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誕生日パーティー [book] [ユーディト・W・タシュラー]

sample1.jpgユーディド・W・タシュラー/集英社/お薦め度 ★★★★

邦訳二作目

キム、カンボジア移民、の50歳の誕生日パーティーに、小学生の末息子ヨナスはサプライズゲストに両親の幼馴染デヴィ、アメリカ在住、を招待する。

キムから子供時代の話をほとんど聞いたことがないヨナス、姉、兄も同様に、は音信不通になっているデヴィをパーティーに呼ぶことで父の子供時代の話が聞けるかもしれないと思っての企みだった。

カンボジア、ポル・ポト政権、大虐殺、クメール・ルージュ・・・政権末期、タイを目指したキム、瀕死の重傷を負ったデヴィを背負って生き延び、難民としてオーストリアに来て、ふたりは田舎の家族に引き取られた。

ちょっとした冒険心からフランス旅行中にデヴィの叔母探しをしたふたりは偶然にも叔母に巡り合え、デヴィはフランスで暮らすことに・・・当初はキムもいっしょだったが、オーストリアの家族のもとへ戻った。

カンボジア時代のキムとデヴィ、オーストリアの家族、キムとデヴィの現在、キムとデヴィの関係・・・が様々な残酷な過去と現在が交錯する。キムの最も会いたくなかった女性はデヴィだった!?

ミステリー要素といえば、クメール・ルージュ時代の少年の一人称で語られる章のミスリード位・・・前作、「国語教師」が恋愛物語だとすれば、本書は家族の愛情物語!?


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国語教師 [book] [ユーディト・W・タシュラー]

sample1.jpgユーディト・W・タシュラー/集英社/お薦め度 ★★★★

ドイツ推理作家協会賞受賞作

「生徒と作家の出会い」企画に参加することになった女学校の国語教師、マティルダと作家、クサヴァー、偶然?にもふたりは16年前、16年間の濃厚な時間を共有していた。

日程調整のためふたりの間でメールのやり取りが交わされる。クサヴァーは16年振りの再開を心待ちにし、思い出話を書き送る。一方、マティルダは16年前のふたりの別れを蒸し返す。

16年前、突然マティルダの前からクサヴァーがいなくなり、セレブ女性と結婚したのだ。

ふたりのメールのやり取りは続く、クサヴァーはふたりの別れは過去のこと、セレブ女性とは10年前に別れたと臆面もなく言い放つ。しかも生まれた息子は一歳半のときに姿を消した、と。

前半の部分は別れた男と女の他愛もない物語!?ふたりが再会、かつてのようにお互いが物語を紡ぎ合い、披露しあう。クサヴァーは祖父の一代記を・・・マティルダは若い男を軟禁する女の話を・・・

いつしかマティルダの物語は暗い過去の事件にクサヴァーを誘う。

結局は恋愛小説。クサヴァーがマティルダの話に翻弄?され、自身の秘密?を打ち明けることになるのだが、ふたりの間には16年間の濃厚な時間が流れ、別れてもそれは変わらなかったということなのか!?

趣を異にする恋愛ミステリー!?

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