけるため立ち寄ったバーで起こる。母親を殺された14歳の少年が復讐のためエイドリアンに銃口を向ける。それを見た店主が少年に発砲、瀕死の重傷を負わせる。そのことでエイドリアンは警察に拘留されるはめに・・・
エリザベスの育った教会の祭壇に続けてまつられる死体、連続殺人事件!?ここでもエイドリアンが疑われる。
エイドリアンをつけ狙う刑務所所長と看守、エリザベスに力を貸す相棒?と老弁護士、エリザベスと相容れない牧師の父親・・・複層する物語に頁をめくる手が止まらない。エリザベスとエイドリアンの運命や如何に・・・
本年度ベスト10入り間違いなしの一冊!?
アイアン・ハウス [book] [ジョン・ハート]
ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
最新刊
凄腕の殺し屋・マイケル、恋人・エレナの妊娠を知り、組織を抜けようと決意する。父親同然だった組織のボスは足抜けを許したが、ボスの息子、組織の幹部をそれをよしとしなかった。
マイケルv組織の戦いがはじまる。組織はエレナを人質にとり、生き別れの弟・ジュリアンをもターゲットにすることを布告。エレナとジュリアンをまもるため命をかけるマイケル。
そんな折、孤児院、アイアン・ハウス、でジュリアンをいじめた男たちが次々と湖から死体で発見される。ジュリアンが犯人なのか?ジュリアンを徹底して擁護する養母・アビゲイルもいつしかマイケルと一緒に戦いに挑むことに。
犯人は誰なんか?組織との戦いは?弟、恋人の運命は?事件の行く末も気になりますが、本書のメインストリームは兄弟愛、家族愛。「川は静かに流れ」、「ラスト・チャイルド」に続くMWA賞受賞作になるかもしれない一冊!?
追伸:1月19日付、MWA賞ノミネート作品に本書は選らばれていませんでした。残念!そのかわりと言っちゃなんですが「容疑者Xの献身」/東野圭吾がノミネートされています。
ラスト・チャイルド [book] [ジョン・ハート]
ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
MWA賞受賞候補作
MWA賞受賞候補作をもう読めるなんて・・・「キングの死」、「川は静かに流れ」に続く家族をテーマにした秀作
崩壊寸前のメリモン家、ジョニーのふたごの妹、アリッサが誘拐され、それを追うかのように父親も行方不明になる。母親のキャサリンは薬漬けの毎日、住む場所、お金の面倒も地元の実業家の厄介になっている始末。
そんな中、ジョニーは妹の無事を信じ、親友とともに行方を探し続ける。
目の前で起こる事故、危うく難を逃れるジョニー、被害者から聞いた最後の言葉は、「あの子を見つけた」だった。
何かとジョニーの面倒をみながら、アリッサ事件にのめり込むハント刑事、ふたりの前に次々に起こる事件、アリッサは本当に生きているのだろうか!?
健気なジョニー、その結末は結構辛いものだが、最後の一行が「救い」。
間違いなく、本年度ベスト5に入る一冊!?
川は静かに流れ [book] [ジョン・ハート]
ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★
MWA賞最優秀長篇賞受賞作
本年度ベスト10入り間違いなしの一冊
5年前、継母の証言で殺人容疑をかけられ故郷を離れることになるアダム・チェイス。親友の力を貸して欲しいという依頼に故郷に戻り、またまた殺人事件にまきこまれてしまう。
父親、継母、義理の妹、義理の弟。家族同様な作業監督と孫娘。アダムの元恋人の刑事。それぞれの人々と複雑に絡み合うが歓迎されないアダム。第二の殺人事件はどこに向かうのか!?
前作「キングの死」同様、家族をテーマにした秀作。
キングの死 [book] [ジョン・ハート]
ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★
本年度MWA 最優秀処女長篇賞ノミネート作品
辣腕弁護士だった父親、失踪から一年半、射殺死体で発見される。主人公のワークは確信する、「犯人は妹」だと・・・
父親の遺言が明らかになると事態は一転、莫大な遺産相続人となったワーク、しかしアリバイが証明出来ない!
事件の背景に存在する、父親と息子の確執、妻とワークの夫婦問題、父親の立身出世術、南部という土地柄などが物語を支配するようになっていく。本当に犯人は妹なのか?
4月26日にMWA賞の発表があったはずですが、本書は受賞作品足りえたのでしょうか!?