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二度死んだ女 [book] [レイフ・GW・ペーション]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★

刑事ベックストレーム・シリーズ第四弾にして完結編

ベックストレームと同じアパートに住む少年、ベックストレームを師と仰ぐ、が夏のキャンプを切り上げ、頭蓋骨を持ち帰る。頭蓋骨のこめかみに小さな穴と銃弾が・・・

少年が岐路の途中、ネットで調べたところ、年齢は20から40歳、アジア系の女性、死後数年が経過していると思われる。

ベックストレームらの調べが進むうちに、12年前タイで津波によって死んだ女性と判明、スウェーデン人の夫が現地で身元を確認した。人は二度死ねるのか!?

シンプルな命題を500頁超の大作にしたのはベックストレームの際立つキャラとマイナスの仕事ぶり!?なんとも癖になってしまう。ベックストレームの共演者もキャラ立ち、読者を飽きさせない。次作が読めないのは残念!



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悪い弁護士は死んだ [book] [レイフ・GW・ペーション]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第三弾

悪い弁護士、マフィアお抱え、は死んだ。ベックストレーム警部にとっては人生最良の日だった。死因は鈍器による殴打に見えた。しかもベランダで愛犬も殺されていた。ふたつの死体にはなぜか四時間のタイムラグが・・・

最良の日の一週間前、ベックストレームのもとへ狂気の沙汰としか思えない案件が二件、一件目はウサギが飼育放棄され保護された件、二件目は王室にゆかりのある男爵がサザビーズのカタログで殴られた件・・・

タクシー運転手からの情報、弁護士が殺された日に犯人らしい男を轢きそうになった、が寄せられる。

ベックストレームの元に旧知の美術商から耳寄りな、お金になりそうな、話が持ち込まれる。弁護士からコレクションの鑑定を頼まれたという・・・その件に暴行を受けた男爵が絡んでいるらしい。

狂気の沙汰の事件、弁護士殺害事件、美術コレクションが複雑に絡み合い話は進む。ベックストレームを筆頭に胡散臭い人物が次々に登場、捜査は混迷の度を増す一方、お金の臭いはぷんぷん、ベックストレームの視線はそちらに向きっぱなし・・・

病みつきになってしまったシリーズ、ちびデブの伝説の捜査官?の手にかかれば解決出来ない事件はない!?

最後の最後の落ちにやられてしまいました。



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平凡すぎる犠牲者 [book] [レイフ・GW・ペーション]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第二弾

自宅の玄関前で殺されたのは、アルコール依存症の年金生活者、平凡すぎる犠牲者、の男だった。発見したのは新聞配達員・・・

捜査を担当するのはベックストレーム警部以下、個性の際立つソルナ署の面々。

被害者の住むアパートの聞き込みから犯行時刻まで一緒にいた男が浮かび上がる。被害者の友人で元捜査官、アルコール依存症の男が同類の男に殺ろされたのか?

そんな折り、第一発見者の新聞配達員が死体で発見される。捜査はそんな単純なものではないようだ。

チビでデブ、毒舌、わいろ警部のベックストレーム、前作「見習い警官殺し」同様の迷走捜査?かと思いきや・・・

スウェーデンでの刊行順は、「見習い警官殺し」、本書、「許されざる者」、日本での翻訳順は「許されざる者」、「見習い警官殺し」、「本書」。秀逸な「許されざる者」と「見習い警官殺し」とのギャップが際立ち過ぎた。本書を読了してなかなかいけてるシリーズだと改めて思い直した次第です。


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見習い警官殺し [book] [レイフ・GW・ペーション]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★☆

一風変わった?警察小説

警察大学の学生、リンダ、母親のマンションで強姦されたうえ、絞殺された。まさに見習い警官殺し。

県警本部長からの要請で国家犯罪捜査局殺人捜査特別班のベックストレ―ム警部以下五名が派遣される。

県警本部長は腕利きの、ということだったが、生憎休暇中の局員が多く、ベックストレームしかいなかった・・・

チビでデブな役立たず、そんなベックストレームが捜査責任者、捜査が進むわけがない。彼がやったことはDNA採取プロジェクト、市民に自主的にDNAを提出させる。300、400・・・700名超、それでも犯人は見つからない。

上巻、下巻の1/3がこの体たらくに割かれる異例?の展開。そこで「許されざる者」で登場したヨハンソンが長官の椅子につく。ベックストレームを現場から外し、優秀な女性局員を2名派遣することに。

「許されざる者」が良かっただけに残念。ベックストレームが主人公でシリーズ化されているので、次作がどういう展開になるのか別の意味で興味がわくシリーズ!?

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許されざる者 [book] [レイフ・GW・ペーション]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞・ガラスの鍵賞受賞作

国家犯罪捜査局の元長官、ヨハンソン、脳梗塞で倒れ救急搬送される。辛うじて一命は取りとめたものの、右半身に麻痺が残った。

そんな彼に主治医の女医が相談をもちかける。自分の父親、牧師、が25年前に起きた少女殺人事件の犯人について懺悔で聞いていたというのだ。事件は既に時効が成立していた・・・

敏腕の元長官、その事件を担当していたヤープリング、長官と同じ年金生活者、と事件の再捜査に乗りだす。そこは元長官、かつての部下たちから情報を出させることは朝飯前だ。

何とか退院出来たヨハンソンの手足となって働くメンバーが集められる?刺青を入れた介護士、義弟の元会計士、兄から派遣された屈強の若者・・・不自由な身体に鞭打って行動するヨハンソンだが、主治医の言うことを素直に聞くことは出来ないでいる。このことが重大な結末を迎えることになるのだが・・・

本書の肝は時効が成立した事件の犯人をどう処罰?するのかにかかっている。ヨハンソンのとった行動とは!?

アームチェア・ディテクティヴだが、リンカーン・ライムと違い松葉杖をついて動きまわることができ、かつての部下たちをあごで使う?元長官の存在と「心情」が際立つ。

さすがCWA賞、ガラスの鍵賞受賞作だ!


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