窓辺の愛書家 [book] [エリー・グリフィス]
エリー・グリフィス/東京創元社/お薦め度 ★★★☆
MWA賞作家
殺人コンサルタント、犯罪小説家の執筆に協力、の老夫人ペギーが死んだ。自然死?というに介護士のナタルカは納得がいかなかった。
刑事のハービンダー、前作にも登場、にそのことを伝えたが警察は動くことができない、と。しからば友人ふたりとアマチュア探偵三銃士として真相を探り始める。
ところが初っ端からドラブルが発生する。ペギーの部屋を調べていると、銃をもった覆面の人物が侵入、一冊の本を奪って消えた・・・
物語の始まりとしては期待をもたせるが、アマチュア探偵三銃士と刑事との関係がゆるいというか甘いというか・・・情報共有なんかしちゃって・・・
本好きにはたまらない題材をあつかってはいるが、前作「見知らぬ人」以上に相性がよくないようだ。
見知らぬ人 [book] [エリー・グリフィス]
エリー・グリフィス/東京創元社/お薦め度 ★★★★
MWA賞最優秀長編賞受賞作
三人、中等学校の英語教師クレア、部長刑事のハービンダー、クレアの娘ジョージー、の視点を変えながら物語が綴られて行く。
クレアが研究?しているヴィクトリア朝時代の怪談作家R・M・ホランドの「見知らぬ人」が挿入されており、古色蒼然さを演出している。
クレアの同僚が殺害され、遺体のそばに「見知らぬ人」からの引用「地獄はからだ」と書かれたメモが・・・
続いて、クレアの日記に「あなたはわたしを知らない」の書き込みが見つかる・・・
それに続き、クレアの上司リック、英語科主任、の遺体がホランドの書斎、校舎に残された屋根裏部屋で発見される・・・
クレアの人間関係、親子、同僚、元夫・・・ジョージーの人間関係、ボーイフレンド、同級生、先生・・・ハービンダーの親子関係・・・三人のプライベートな関係とクレアの日記が重層的に絡み合う。
読み手としてはホランドの「見知らぬ人」が分散されながら挿入されているので、その関係性、見立て殺人?、をつかむのに一苦労。巻末に再読出来る頁を設けてくれたのはgoodな構成。MWA賞というよりCWA賞!?
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