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恐るべき太陽 [book] [ミシェル・ビュッシ]

sample1.jpgミシェル・ビュッシ/集英社/お薦め度 ★★★★

アガサ・クリスティーへの挑戦作!?

ゴーギャンやジャック・ブレル、歌手、が愛した島に、フランスの人気作家、ピエール=イヴ・フランソワ(PYF)が指導する<創作アトリエ>に5名が選ばれた。野心的な作家志望者、クレマンス・ノヴェル、ベルギーの人気ブロガー、マルティーヌ・ヴァン・ガル、パリ警察署の主任警部、ファレイーヌ・モンサン、黒真珠養殖業者夫人、マリ=アンブル・ランタナ、謎の多い寡黙な美女、エロイーズ・ロンゴ。同行者としてファレーヌの夫で憲兵隊長のヤン・モロ、マリ=アンブルの娘マイマ。

お世話係は<恐るべき太陽>荘のオーナー、タナエ、タナエの娘のポエとモアナ。

<創作アトリエ>ではPYFから課題の通り?PYFが姿を消し、彼女らが次々と死体となって発見される・・・

五人の書いた手記と憲兵隊長のヤンとマイマ、クレマンスの視点から物語は進行する。

ミシェル・ビュッシの雰囲気は「黒い睡蓮」同様充分に味わうことが出来る、舞台設定が南太平洋の島だけに、が、「そして誰もいなくなった」への挑戦作かといわれると、「?」。




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時は殺人者 [book] [ミシェル・ビュッシ]

sample1.jpgミシェル・ビュッシ/集英社/お薦め度 ★★★★

フレンチ・サスペンス

父の実家、コルシカ島、をバカンスでいつも訪れる私、クロチルド、の一家、27年前の8月、父、母、兄、私の乗った車が崖から転落、私以外は亡くなった。

事故後初めて、夫、娘を連れてコルシカ島を訪れるクロチルド、彼女に届いた一通の手紙、母の筆跡で私と母しか知らない事柄が書かれていた。母は生きているのか?

クロチルドは当時のことを知る人を訪ね、調べ始めると同時に不可解なことが身辺で起きる。金庫に入れた財布が盗まれる?知らぬ間に朝食の支度がされている・・・

母の死の疑惑がますます膨らむ。

物語は27年前のクロチドの日記とクロチドの現在が交互に語られる。健康的で明るい過去、少女時代、と夫との関係がギクシャクしている現在、42歳の弁護士、の対比が眀と暗!?

前作「黒い睡蓮」同様、筆者の持つ独特の雰囲気、フレンチ・サスペンス、を充分に愉しんでほしい・・・



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彼女のいない飛行機 [book] [ミシェル・ビュッシ]

sample1.jpgミシェル・ビュッシ/集英社/お薦め度 ★★★★

フレンチ・ミステリー

1980年12月、イスタンブール発パリ行きのエアバスが山中に墜落、乗員乗客168名に炎が襲いかかった時も、ひとりの赤ん坊、女の子、が絶叫することはなかった。

エアバスには同じ年頃の赤ん坊がふたり、リズ・ローズとエミリー、乗っており、どちらの両親も死亡。両家、お金持ちのカルヴィル家、つつましい生活を送るヴィトラル家、とも女の子は自分たちの孫だと主張、譲らない。

最後は司法の手により裁定がくだされた。赤ん坊はヴィトラル家のエミリーだと・・・

カルヴィル家に雇われた私立探偵の18年に渡るノート、孫がエミリーなのかリズ・ローズなのか、に翻弄させられるエミリーの兄マルクと事故後の両家が並行して語られる。エミリーは本当にヴィトラル家の孫だったのだろうか!?

探偵は契約が切れる寸前、カルヴィル家の祖母に、1980年の事故を報じた新聞に「奇跡の子」は誰かを示す記事が載っていることを告げる。

ありがちな展開?ではあるが、思わせぶりな口調で読者をじらし続ける筆者。マルクと一緒に探偵のノートを読んでいる自分もじりじり・・・なんとも心憎い演出!

昨年刊行された「黒い睡蓮」も秀逸な叙述ミステリーなのでぜひ読んでほしいものです。

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黒い睡蓮 [book] [ミシェル・ビュッシ]

sample1.jpgミシェル・ビュッシ/集英社/お薦め度 ★★★★

叙述トリック

2018年版「このミス・・・」海外編5位

プロローグの老女のささやき、ある村に三人の女がいた。ひとり目は80歳を超えた寡婦。二人目は36歳で夫を裏切ったことは一度もない。三人目はもうすぐ11歳になる。彼女たちにはひとつの共通点があった。誰もが訪れたいと願う村、ジヴェルニー、印象派の巨匠クロード・モネが後半生を過ごし、ひたすら睡蓮を描き続けた場所、を旅立ちたいと夢見ていたのだ。

事件は睡蓮のある池からほど近い小川のほとりで眼科医の男の死体が発見される。絵画コレクターでモネの「睡蓮」を一枚手に入れたいと熱望していた。また妻のある身ながら何人かの女と関係を持ち、隠し子がいたかもしれない疑いが・・・

事件を担当したのがヴェルノン署の署長セレナックと部下のヴェナヴィッド、眼科医が関係を持っていたと思われる女たちのひとり、女教師に話を聞くうちに、セレナックは彼女に心惹かれていく。

直感的な署長と几帳面な部下の捜査は紆余曲折!それと並行して三人の女が描かれ、物語はどこへ向かうのか!?

最後の最後にとんでもないドンデン返しが待っており、「騙された!」と思わず声を出してしまう一冊。気持ちの良い騙されかた!?

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