北京原人の日 [book] [鯨統一郎]
鯨統一郎/講談社/お薦め度 ★★★☆
長編奇想歴史ミステリー!?
銀座四丁目交差点にカーキ色の軍服を着た老人が空から降ってきた!?そのポケットから発見されたのは五十万年前の人骨、「北京原人の化石」、だった。
ただ一人の目撃者、達也はバイクに乗ったままシャッターを押した。直進してくる大型トラックを避けようとハンドルを切り、難を逃れたがカメラは粉々に砕けてしまった。その代わりにぼろぼろの黒い手帳を拾った。
消失した北京原人の化石発見に二億円の賞金がつけられた。達也と雑誌記者、さゆりは残りの化石を探しはじめる。手がかりは黒い手帳に書かれた、「支那派遣軍九九九部隊」の文字と十三人の名前。その中に空から降ってきた老人の名前もあった。
調べを進めるうちに分かったことは、十三人中にいまも存命の方が三人、その中に下山事件(昭和二十四年、国鉄総裁・下山定則が登庁の途中行方不明となり、常磐線北千住と綾瀬駅間の線路上で轢死体で発見された事件)の下山定則張本が・・・
下山定則の足跡は意外なところから見つかった。文春文庫「史説/山下奉文」(マレーの虎の異名のある猛将)の中に・山下将軍と下山定則はつながっていた。
消失した北京原人の化石、下山事件、山下将軍の財宝。現代史の三つの怪事件を著者はどう料理するのか!?
私の思い入れが強すぎたためか少々尻すぼみの結末になってしまったようだ。
2001/01/08
九つの殺人メルヘン [book] [鯨統一郎]
鯨統一郎/光文社/お薦め度 ★★★★
連作短編集
これでもか、これでもかの九編、わたし的には好きだな。それも童話の表と裏を事件解決のヒントに当てはめながら、同じ人物たちが、同じ酒場で、日本酒を酌み交わしながらの謎解き。
著者の代表作「邪馬台国はどこですか」を読んだ時の衝撃がすごいものがありました。邪馬台国が東北にあったなんて・・・その理路整然とした根拠にはあっと驚かさせられました。
その後、何冊か新刊が出ていますが、「邪馬台国・・・」を超えるものは出ていないように思います。著者の持ち味は本書のような謎解きのプロットにとことんこだわった連作短編集にあるようです。
2001/09/03
連作短編集
これでもか、これでもかの九編、わたし的には好きだな。それも童話の表と裏を事件解決のヒントに当てはめながら、同じ人物たちが、同じ酒場で、日本酒を酌み交わしながらの謎解き。
著者の代表作「邪馬台国はどこですか」を読んだ時の衝撃がすごいものがありました。邪馬台国が東北にあったなんて・・・その理路整然とした根拠にはあっと驚かさせられました。
その後、何冊か新刊が出ていますが、「邪馬台国・・・」を超えるものは出ていないように思います。著者の持ち味は本書のような謎解きのプロットにとことんこだわった連作短編集にあるようです。
2001/09/03
千年紀末古事記伝 ONOGORO [book] [鯨統一郎]
鯨統一郎/角川春樹事務所/お薦め度 ★★★★☆
稗田阿礼は二十五年かけて倭の歴史をどう感知したのか?
古事記のおさらい・・・日本最古の歴史書。和銅五年(712年)成立。稗田阿礼が誦習したものを元明天皇の勅により太安万侶が撰録。天地創造から推古天皇までの帝紀(天皇の系譜)と旧辞(神話・伝説)とからなる。
古事記に登場する神話・伝説をわたし達が知ったのは、御伽噺としての絵本だったり、アニメだったり・・・・
”天の岩屋戸”(あめのいわやど)、”八俣の大蛇”(やまたのをろち)、”因幡の白兎”(いなばのしろうさぎ)、登場人物も”伊邪那岐命”(いざなきのみこと)、伊邪那美命”(いざなみのみこと)、”天照大御神”(あまてらすおほみかみ)、”須佐之男命”(すさのをのみこと)、大国主神(おほくにぬしのかみ)・・・
そのストーリーは記憶に残っているが、詳細を問われると全く自信がない。そこに著者が巧みな罠を仕掛け、わたし達を翻弄し、鯨ワールドへ誘う。翻弄される時間が心地良いかどうかで★の数は決まる・・・史実がメジャーであればあるほどそのインパクトは強い!?
稗田阿礼は二十五年かけて倭の歴史をどう感知したのか?
古事記のおさらい・・・日本最古の歴史書。和銅五年(712年)成立。稗田阿礼が誦習したものを元明天皇の勅により太安万侶が撰録。天地創造から推古天皇までの帝紀(天皇の系譜)と旧辞(神話・伝説)とからなる。
古事記に登場する神話・伝説をわたし達が知ったのは、御伽噺としての絵本だったり、アニメだったり・・・・
”天の岩屋戸”(あめのいわやど)、”八俣の大蛇”(やまたのをろち)、”因幡の白兎”(いなばのしろうさぎ)、登場人物も”伊邪那岐命”(いざなきのみこと)、伊邪那美命”(いざなみのみこと)、”天照大御神”(あまてらすおほみかみ)、”須佐之男命”(すさのをのみこと)、大国主神(おほくにぬしのかみ)・・・
そのストーリーは記憶に残っているが、詳細を問われると全く自信がない。そこに著者が巧みな罠を仕掛け、わたし達を翻弄し、鯨ワールドへ誘う。翻弄される時間が心地良いかどうかで★の数は決まる・・・史実がメジャーであればあるほどそのインパクトは強い!?
2001/02/05