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捜索者 [book] [タナ・フレンチ]

sample1.jpgタナ・フレンチ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

600頁超の大作

アイルランドに移住した元シカゴ市警の刑事カル、廃屋を修繕しながら田舎生活を愉しんでいた。そんなある日、カルを監視する視線を感じた。視線の主は十代の子供だとわかり、デスクの修理作業を手伝えと持ちかける。


口数の少ないその子はトレイ、何か事情と要件を抱えていることはわかったが、ふたりで共同作業を進めることに・・・

そんなことが続いた後、トレイは失踪した兄、19歳、を探してほしいと切り出す。最初は断ったものの、兄を慕う思い、家庭環境を聞いてしまうと、情にほだされ兄を探すことを約束してしまうカル。

ここまでで200頁、ゆっくり物語は進む。

兄の友人、ガールフレンドに話を聞いて回るが、失踪の理由に心当たりはない、と。元警官のカルの臭覚が違和感を覚える。

カルの行動は村人の知るところとなり、隣人の老人、マート、から手を引けと警告を受けるはめに。静か村で何が起きているのか?

ミステリーぽくないミステリー!?引退し、のんびり暮らしている元刑事が最後のお勤め?に駆り出される。そんな物語・・・



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葬送の庭 [book] [タナ・フレンチ]

sample1.jpgタナ・フレンチ/集英社/お薦め度 ★★★★

「悪意の森」、「道化の館」に続く第三作

22年前、駆け落ちを約束したロージーが手紙を残し失踪。

潜入捜査課の刑事、フランシスのもとに妹からの電話、ロージーのスーツケースが見つかった、と。22年ぶりに忌々しい故郷を訪れるフランシス。

故郷で待ち受けるマッキー一家、姉、兄、妹、弟、母、とロージーのデイリー家。フランシスの単独捜査が始まる。

ここから趣を異にする展開が待っている。ロージーの遺体が発見され、弟のケヴィンも死んでしまう。捻じれた両家、捻じれた父母の関係、捻じれた兄弟愛のなかに離婚した元妻、娘も巻き込まれていく。

これでもかこれでもかと繰り広げられ家族の話、わたし的にはお腹がいっぱい!?


道化の館 [book] [タナ・フレンチ]

sample2.jpgタナ・フレンチ/集英社/お薦め度 ★★★★

前作「悪意の森」を凌げるか!?

殺された女性に瓜二つの刑事・キャシー、上司の指示で替え玉として潜入捜査に当たることになる。殺された女性は古い館で四人と浮世離れした共同生活を送っていた。

まんまと替え玉として潜入することに成功するキャシー、時として捜査を忘れ、共同生活にのめり込む。

ここからのプロットが面白い。館の継承者に替え玉であることを見破られ、自身から告白したようなものだが、尚且つ替え玉を72時間継続することを願い出る。その結末や如何に!?

謎解き、捻りを期待されるとちょっと苦しいが、膨大な会話量、筆力には圧倒される一冊です。

結論:前作>本書。次作も用意されているようなので期待したいと思います。


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悪意の森 [book] [タナ・フレンチ]

sample1.jpgタナ・フレンチ/集英社/お薦め度 ★★★★

新人賞総なめの作品!?

エドガー賞、アンソニー賞、バリー賞最優秀新人賞獲得・・・

二十年前、三人の子供が森の中に入り込み、ひとりしか戻ってこなかった。

遺跡発掘現場で少女の他殺死体が発見される。現場は少年、少女が失踪したあの森の中、捜査にあたる刑事はロブとキャシー。動揺を抑えることができないロブ、二十年間封印した過去が甦る。

前半部分は、二十年前の事件と少女殺害事件が交錯する形で進むことに。一挙にふたつの事件が解決するのかと期待を持たせる。

後半部分は、自らの手でパンドラの箱を開けることになるロブ、そのことが捜査を混迷させると同時にキャシーとの関係も危ういものにさせる。

捻りの効いた結末、本年度ベスト10入り間違いなしの一冊!?


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