教室が、ひとりになるまで [book] [浅倉秋成]
浅倉秋成/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★
日本推理作家協会賞ノミネート作
特殊設定ミステリー、四人の生徒に授けられた超常的な能力はバラバラであり、その発動する条件も異なる。自分以外の能力の持ち主が誰か知らず、他の能力の中身も知らない。しかも、制限も存在している。
北楓高校で起きた連続自殺、ひとりはトイレで首つり、ふたりは校舎から飛び降り・・・
垣内友弘は同じマンションということで担任から欠席している白滝美月の様子を見てくることを頼まれる。そこで発せられた美月の「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの。このままじゃ、こずえも殺されちゃう」・・・
四人のうちのひとりの垣内は自身の能力、ウソを見抜く、を活用し、孤独な謎解きに身を投じる。
アルバイト先で大学生ののり子さんが垣内に、「学校って本当にクソだよね・・・特に高校、絶対に戻りたくないね・・・なんかあるじゃん?バカみたいな階級が、生徒の間に・・・」。
ネタばれになるのでこれ以上言えませんが、本書の肝!
「六人の嘘つきな大学生」に触発?され、手にした一冊。
六人の嘘つきな大学生 [book] [浅倉秋成]
浅倉秋成/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★
心理戦
初任給50万円、応募者5000人、新興IT企業の新卒採用、最終選考に残ったのは6人、最終課題はグループディスカッション、6人全員で内定を得るため定期的に集まり、どんな課題を出されてもいいように準備に入る。
ところが1週間前に課題が変更された。6人の合議のうえ、内定者1名を選出してください、というものだった。しかも2時間半の時間内に・・・
仲間だった6人が、この時点で全員ライバルとなってしまった。
30分ごとに投票タイムを設けるということで議論は始まる。事件は1回目の投票のあとで起こる。会議室に誰かの忘れもの?らしきA4サイズの白い封筒が見つかる。
封筒の中には小さな封筒が、しかも内定者の名前が記載されている。封筒を開けると「○○は人殺し、高校時代、いじめにより部員を自殺に追い込んだ」という告発文が・・・
告発文が次々に開封され6人の嘘?と罰が・・・これを仕掛けた犯人の目的とは?
初めて手にする作家、1989年生まれの若手、構成力、就活に対するメッセージ性もあり今後がたのしみな作家!?何冊か読んでみることにしよう。