すり替えられた誘拐 [book] [D・M・ディヴァイン]
運命の証人 [book] [D・M・ディヴァイン]
紙片は告発する [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
Who done it ?
ルースは町政庁舎のタイピスト、町議会議員の娘であるにもかかわらず、周囲から軽んじられている。そんな彼女が町書記官の部屋で奇妙なメモを見つけ、それを警察に知らせると周りに吹聴する。
その夜、ルースは何者かに殺される・・・
今回の探偵役は副書記官のジェニファー、メモの見つかった部屋の主と不倫関係。
関係者に事情を聞いて回るジェニファーのもとに一通の脅迫状が届く、不倫関係をばらす、と。
その上、不倫相手が逮捕され窮地に立たされるジェニファー、上司との関係を知られることを覚悟の上、調査を続行する。
町長選をめぐる多数派工作、公共事業の不正入札だったり、周りの状況はドロドロ、ステークホルダー、収入役、長老議員、3名の副書記官、建設会社社長、の思惑がそれらに絡む。
犯人は誰?相変わらず愉しめる一冊です。
そして医師も死す [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
正統派のWho done it?
アランの元共同経営者、ヘンダ―ソン医師の死は事故死と判断されていたが、市長のひと言でアランは素人探偵と化す。
ヘンダーソン医師の死で得をするのは、アランと若き未亡人エリザベス。犯人は主人公のアランではないし、エリザベスも誰かに狙われた、と。
ガス自殺に見せかけた犯行。犯行現場にいることが出来た人物、犯行現場に入る手段を持つ人物、アリバイのない人物・・・ミスディレクションのなせる罠!?
犯人は6人から3人に絞り込まれる。Who done it?
非常にフェア、ロジックのしっかりした、な正統派ミステリー。事件解決後、アランが婚約者ジョアン、エリザベスに下す結論は物語をより印象深いものにしている。
悪魔はすぐそこに [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
1966年の作品
1961~1980年の間に13作の本格ミステリーを発表。
数学科講師・ピーターは亡き父の友人・ハクストン教授が横領の疑いで審問にかけられ、失職の恐れがあることを知る。8年前大学を二分した亡父の事件、女学生が妊娠、堕胎に失敗、命を落とし、その父親が亡くなった父だという、について爆弾発言があることを告げた夜、ガス自殺?を図る。
死体の発見者はピーターの婚約者、ルシール、の同居人で大学の事務局員、カレン。ピーターも自殺前にハクストン教授を訪ねていたので、警察の事情聴取を受ける。
そうこうするうち、図書館で男子学生が殺害される。警察はルシールに疑いの目を向ける。ルシールが8年前の被害者の妹だったことで。
法学部長のラウドン、以前恋仲だったカレン、今はラウドンに心を寄せる、の力を借り、ルシールの疑惑を晴らそうとするが・・・
8年前の事件解明がすべての鍵を握り、意外な結末が待っている!
災厄の紳士 [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
遅れてきた邦訳、第三弾
「悪魔はすぐそこに」、「ウォリス家の殺人」に続く邦訳。1971年の作品
女を手玉にとって金を稼ぐジゴロ、それを生業にするネヴィル。今回の標的はヴァランス家の次女、アルマ。父は著名な作家。
まんまとアルマを誑し込み、ヴァランス家に乗り込むネヴィル。
アルマの父から金を出させることに成功するが、忽然と姿をくらますネヴィル、事件は思わぬ方向へ向かうことに・・・
周りを取り囲む配役がいいですね。事件の真相を追う姉、アルマの元婚約者、掛かりつけの医師、今は仲たがいしている元友人の妻・・・ネヴィルひとりで出来ることではない。事件の首謀者はいったい誰なのか、謎が謎を生む。
古さを感じさせない秀作!?
ウォリス家の殺人 [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
前作「悪魔はすぐそこに」は◎
前作同様に、主人公は大学講師、歴史学者、が事件に巻き込まれる物語。
作家で主人公の幼馴染の邸宅に招かれたモーリス、幼馴染のジョフリーの憔悴ぶりに驚く。妻と娘のたっての願いで館で休暇を過ごすことを決心する。
すべてを解決すると言い残し兄を訪ねたジョフリーが死体となった発見されるや、モーリスは事件の渦中に。
しゃかりきに事件を解決するのではなく、ゆっくり田舎で休暇を過ごすなかで、事件関係者になってしまったという流れが本小説の特徴!?ジョフリーの家族、娘の婚約者、秘書、出版社社長、スコットランドヤードの刑事配し、物語は進む。
科学捜査があるわけでもなし、クラシックな探偵小説、まったりした空気が心地いい一冊!?