パラダイス・ロスト [book] [柳広司]
柳広司/角川書店/お薦め度 ★★★★
シリーズ第三弾
未読の一冊。なかなかクオリティーを維持するのは難しいですね。
日本推理作家協会賞を獲った「ジョーカー・ゲーム」が鮮烈だっただけに、出版社からの要望に応えようとするのもたいへんなんでしょう。「ジョーカー・ゲーム」、「ダブル・ジョーカー」、本書と次第に右肩下がり気味・・・
結城中佐の生い立ち?に迫る「追跡」はまあまあかな。シリーズ第四弾はありなのかな?
ダブル・ジョーカー [book] [柳広司]
柳広司/角川書店/お薦め度 ★★★★
シリーズ第二弾
シリーズ第三弾で最新刊、「パラダイス・ロスト」を手にする前に前作を・・・
「ジョーカー・ゲーム」同様の連作短編集。前作となにが違うかと言えば、時計の針が真珠湾攻撃まで進む。
スパイ養成学校「D機関」をつくり上げた結城中佐、片足を引きずり、手には一点のシミもない白い皮手袋をはめ、の正体が少しづつ明らかになる。
真珠湾攻撃まで進めた時計の針を最新刊ではどうするのだろうか!?
キレのある筆致は健在なり!
トーキョー・プリズン [book] [柳広司]
柳広司/角川書店/お薦め度 ★★★
「ジョーカーゲーム」のルーツ!?
2008年、「ジョーカー・ゲーム」で大ブレイクの柳公司。スガモ・プリズンを舞台に、記憶喪失の戦犯、貴島悟、の記憶をたどることを仰せつかる私立探偵、フェアフィールド。プリズン内で起きる毒殺事件を塀の外と内で追うことに。
「ジョーカー・ゲーム」が面白かっただけに、ついつい期待が大きかったのかも・・・
テンポ、捻りともイマイチ、特に結末は我田引水的。次作の評価で本物かどうか決まってしまいます、期待したいものです。
ジョーカー・ゲーム [book] [柳広司]
柳広司/角川書店/お薦め度 ★★★★
スタイリッシュなスパイ小説
死ぬな。殺すな。とらわれるな。
スパイ養成学校を率いる「魔王」こと結城中佐。彼の命を受けての諜報活動、スパイとして成果を上げる養成員たちの連作短編集。
昭和13年、舞台は東京、きな臭い時代、憲兵隊が見つけることの出来なかった親日家外国人のスパイとしての確たる証拠を見つけ、指令官の陰謀を暴きだす表題作にはまってしまう!
一種、「ミッション・インポッシブル」的なカッコよさを備えた小気味いい一冊。
追伸:本年度の短編集では「傍聞き」/長岡弘樹/双葉社もなかなかの出来ばえでした。短編ファンにはこちらもお薦めです。