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シャドウ・キラー [book] [ヴァル・マクダーミド]

sample252.JPGヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度 ★★★★☆  

主人公のフィオナは犯罪心理学者。ミステリー作家・キットとの共同生活は順調そのもの。キットの友人・スティーブはロンドン警視庁の警視。

事件の発端はキットのもとに届く一通の脅迫状と、彼の同業者、ミステリー作家が殺されたことから始まる。次々に実行される殺人事件。同一犯による連続殺人だということが明らかになってきたとき、次なるターゲットはキットだということがわかる。

そんなとき、犯人と名のる男があらわれ、断定しようとした矢先、キットがいなくなる。フィオナは必然的にプロファイリングを引き受けるはめになる。

犯人は別にいる。フィオナは自分のプロファイリングを頼りに単身、キットの捜索に乗り出す。

プロファイリングという使い古された手法と、ミステリー界という自分の領域を題材に、マクダーミド流の料理がもてなされる。そのお味は満足いくものだと思います。

「処刑の方程式」(前々回紹介)と甲乙つけがたい本書です。

2001/11

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殺しの儀式 [book] [ヴァル・マクダーミド]

sample204.JPGヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度 ★★★★☆  

CWA賞受賞作

連続殺人事件発生。共通していることは、犠牲者はすべて男。死体はきれいに洗われ、むごい拷問の跡を残していることだった。市警の副本部長は心理分析官、トニー・ヒルを招集する。トニーとチームを組み捜査にあたるのは女性警部補、キャロル・ジョーダン。犯人は同性愛者か!?

更なる犠牲者が・・・

本書の中にもたびたび登場するプロファイリング。「羊たちの沈黙」のヒット以降、ミステリーの題材として頻繁に取り上げられるようになったが、本書は単なるサイコスリラーではなく、もっと人間臭いドラマに仕上がっている。

日本ではヴァル・マクダーミドの人気はイマイチ?のようだが、イギリスを代表するミステリー作家に間違いない。ぜひ、一読あれ・・・

追伸:本書を読んでから「処刑の方程式」を読むことをお薦めする。★★★★☆→★★★★★の方が・・・

2001/06

タグ:CWA賞 CWA
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処刑の方程式 [book] [ヴァル・マクダーミド]

sample199.JPGヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度 ★★★★★  

イギリスとアメリカで評判となった本書、CWA賞、MWA賞ノミネート、ですが、日本での人気はイマイチ!?わたしは大ファンですが・・・

まるで密室状態な閉鎖的な村から13歳の少女・アリスン・カーターが消えた。若きエリート警部・ジョージ・ベネットは少女の捜索に異常な執念を燃やす。アリスンの生存を否定する証拠が次々と出てくる。ジョージは死体なき殺人事件と考え、被疑者を勾留した。

アリスンの死体は発見されることなく公判は維持され、陪審員の出した評決は「有罪」だった。

物語は完結したかのように思えたが、更なる第二部が用意されていた。

35年の歳月が流れ、ジョージは妻の看護のために退官。悠悠自適な生活を送っていた。息子の友人、ジャーナリスト・キャサリンの人柄に惹かれ、35年前の事件の取材を許可することになる。

ここから一挙にクライマックスまでどんでん返しの物語が展開される。もうこれ以上はここでは書けません。

著者の九作目「殺しの儀式」はCWA賞・ゴールドダガー賞を受賞していますが、それをも超えた一冊!?

2001/06


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迷宮の淵から [book] [ヴァル・マクダーミド]

sample8.jpgヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度 ★★★★☆

最新刊

未解決事件再捜査班のカレン・ピーリーのもとに二十二年前に失踪した父親の捜査願いが出される。余命いくばくもない孫の骨髄移植のために・・・

ジャーナリストのベルにより、迷宮入り事件、富豪の娘と孫が誘拐され、娘は殺され孫は行方不明、に新たな進展がもたらされる。富豪はカレンに再捜査を依頼する。

ふたつの事件が過去と現在を行きつ戻りつ展開される。いつしかふたつの事件は・・・

読者を引き込む巧さは相変わらず。巻末に近づくにつれ頁をめくる手がだんだんと遅くなってしまう。終わるのがもったいないという気持ち!?

最後の切り札の使い方は流石です。


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壁に書かれた預言 [book] [ヴァル・マクダーミド]

sample9.jpgヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度 ★★★★ 

著者はじめての短編集

ずしりと重い、直球勝負の短編集

「ベスト・アメリカン・ミステリ クラック・コカイン・ダイエット」/早川書房と比較すると面白い。アメリカVSイギリス(ヴァル・マクダーミドはスコットランド育ち、オックスフォード大学卒、CWA賞受賞作家)、気候的な違いがあるのかもしれないが、本書の方が圧倒的に暗く重い空気が漂う。

特に、「ベスト・アメリカ・・・」に収録されているジェフリー・ディーヴァーとは好対照。ストーリーで読ませ、罠を仕掛ける「動」のディーヴァーに対して、マクダーミドのそれは捻りを効かせた「静」。

19編も収録されているサービス版の一冊。
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過去からの殺意 [book] [ヴァル・マクダーミド]

ヴァル・マクダーミド/集英社/お薦め度★★★★

2004年、バリー賞、最優秀英国ミステリー賞受賞作。

プロット的には結構使い古されたもの-四人の大学生が血まみれの若い女性を発見、女性は死亡。第一発見者を疑えじゃないが、殺人の疑惑が四人に向けられるが、事件は未解決のまま二十五年が経過する。なんとも「ミスティック・リバー」的。そして事件の見直しがはじまる-をどう料理するのか、ゴールド・ダガー賞受賞作家は?

わたし的には大好きな作家ですが、日本ではイマイチ人気がないようです。アマゾンの「カスタマーレビュー」を見ても、投稿の少なさが目に付きます。なんなんでしょうか?もっと評価されてもいいと思います。みなさん、評価しましょう!!!

追伸:十八番のトニー・ヒル&キャロル・ジョーダン・シリーズ第三弾「殺しの迷路」も既刊されたいたので、慌てて手にした次第です。


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