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囮弁護士 [book] [スコット・トゥロー]

sample102.JPGスコット・トゥロー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

「タイム」誌が選ぶ1999年度ベスト・ブックス第一位

弁護士のロビー・フェヴァーは判事から有利な裁定を引き出し、和解によって巨額の賠償金を得るため、複数の判事に賄賂を贈っていた。その事実を掴んだ連邦検察官、スタン・セネットは、ロビーを囮弁護士にしたて大物の黒幕を捕らえようと作戦を開始する。

囮捜査の手口が詳細に描かれ、最後はFBIによる大捕り物に進展する。

筋立てを見ればリーガル・サスペンスなのだが、登場人物の生い立ち、それぞれの関係、人間模様を克明に描き出している。サスペンスという大きな流れの中で展開する人間ドラマといった方が適切。特にもう一人の主人公イーヴォン・ミラーの人物描写、設定はスコット・トゥローの真骨頂を示す。

「私は自分のことを、大衆的なジャンルと、純文学のジャンル、両方に渡っている橋に立つ作家だと思っています。[有罪答弁]は、少し大衆寄りの小説だし、[われらが父たちの掟]は純文学寄り。今回の作品は、橋の中間あたりに位置する作品です」、と。

2000/09


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出訴期限 [book] [スコット・トゥロー]

sample1.jpgスコット・トゥロー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

中編小説!?

出版社の罠にはまってしまった!?刊行順で言えば、本書、「無罪」。邦訳は逆、「無罪」、本書。秀逸な「無罪」に続く邦訳とくれば期待は膨らむはず・・・

第一審どうりの刑をかすべきか?出訴期限を過ぎたことで被告人を無罪にすべきか?

出訴期限、時効ですね。15歳の少女に対するレイプ事件、証拠としてレイプの様子を撮ったビデオが採用、しかし、事件はすでに時効。上級裁判所判事三名の意見は一致せず、判事メイソンに委ねられる。

メイソンの若かりし頃の失態がオーバーラップ、それに加え何者かからの脅迫メールが・・・自責の念、脅威と闘いながら導き出した判決は!?

いつもの長編と比べると登場人物も少なく中編小説。ちょっと割高感のある一冊かな・・・


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無罪 [book] [スコット・トゥロー]

sample1.jpgスコット・トゥロー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

「推定無罪」から24年

州上訴裁判所主席判事、60歳、ラスティ・サビッチ。24年前、地方検事局のNo.2だった当時、検事補殺しで無罪を勝ち取った(前回の「推定無罪」)。

妻・バーバラの変死。警察への通報まで丸一日の空白が・・・

これをめぐり、検事局のトップ、トミー・モルト、部下のジム・ブラウンはラスティを訴追する。因縁の対決、24年前に屈辱的な敗北を味わった、が再現される。

ラスティの不倫(懲りない男)、離婚相談、服用を誤ると死を招く処方薬・・・情況証拠はラスティに厳しいものであった。

ラスティの弁護を務めるサンディ・スターンと娘・マルタ、衝撃の真実が待ち受ける裁判の行方は如何に!?

本年度ベスト3間違いなしの一冊。


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死刑判決 [book] [スコット・トゥロー]

スコット・トゥロー/講談社/お薦め度 ★★★★★

登場人物の組み合わの妙。二つのタッグチームがしのぎを削る。

ひとつ目のチームは、三度目の正直で専任された弁護士・アーサー+死刑囚・ロミーに判決を下した美貌の元判事・サリバン-元がつくのは麻薬におぼれ逮捕された-裁判を通じふたりは急接近する。

これに対抗するふたつ目のチームは、野心家の主席検事補・ミュエル+ロミーを逮捕、自供に追い込んだ刑事・ラリー。ふたりは過って不倫関係にあった。今でもラリーはミュエルに夢を馳せる。

別件で逮捕され、余命いくばくも無いことから真犯人だと名乗り出た男。死刑囚は冤罪なのか・・・?10年の歳月を経て交錯するそれぞれの人生。スコット・トゥローの真骨頂!


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