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サブマリン [book] [伊坂幸太郎]

sample1.jpg伊坂幸太郎/講談社/お薦め度 ★★★★☆

「チルドレン」の続編

家庭裁判所調査官の武藤はふたつの事件を担当する・・・ひとつは無免許運転の死亡事故、もうひとつはネットを利用した脅迫事件。いずれも被疑者は19歳と15歳。

ふたつの事件にどういうわけか、迷惑な?上司、陣内が首を突っ込むというかかかわりを持っていた。

そこに10年前に小学生の命を奪った若林青年、陣内の盲目の友人、永瀬が加わり、交通事故の全貌が徐々に明らかになって行く。その過程でパソコン少年もかかわり、くんずほぐれずの展開に・・・

伊坂ワールドを支える陣内、その毒気のある会話が何とも言えない。言い放つだけでなく、知らないうちに行動に移しているのも凄い。でも変な人、陣内に変わりはない!

シリアスな問題を真正面からとらえているのだが、その表現方法は伊坂ワールド・・・秀逸な一冊!

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AX アックス [book] [伊坂幸太郎]

sample1.jpg伊坂幸太郎/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★

殺し屋シリーズ第三章

殺し屋シリーズ最新刊にして初の連作集。

今回の殺し屋、兜は恐妻家!?妻の話の相槌は「大変だねえ」、ひとり息子の克己もあきれるほど。なにげない日常に隠れた仕事、仕事より日常の方がだんぜん面白い。

なかでも「BEE」、庭に蜂の巣が、はじめはアシナガバチだと思っていたらスズメバチ、業者に任せようと言ってはみたものの、ネット動画で駆除の仕方を見るうち、自分でも出来るのでは、と・・・

お盆の最中、手持ちの洋服、トレーナー、セーター、ジージャン、ダウンベスト、とフルフェイスのヘルメットで武装?駆除を始める兜。

家族愛にあふれた殺し屋の物語。巧すぎる!!!

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マリアビートル [book] [伊坂幸太郎]

sample1.jpg伊坂幸太郎/角川書店/お薦め度 ★★★★☆

殺し屋たちの狂想曲第二章

グラスホッパー→本書→AXアックス(最新刊)に続く殺し屋たちの狂想曲。

幼い息子の仇討ちを果たそうとする酒びたりの元殺し屋「木村」、狙うは幼な面に隠された魔性の心を持つ「王子」、大物の依頼、金の入ったトランクと大物の息子を盛岡まで運ぶ、を受けた腕ききコンビ「蜜柑」と「檸檬」、兎に角運の悪い元殺し屋「七尾」・・・その他多数の「業者」が・・・

東北新幹線、いきなり「王子」を狙った「木村」だったが、逆に「王子」に捕らえられてしまう。一方、上野で指定されたトランクを持ち逃げする簡単な仕事を請け負う「七尾」、トランクと一緒に上野で降りようとしたところ、「業界人」の「狼」に出くわし、降りるどころか車内へ押し戻されてしまう。

ここからそれぞれの「業者」の思惑が交錯、追いつ追われつのドタバタ劇が始まる。大宮でも仙台でも・・・すべての停車駅で誰も降りれず、逆に途中から予期せぬ「業者」が乗り込んできたりとめまぐるしい・・・


すべての登場人物のキャラが際立ち、目まぐるしく変わる場面設定、ちりばめられた伏線・・・どれをとっても一級品、改めて伊坂幸太郎は凄い!

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陽気なギャングは三つ数えろ [book] [伊坂幸太郎]

sample5.jpg伊坂幸太郎/祥伝社/お薦め度 ★★★★

九年ぶりのシリーズ第三弾

久々に銀行を襲う陽気なギャング、久遠、成瀬、響野、雪子、小さな失敗、久遠が左手の甲を負傷する。

雪子の息子がバイトしているホテルのロビーに集う四人組。ひょんなことからハイエナ記者の財布を盗む久遠、それを返却しに行き記者を暴漢から救うことに・・・ハイエナ記者が追っていたのは消えたアイドルだった。

ハイエナ記者に正体を気付かれた?四人組の周辺で起こるトラブル、当り屋に挟まれたり、痴漢の冤罪をきせられたり・・・事件の構図に気づくがハイエナ記者の後手を踏む四人組。

果たして陽気なギャングは危機を脱することが出来るのか?相変わらず軽妙洒脱な会話が愉しい一冊です。


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首折り男のための協奏曲 [book] [伊坂幸太郎]

sample1.jpg伊坂幸太郎/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

連作短編集!?

久しく手にしていなかった伊坂幸太郎、最後に読んだのは2008年刊の「モダンタイムス」。次の直木賞は伊坂幸太郎だと真剣に思っていた時期もあった。「モダンタイムス」の印象が悪かったのか?ご無沙汰してしまった。

本書はまさに、「軽妙洒脱な伊坂幸太郎」、ここにあり!

