王女に捧ぐ身辺調査 [book] [アリスン・モントクレア]
アリスン・モントクレア/東京創元社/お薦め度 ★★★★
ロンドン謎解き結婚相談所シリーズ第二弾
エリザベス女王在位70周年、プラチナ・ジュビリー、の年に本書を読むなんて・・・
アイリスとグウェンの結婚相談所に持ち込まれた案件は、グウェンのいとこ、英国王紀に仕える、からだった。エリザベス女王が想いを寄せるギリシャのフィリップス王子について、王子の母親、アリス、のスキャンダルを臭わす脅迫状、<タルボットがコルフ島で見つけたものを持っている。彼が知っていたことを知っている。返してほしいかアリスに訊け、値段は追って知らせる>、が届いたとのだという。
戦時中は特殊作戦の訓練を受けて情報部の仕事していたアリスン、人を見る目は確か、上流階級の出身、シングルマザー、夫は戦死、のグウェンの対照的なふたりが活躍するシリーズ第二弾。
息の合ったコンビがそれぞれの得意分野でアンテナを張り巡らせ、ある時は単身、ある時はふたりで調査、謎解きにあたるユーモア・ミステリー。
最終章はプラチナ・ジュビリーの告知にも使えそうなエピソードで締めくくられている。今年読むべき一冊かな!?
ロンドン謎解き結婚相談所 [book] [アリスン・モントクレア]
アリスン・モントクレア/東京創元社/お薦め度 ★★★★
ユーモア・ミステリー!?
1946年、ロンドン、開業から三ヶ月で七組のカップルを結婚させた<ライト・ソート結婚相談所>、ロンドンで許可を受けている二社のうちの一社、の共同経営者のアイリスとグウェン。
対照的なふたり、ブルネットで小柄、行動的なアイリス、ブロンドで背の高いエレガントなグウェン、読み進むうちにアイリスは戦時中にスパイ活動の訓練を受けて情報部の仕事をしていた。一方グウェンは上流階級の出身で貴族と結婚、その夫は戦死、夫の両親の屋敷に六歳の息子と居候。
そんなふたりの結婚相談所にひとりの女性が入会、早速誠実な会計士を紹介した矢先、その女性が殺され、青年は逮捕されてしまう。
物語は至ってシンプル、対照的なふたりが本音をぶつけ合い、心を開きながら犯人探しをするというお話。戦後間もないロンドンという舞台設定、スパイ活動の訓練をいかんなく発揮するアイリス、人を見る目を持つグウェン、アイリスの男性遍歴?グウェンの家庭内闘争?が物語に深みを与えている。
久々にほのぼのとさせるユーモア・ミステリー。次作はなんとエリザベス王女のお相手フィリップ王子の身辺調査らしい。乞うご期待!