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時の娘 [book] [ジョセフィン・テイ]

sample180.jpgジョセフィン・テイ/早川書房/お薦め度 ★★★★★ 

1951年刊行、ジョセフィン・テイの名作!

明石散人+ジェフリー・ディーヴァー=歴史ミステリー+リンカーン・ライム

主人公のロンドン警視庁の警部、アラン・グラントは骨折で入院中。退屈しのぎに見ていた写真の中に、個性的な一枚を発見する。この男は裁判官か?軍人か?王子か?

写真の裏面にこう印刷してある。<リチャード三世。国立肖像画美術館所蔵の作品より。画家名不詳>

リチャード三世、せむし男、童話の怪物、罪もない子供を殺害した人間。悪逆の代名詞・・・

つれづれなるままに歴史書を紐解き、またあるときは歴史研究生、ブレント・キャラダインの手助けを得、リチャード三世の素顔を推理する。

歴史ミステリーの醍醐味(明石散人的な特別な解釈をしているわけではないが、謎解きのプロセスが実に楽しい)?とベッド探偵(ジェフリーディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズを彷彿させる。ライムとアメリア・サックスの・・・)?の組み合わせの妙は何ともいえない。

古さを感じさせない傑作・・・

2003/04

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フランチャイズ事件 [book] [ジョセフィン・テイ]

sample179.jpgジョセフィン・テイ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ 

1948年刊行のリーガル・サスペンス?

フランチャイズ家の持ち主マリオン・シャープと母親シャープ夫人は、見知らぬ娘に誘拐、監禁(それも一ヶ月間の長期に渡る・・・)、暴行の罪?で訴えられていた。

ひょんなことから、主人公ロバート・プレーヤー、弁護士でも刑事事件はまったくの門外漢、はシャープ親子の弁護?というより調査を引き受けるはめとなる。

情況証拠はシャープ親子にとってまったく不利なものばかりだった。見知らぬ娘ベティはフランチャイズ家の住人にしかわからない邸の様子を詳しく知っていたり、フランチャイズ家の使用人が屋根裏部屋から女の悲鳴が聞こえた、と・・・

調査をすればするほど、ベティの心証は黒!しかし確たる証拠が掴めないまま裁判となる。その行方は・・・

1948年の刊行なので、近年のリーガル・サスペンスの展開とはならないが、充分に楽しめる。こちらも「時の娘」同様に時代を超越した名作!

2003/04


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魔性の馬 [book] [ジョセフィン・テイ]

ジョセフィン・テイ/小学館/お薦め度★★★★★

全米のミステリ専門店が主催した「二十世紀のミステリ百選」に、著者・ジョセフィン・テイの作品が五作も選ばれている。その中でも本書がもっとも支持を得ていた。1949年刊行の作品だが、古さを感じさせない傑作・・・

名門アシュビィ家では双子の弟・サイモンが二十一歳の成人式むかえ、母親の財産を相続し、ひとりだちすることになっていた。そんな時、八年前に遺書を残し、自殺をしたとされる、双子の兄・パトリックが戻ってきた。あらゆる状況が兄であることを示していたが、弟のサイモンだけが、頑としてそれを認めなかった。それはそうでしょ。母親の財産が兄・パトリックに行ってしまうのだから・・・

じつは、パトリックに瓜二つの男、放浪の孤児、ブラッド・ファラーがアシュビィ家をよく知る牧師の義弟、アレック・ロディングにそそのかされ、昔のことを教え込まれ、一家に現れたのだ。

ブラッドを取り巻くアシュビィ家の後見人である叔母のビー、長女のエレノア、双子の姉妹・ジェーンとルース。牧場や農場を抱え、馬で生計を立ててきた一家。そこで待ち受けるブラッドに対する罠とは・・・

現在版「スロー・ミステリー」!?風景、田舎の人間関係、競馬競争・・・なんとも和やかななかで展開されるミステリー。このコントラストがたまらない。

著者の代表作でもある「時の娘」「フランチャイズ事件」も手元にあるので、近いうちに紹介します。


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