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火の粉 [book] [雫井脩介]

sample158.jpg雫井脩介/幻冬舎/お薦め度 ★★★★☆ 

サイコ・ミステリーの時代は、とっくに終わっている。

誰しもがそう思っていたはず。しかし、「このミス・・・」をはじめ、何誌もが「飛蝗の農場/」ジェレミー・ドローンフィールドをベスト10に選んだことは記憶に新しい。

裁判で無実を勝ち取った被告人・武内真伍。偶然にも?元裁判官で現在は大学教授の梶間勲の隣りにが引っ越してきた。老人介護に疲れた元裁判官の妻。気の利いた贈り物。老人介護の手伝い・・・・どんどん梶間家の輪の中に入っていくたびに家族に火の粉が降りかかる。

元被告人の自白は?元裁判官の無罪判決は?武内真伍は殺人鬼だったのか?

プロットは完全にサイコ・ミステリーの様相を呈している。最後までこのプロットを引っ張りきれたのか?

引っ張りきれたならサイコ・ミステリーの逆襲だ!

2003/01

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白銀を踏む荒らせ [book] [雫井脩介]

sample43.JPG雫井脩介/幻冬舎/お薦め度 ★★★☆ 

スポーツミステリーはむずかしい!?

日本のアルペン界にすい星のごとくあらわれた天才、石野ケビン、石野マーク。父は黒人で、アメリカの軍人。母は日本人のハーフの兄弟。

ワールドカップの表彰台を狙えるところまできていた矢先、兄・ケビンがダウンヒル(滑降)の競技中、転倒、帰らぬ人となる。そのショックから立ち直ることの出来ない弟・マークのメンタルトレーニングを依頼される、元柔道チャンピオン・望月篠子。

全日本の遠征に同行しながらメンタルトレーニングを続ける篠子が何者かに襲われることから事件は始まる。

世界スキー連盟の会長人事、白人至上主義組織<パル>、サポートチーム・・・アルペンスキー界の底知れぬ闇に挑む篠子とその友人・深紅。

劇画的といったのは、アルペン競技そのものが劇画素材であり、主人公は柔道の元チャンピオン、友人の深紅は剣道の有段者・・・「芸は身を助く」じゅないが、柔道、剣道の技で間一髪の危機を逃れたり活劇要素満載!?

たしかにスポーツミステリーという新境地なのだろうがあまりにも陳腐で劇画的過ぎ(ちょっと言い過ぎかな!?でも期待が大きかっただけに・・・)、「虚貌」の雫井脩介とは思えない。「少年××」が版権を買えばいいのかも。

2002/04

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虚貌 [book] [雫井脩介]

sample244.JPG雫井脩介/幻冬舎/お薦め度 ★★★★☆  

ガンに冒されていく老刑事は、二十一年前の事件を追う

二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。夫婦は惨殺され、長女は半身不随、長男は顔に大火傷を負う。間もなく、従業員の三人が逮捕された。

主犯格と見なされた荒は無期懲役となり、二十一年後仮釈放となった。あたらな事件はここから始まる。

共犯のひとり坂井田が荒によって刺殺される。凶器は坂井田のナイフだった。

続いて、あの事件の本来の主犯・時山がいかさまマージャンの最中、カモによって鎌で首を落とされる。犯人と見られるカモはどうみても荒ではなかった。

進行性ガンの入院治療中、この事件を知った老刑事・滝中守年は、通称モリさん、これを最後の事件とすることを願い出る。二十一年前に自身も捜査に加わっていたあの事件・・・あの事件にはもう一人犯行に加わっていた少年Aいた。次のターゲットは当時の少年Aか?

服役中の荒宛てに、何度となく励ましの手紙をくれた支援者のアパートから荒と思われる死体が発見される。事件は単なる荒の復讐劇ではなかった。

カメラマンとなった少年A・湯本。湯本の過去を知らずに結婚を考えるモリさんの娘・朱音。朱音の父親が自分の過去を知っている刑事だと知らない湯本。朱音と湯本が結婚を考えている仲だと知らないモリさん。親子の絆をベースにもうひとつの事件も進行する。

姿の見えない犯人、宮部みゆきの「火車」を彷彿させる、ガンと戦いながら犯人を追いつめる老刑事、その結末は!?

2001/10

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犯人に告ぐ2 [book] [雫井脩介]

sample1.jpg雫井脩介/双葉社/お薦め度 ★★★★

待望の第二弾?

「犯人に告ぐ」の刊行が2004年、11年ぶりにシリーズ第二弾が読めるとは・・・

今回も巻島警視が立ち向かうのは誘拐事件、誘拐事件といっても「誘拐ビジネス」。菓子メーカーの社長と息子が別々に誘拐され、社長だけが後日解放される。社長と犯人の間で身代金授受の方法が念入りに打ち合わせされていた。

警察に気づかれることなく身代金を受け取り、息子を解放する計画のビジネス団。

警察vs社長一家、警察vsビジネス団、社長一家vsビジネス団、三つ巴の騙し合いが始まる。成功したかに見えた身代金授受、社長の寝返り?で失敗に終わる。

社長の寝返りを計算にいれていたビジネス団はプランAの実行に移る。それはオレオレ詐欺で培ったノウハウがもとになったものだった。

事件解決の突破口がキャリアの浅い女刑事と原付バイクとはちょっとしみったれていませんか!?

柳の下に二匹目のドジョウはいないのかも・・・


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犯人に告ぐ [book] [雫井脩介]

雫井脩介/双葉社/お薦め度 ★★★★★

わたし的には、この作者は一冊おきに秀作を出すという定説?をもっていました-「虚貌」は○、「白銀を踏み荒らせ」は×、「火の粉」は○。定説からすると、本書jは×!?-あにはからんや、ザッツ・インターテインメント!

膠着する連続児童殺人事件の捜査。当局の選んだ打開策は、史上初のテレビ局と手を組んだ劇場型捜査。その主役を命じられたのは、いまだ未解決の児童誘拐事件で失態を犯した過去をもつ刑事・巻島史彦。このプロットで成功の八割は確定したも同然!?

巻島のテレビ出演に呼応する犯人。果たしてホンボシなのか?

主役の巻島刑事には、モンテカルロ・テレビ祭で主演男優賞を獲得した内野聖陽(「蝉しぐれ」)。と勝手に決めているんですが・・・


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