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ジョージ・P・ペレケーノス ブログトップ

終わりなき孤独 [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

sample2.jpgジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

2003年アンソニー賞ノミネート作品

黒人探偵、デレク・ストレンジ・シリーズ、第二弾。

デレクの相棒、白人の元警官、アルバイト探偵のテリー・クインに、家出少女捜索の仕事をまわすことにする。少女は売春組織の下で働いていた。依頼主の調査事務所所員と共に少女を連れ戻すことに躍起になるテリー。

一方デレクは、探偵業のかたわら、ボランティアで貧民街の子どもたちのフットボール・コーチを引き受けていた。子どもたちが真っ当に育ってくれることを願って・・・ある日、チームの一人が迎えにきた伯父の巻き添えをくって何者かに射殺されてしまう。

テリーとデレクの怒りに満ちた物語が並行する。変な言い方だけど、スローなタッチだが、しっかりとしたハードボイルド。なかなかの一冊ですぞ!


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生への帰還 [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

sample121.JPGジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度★★★★☆

息子を殺した男に復讐するため、ディミトリは危険な罠を!ワシントン・サーガ完結篇

強盗殺人犯の逃走車がディミトリの五歳の息子を撥ねて殺してしまう。三年たった今もショックから立ち直れないディミトリ。唯一の慰めは、強盗殺人犯に殺された犠牲者たちとの集会だけだった。

そんな姿を見かね、探偵ニック・ステファノスの口利きでスポットで働きはじめたディミトリ、現実のなかで生きていく取っ掛かりを見出しつつあった。

一方ステファノスは、ある殺人事件の調査中に三年前の事件の真相を知ることになる。しかもなんと、殺人犯が殺された弟の復讐のためワシントンに舞い戻っていることがわかる。

やがてディミトリとステファノスは運命の奔流に呑み込まれていく。

帯に「ハードボイルドを文学にした・・・」とあります。本書をうまく言い当てている表現。三年間絶えることの無かった復讐心。抜け殻と現実の狭間を行き来する姿。現実の中で生きていこうとするこころ・・・

書店で私を呼んだ本書?間違いのない選択でした!!!


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夜は終わらない [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

sample1.jpgジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度 ★★★★

単なる警察小説にあらず!

ワシントン市警の巡査部長・ラモーンの息子の友人・Asaが死体で発見される。

20年前に起きた<回文殺人事件>と酷似していた。当時の被害者はOtto、Ava、Eve。

偶然にも20年前の事件現場にいた、ラモーン、警官のホリデー、刑事部長のクックの人生が交錯することになる。

物語の中心として描かれているのはラモーンの家族愛、単なる警察小説にあらずとはこのこと。

少年の死体を発見したホリデーはクックとタッグを組み事件にのめり込んでいく。ホリデーをかき立てるものはラモーンとの警官時代の確執、クックの場合は迷宮入り事件の容疑者に対する執着心だった。

淡々とした展開がお気に召さない読者もいるかもしれませんが、結末には納得されるはず。結末があって本書を書き始めたと言ってもいいかもしれません。ぜひ一読あれ。


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変わらぬ哀しみは [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

sample12.jpgジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度 ★★★★ 

デレク・ストレンジシリーズ第四弾

シリーズ第四弾ですが、第一弾といってもいい本書です。デレク・ストレンジ自身の根幹をなす警官時代の物語。

1968年、デレクはワシントンDCの警官になっていた。キング牧師暗殺があった年。公民権運動により黒人差別が法律上終止符をうった4年後。白人からののしられ、黒人からは疎まれるそんな時代だった。

二つの事件がデレクを悩ます。ひとつは兄が殺された事件、もうひとつは幼馴染がからむ事件。先輩刑事、フランクの力を借りて犯人を追う。

ふたつの事件のプロットが実にうまい。

相変わらず淡々とした筆の運びは健在。また、この時代の音楽、ソウル・ミュージック、ロックンロールが随所にちりばめられているのも一興。一級のハードボイルドを十分に楽しんでください。


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ドラマ・シティ [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

ジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度★★★★

2006年MWA賞最優秀長篇賞ノミネート作品

山田洋次監督、高倉健主演的作品。

前科者、出所後、動物虐待監視官の職に就く主人公、ロレンゾ・ブラウン。ロレンゾと気持ちを通わす、愛犬、ジャスミン、彼女は安楽死寸前だったところをロレンゾに拾われた。

仮釈放監察官、レイチェル・ロペス、ロレンゾも親身になって世話をしてもらっていた。そんな彼女がギャングの抗争によって撃たれる。抗争組織の一方はロレンゾの幼馴染、旧友を気遣いつつ、レイチェルの復讐に乗り出す。

健さん的には即、「殴りこみ」となるのだろうが、ペーレケーノスはなんとも粋な結末を用意してくれた。主人公を囲む女達と子供と犬がなんとも更生者に対して優しく、心強く映る姿は殺伐とした物語を心温まるものにしている。

多彩な才能をもつハードボイルド作家、ペレケーノスならではの一冊、堪能してください。


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魂よ眠れ [book] [ジョージ・P・ペレケーノス]

ジョージ・P・ペレケーノス/早川書房/お薦め度★★★★

ロサンゼルス・タイムズ・アワード 最優秀ミステリ/スリラー賞受賞作

デレク・ストレンジ・シリーズ第三弾。
前作「終わりなき孤独」でも、淡々と、日常生活を送る、探偵の様が、著者独特の語り口で、語り継がれる。確かにハードボイルドなのだが、ハードボイルドが全面に出るのではなく、デレクやそれを取り巻く、相棒のテリー、妻のジャニーン、息子のライオネルらの人間関係が縦糸にあり、それに探偵稼業が絡む、そんな物語・・・

ギャングのボス、死刑確定が濃厚、の依頼で証人を探すデレク。同じく証人をつけまわすストリート・ギャング。調べを進めるうちにストリート・ギャングの抗争に巻き込まれるデレク。結果として、ひとりでその暴力に立ち向かうことになる。

舞台は、ニューヨークでもなく、シカゴでもなく、ボストンでもなく、ワシントンDC。大いに物語に関係するのだが、わたしの手元にはワシントンDCの地図がない!残念!


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