囮弁護士 [book] [スコット・トゥロー]
出訴期限 [book] [スコット・トゥロー]
スコット・トゥロー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★
中編小説!?
出版社の罠にはまってしまった!?刊行順で言えば、本書、「無罪」。邦訳は逆、「無罪」、本書。秀逸な「無罪」に続く邦訳とくれば期待は膨らむはず・・・
第一審どうりの刑をかすべきか?出訴期限を過ぎたことで被告人を無罪にすべきか?
出訴期限、時効ですね。15歳の少女に対するレイプ事件、証拠としてレイプの様子を撮ったビデオが採用、しかし、事件はすでに時効。上級裁判所判事三名の意見は一致せず、判事メイソンに委ねられる。
メイソンの若かりし頃の失態がオーバーラップ、それに加え何者かからの脅迫メールが・・・自責の念、脅威と闘いながら導き出した判決は!?
いつもの長編と比べると登場人物も少なく中編小説。ちょっと割高感のある一冊かな・・・
無罪 [book] [スコット・トゥロー]
スコット・トゥロー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆
「推定無罪」から24年
州上訴裁判所主席判事、60歳、ラスティ・サビッチ。24年前、地方検事局のNo.2だった当時、検事補殺しで無罪を勝ち取った(前回の「推定無罪」)。
妻・バーバラの変死。警察への通報まで丸一日の空白が・・・
これをめぐり、検事局のトップ、トミー・モルト、部下のジム・ブラウンはラスティを訴追する。因縁の対決、24年前に屈辱的な敗北を味わった、が再現される。
ラスティの不倫(懲りない男)、離婚相談、服用を誤ると死を招く処方薬・・・情況証拠はラスティに厳しいものであった。
ラスティの弁護を務めるサンディ・スターンと娘・マルタ、衝撃の真実が待ち受ける裁判の行方は如何に!?
本年度ベスト3間違いなしの一冊。
死刑判決 [book] [スコット・トゥロー]
スコット・トゥロー/講談社/お薦め度 ★★★★★
登場人物の組み合わの妙。二つのタッグチームがしのぎを削る。
ひとつ目のチームは、三度目の正直で専任された弁護士・アーサー+死刑囚・ロミーに判決を下した美貌の元判事・サリバン-元がつくのは麻薬におぼれ逮捕された-裁判を通じふたりは急接近する。
これに対抗するふたつ目のチームは、野心家の主席検事補・ミュエル+ロミーを逮捕、自供に追い込んだ刑事・ラリー。ふたりは過って不倫関係にあった。今でもラリーはミュエルに夢を馳せる。
別件で逮捕され、余命いくばくも無いことから真犯人だと名乗り出た男。死刑囚は冤罪なのか・・・?10年の歳月を経て交錯するそれぞれの人生。スコット・トゥローの真骨頂!