「首折り男」の物語なのだが、協奏曲として奏でられ、最終章、「合コンの話」、で余韻を残す構成は秀逸。

連作短編集じゃないが、結果として連作短編集にまとめてあげた力量は、ひょっとすると「直木賞」を獲るかも!?


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モダンタイムス [book] [伊坂幸太郎]

sample4.jpg伊坂幸太郎/講談社/お薦め度 ★★★★ 

「ゴールデンスランバー」と同時並行作品

漫画雑誌「モーニング」に連載

並行作「ゴールデンスランバー」は「このミス・・・」で第一位を獲得、「週刊文春」も第二位にランクした作品。こちらは首相暗殺犯に仕立て上げられた男の逃走劇。一方本書はPCの検索から監視が始まる物語。並行作業をしていたわけだから共通点があっていいはず。

キーワードは「監視」。監視体制が強まり、全体主義的な傾向に流れる社会を舞台にしているところが共通点ですかな。全体主義の恐怖を背景にした逃走劇!?「ゴールデンスランバー」の方に軍配があがりますね。

「モーニング」の読者とこの小説がどうもわたし的にはリンクしません。


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ゴールデンスランバー [book] [伊坂幸太郎]

10458630.jpg伊坂幸太郎/新潮社/お薦め度 ★★★★ 

表題はビートルズ「アビー・ロード」に収録された曲

首相暗殺の濡れ衣をきせられた男の逃亡劇

たしかに伊坂ワールドなのだが、何回か直木賞候補に名を連ねて時と比べると勢いが感じられない!?

伊坂と対照的なのが桜庭一樹、「赤朽葉家の伝説」、「わたしの男」でブレイクスルー、「わたしの男」で直木賞を受賞してしまった。もし、あの時、伊坂が直木賞を受賞していれば本書はもう少し違ったものになっていたはず。勢いとは恐ろしい!

「幸運の女神には、前髪しかない」という西洋のことわざがある。だから、前髪をつかめ、チャンスはきたら躊躇せずつかめ、でないと、後の祭りになる、ということらしい。

伊坂幸太郎と桜庭一樹を見ていてつくづくてそう思う。伊坂ファンとしてはもう一度前髪をつかんで直木賞を受賞してほしいものだ。

陽気なギャングの日常と襲撃 [book] [伊坂幸太郎]

伊坂幸太郎/祥伝社/お薦め度★★★★

あとがきにあるように、ひとりひとり―人間嘘発見器・成瀬、妙ちきりんな演説師・響野、体内時計を持つ女ドライバー・雪子、天才的なスリ・久遠―を主人公にして連作短編を書こうと思っていたが、途中で路線変更、四人がまた銀行強盗の末、事件に巻き込まれる話になってしまった、とある。

四人の巻き込まれた事件とは、「社長令嬢誘拐事件」。社長令嬢を見つけ出したのはいいが、前作同様、四人の人間性が成せる技の結末が待っている。

「陽気なギャングが地球を回す」の映画化のために準備されたシリーズ第二弾。映画業界と出版業界のコラボというかプロモーション、映画化にあわせ続編発刊、なかなか抜け目のない作戦。

追伸:佐藤浩市、鈴木京香、大沢たかお、松田翔太となかなかの配役、こちらもヒット間違いなしの一作!?


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終末のフール [book] [伊坂幸太郎]

伊坂幸太郎/集英社/お薦め度★★★★

伊坂らしく、気負うこともなく、淡々と・・・あと3年で世界が滅びることに対する個人の思いを綴った八編。

なんと言っても表題の「終末のフール」。世界があと3年で終わるなら、すべてを許しあえるはず。娘も最後に父親を許した。しかし、ずっと父のそばにいた母は「わたしは簡単には許るさないからね」、と。

その淡々としたひと言に伊坂の才能を感じる。

直木賞に一番近い著者の最新刊、ぜひ一読あれ。


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砂漠 [book] [伊坂幸太郎]

伊坂幸太郎/実業之日本社/お薦め度★★★★

鳥井、北村、西嶋、男、南、東堂、女、五人の大学生を中心に繰り広げられる、あっという間の四年間。伊坂幸太郎の手にかかるとこんな青春小説になってしまう・・・

大学生活といえば、麻雀、アルバイト、合コン、恋愛、政治、学園祭、酒、音楽・・・何気ない日常生活をつなぎ合わせながら、そこで起こるある事件をメインストリームに春、夏、秋、冬、春がめぐる。

賭けボーリングの罠にはまった鳥井、「プッシュ」、「倍プッシュ」。絶対絶命のピンチ、そこでみんなを鎮めたのは東堂本人だった、「ごちゃごちゃ言わずに、やればいいじゃない」と言った。「前進するの?それとも後退するの?」。「砂漠で雪を降らせてみなよ」とそそのかされて、すっくと立った西嶋。

みなまで語ることは出来ないので、表題のヒントをちょっとだけ紹介!?

いつものミステリー要素たっぷりとはいかないですが、伊坂ワールド健在なり。


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