SSブログ
カリン・スローター ブログトップ

暗闇のサラ [book] [カリン・スローター]

sample1.jpgカリン・スローター/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★

ウィル・トレント・シリーズ最新刊

19歳の医学生の運転する車が病院の前で救急車に衝突する。当直医のサラが治療にあたるが息を引き取る。彼女の身体には生々しい暴行の跡が残る。サラが最後に聞いた彼女の言葉は、あいつを止めて・・・

民事事件の証言台に立つサラ、被告は研修医時代の同僚を父に、先輩の産婦人科医を母にもつ男子学生。被告は刑事事件では無罪を言い渡されていた。

証言を終えたサラと被告の母がトイレで出くわし、母親が妙なことを口走る、15年前に起きたことと、サラのレイプ事件、今回の事件の被害者に起きたことは全部つながっている、と。

サラの婚約者で捜査官のウィル、ウィルのパートナー、フェイスと三人が捜査、上司の承諾を得ず、を開始する。15年前に起きたことの真相とは!?

筆の走る作家故、ついついひとつの章が長くなってしまう。その結果600頁超の大作に、もう少し強弱をつけ緊張感を持続させてくれた方が読者としてはありがたい。

結末は苦々しいけれど、唸ってしまった。



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

破滅のループ [book] [カリン・スローター]

sample1.jpgカリン・スローター/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★

シリーズ第九弾

爆弾テロ?事件勃発、サラと一緒だったウィルはふたりで現場に急行するが、その途中で交通事故に遭遇、その処理・治療に当たろうとした時、事故車に乗っていた男ふたりがサラとウィルに銃口を向けた。

爆弾テロ犯?とやり合う内にサラは拉致されてしまう。しかも彼らと行動を一緒にしていたのは一ヶ月前モールの駐車場で拉致された女性疫学者だった・・・

白人至上主義者のコミューンに監禁されるサラ、サラを守り切れなかった自責の念にかられるウィル、前作「贖いのリミット」よりサラとウィルの関係は一歩も二歩も前進していた、FBIと連携をとりながら捜査を進めるフェイスとアマンダ、なぜ疫学者を誘拐したのか?コミューンのなかで子供たちを苦しめる麻疹の正体とは?

いくつもの謎を孕んでいるが、プロットは実にシンプル。600頁超の大作だが読者を飽きさせないのはさすがスローター!

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

グッド・ドーター [book] [カリン・スローター]

sample1.jpgカリン・スローター/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆

「買い!」の一冊

28年前、弁護士一家宅に火炎瓶が投げ込まれ全焼する。悪夢は続く、引っ越した家に二組の男、父が弁護を引き受けた、が押し入り、母親を射殺、姉は頭に銃弾をくらい生き埋めに、妹は逃げたが途中で捕まる・・・

事件は妹シャーロットが一夜限りのお相手をした教師に携帯を返しに行ったところから始まる。運の悪いことに中学校で

銃乱射事件が起こり、校長と少女の死体、銃を持った少女、15歳くらいだが実際は18歳、に遭遇する。

当然、父が少女の弁護を引き受けるのだが、弁護士であるシャーロットは目撃者として弁護を引き受けることは出来ない。

またまた間の悪いことに父が何者かに刺され入院する。シャーロットはNYで音信不通の姉サマンサ、企業の特許訴訟を専門にする弁護士、に連絡をとる。

28年前の事件を引きづりながら生きて来た姉妹と父が再び集う。28年の時間が巻き戻され、再び流れる・・・

突然の父の死、それを契機にサマンサとシャーロットはどう行動するのか?

読ませるプロットは、裁判の行方、姉妹愛、28年前の事件の真相、さすがカリン・スローター、読了がもう少し早ければ今年のベストミステリーに入れていた一冊。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

贖いのリミット [book] [カリン・スローター]

sample1.jpgカリン・スローター/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第八弾

工事現場で元警官の惨殺死体、首にはドアノブの軸が突き刺さっていた。現場は一面血の海だったが鑑識の結果、血液は被害者のものではなく現場から姿をくらました人物のものだと判明する。

現場の車のなかで見つかった銃は特別捜査官ウィルの別居中の妻アンジーのもので、しかも血液型がアンジーと同じだ、と・・・

もうアンジーを愛してはいない。いま一番大事な存在は検死官の恋人サラだが、動揺してしまうウィル。

ウィルとアンジーは同じ養護施設で育ち、姉弟のような特別な存在だった。ウィルはアンジーを探し出すことしか考えられなくなっていた。

小悪女アンジーに引っかき回されるウィルとサラ。

事件は再び、バスケットボール選手マーカス・リッピー、もみ消されたレイプ事件の犯人、と交錯する。

前半はウィルら捜査側の視点で、後半はアンジーの視点で物語はゆっくり進む。最後の最後にあっと驚く仕掛けが待っている力作。

シリーズ第八弾、初めて手にした一冊だったが充分に愉しめた。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

彼女のかけら [book] [カリン・スローター]

33857838.jpgカリン・スローター/ハーパーBOOKS/お勧め度 ★★★☆

MWA賞受賞作家

ショッピングモールで銃撃事件に巻き込まれるローラとアンディ親娘、警察官の制服に似ていた、警察署の通信係、ため銃口を向けられ恐怖におののくアンディ、その前に立ちはだかるローラ、犯人のナイフを素手でうけとめ、取って返す刀で首を切り裂いた。動画が拡散する・・・

事件はそれで終わらない。その夜、謎の男に襲われるローラ、今度はアンディが男をフライパンでたたき殺す。ローラから具体的な逃走指示が出る。それに従わざるを得ないアンディ!

なんという書き出しか!

現在、アンディの逃走劇と過去、病院経営者一家を巻き込んだオカルト教団段的事件が交互に語られる。ふたつの物語で交差するのは、下巻のはじめ、それまで読者は我慢、我慢!

オカルト教団とローラのかかわり、その痕跡を追いかけるアンディ。最後に満身創痍のローラが再び登場、物語を閉める。

プロローグが衝動的だっただけに中だるみが惜しい!?


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:
カリン・スローター ブログトップ