チョプラ警部の思いがけない相続 [book] [ヴァシーム・カーン]
ヴァシーム・カーン/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆
CWA賞受賞作家が贈る現代インドミステリー
「ベィビー・ガネーシャ探偵事務所」シリーズ
ベィビー・ガネーシャとはチョプラ警部が早期退職の日、放浪癖のある叔父から贈られた?小象のこと。
よりによって警察官人生の最後の日に・・・と思いながら警察署に到着した警部を待っていたのは、少年の死の原因を突き止めてほしいという母親の願い、死因は溺死、司法解剖もされず事故として処理されていた。
違和感を覚えるチョプラは独自で捜査を始めるが、それはインドの裏社会を巻き込んだ大事件に発展する。
ここからはネタバレ、元警部と小象の異色コンビが大都会ムンバイ(旧ポンペイ)を奔走する。前作、CWA賞受賞作「帝国の亡霊、そして殺人」、とうって変わったユーモアミステリー。大型ショッピングモールをチョプラとガネーシャが走る件には笑ってしまう・・・
次作の邦訳が待ち遠うしい!
帝国の亡霊、そして殺人 [book] [ヴァシーム・カーン]
ヴァシーム・カーン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
CWA賞ヒストリカル・ダガー賞受賞作
1949年12月31日、大みそか、インド初の女性刑事、ペルシス・ワディアしかいないマラバール署に一本の電話が、「ジェームズ卿が殺されたのです」。
ジェームズ卿が住むラバーナム館ではパーティーが行われていて、犯行はその最中、凶器は曲がり刃のナイフ、上着のポケットから暗号めいたメモ、金庫は空、不思議なことに死体はズボンをはいていない・・・
インドは1月26日に正式に共和国となる。ジェームズ卿は政府の重要な問題に取り組んでいた。過去の精算はそれまでに解決しなければならないと厳命を受けるペルシス。
ワトソン役はロンドン警視庁付きの犯罪学者、ブラックフィンチ。独立運動、インド、パキスタン、共和国化の混沌の真っ只中を舞台に繰り広げられる歴史ミステリー。
女性警部として生きずらい時代を明晰な頭脳と不屈の精神で事件に挑むペルシスに拍手!
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