機龍警察 白骨街道 [book] [月村了衛]
非弁護人 [book] [月村了衛]
機龍警察 火宅 [book] [月村了衛]
特捜部の面々を主人公にした短編集。
ヤンチャな由起谷志郎が警察官を目指すきっかけとなった事件の「沙弥」、同じく由起谷がお世話になった元上司の出世のネタを暴く?表題作の「火宅」。
機龍警察ファンにとってはたまらない短編集だが、わたし的に一番気に入っているのが「済度」。ライザと接触を図ろうとするX、その過程で組織に追われている姉妹を助けたライザ、待ち合わせのレストランに現れたXの正体はなんと沖津!その目的はライザのスカウト!
おまけに最新刊「機龍警察 狼眼殺手」の原案「化生」があるではありませんか!
「機龍警察」ファン必読の書!?
機龍警察 狼眼殺手 [book] [月村了衛]
シリーズ第五弾
経済産業省とフォン・コーポレーションが進める日中プロジェクト「クイアコン」に絡むと思われる連続殺人事件、犯人はプロ中のプロ!?
遅々として進まぬ捜査に沖津率いる特捜部に捜一と捜二の専従班をつけた異例の体制で望むことに。警察の威信をかけた戦いが始まる。
事件は増収賄の疑獄?連続予告殺人?黒社会の抗争?ゼネコンの談合?中国情報機関によるスパイ?・・・すべてが渾然一体となった黒い霧を形成している。まるでクアイコンの本質を覆い隠すように・・・
捜一、捜二、時には公安、組対を含めた異例の合同捜査ということで本来の警察小説の色合いを濃くする本書なので、ドラグーンの戦闘シーンはなし。その代わりドラグーンの搭乗要員のライザが狼眼殺手と相まみえる。
金の流れは徐々に解明され仕上げは捜二の手にゆだねられたが、捜一の狼眼殺手の確保と「敵」の解明は依然難航する。
あと3年・・・という沖津の言葉を残しto be continue・・・
複層する、誰が敵?敵の敵は味方?、500頁の大作だが一気読み。次作で諸々の問題をどう決着をつけるのかが愉しみ!?
土漠の花 [book] [月村了衛]
神子上典膳 [book] [月村了衛]
初の長編小説
謀反により城主である父を殺された澪姫は、小姓の小弥太と共に難を逃れるが追手に取り囲まれてしまう。そこにひとりの男が登場する。その名は「神子上典膳」!?
三人の行く先は澪姫の許婚の地、そこへ行くには隣接する諸国の領地を経由していくしか他なかった。
追手を指揮する切れ者・白木蔵人、典膳と刀を交えることに執念を燃やす黒蓑流の兄弟・右門と左京次。三人の行く手を阻む山岳地帯の険しい絶壁と追手。
壮絶な戦いの一方で、典膳に以前助けられ鳶蔵の恩儀を無視したり、黒蓑兄弟と自分を同類とみなしたりと、典膳の謎が垣間見える。
澪姫と小弥太は逃げ切れるのか?典膳の謎につつまれた秘密とはなにか?
一刀流の極意「無想剣」を極めたのか誰か?なかなかユニークな捻りでした!?
槐 [book] [月村了衛]
大活劇小説
野外活動部の夏合宿、事件は湖畔のキャンプ場で惨劇は起こる。40億の大金を探す半グレ集団がキャンプ場を封鎖、次々と宿泊客を虐殺し始める。
公一たちは中学生のグループは引率の教頭先生、代理教員を含め9名、キャンプ場に着くなり厭な予感が・・・宿泊施設は荒れ放題、まずは掃除から始めることに。
代理教員の由良先生はキャンプファイヤーの薪を取りに倉庫へ、その他のメンバーは布団干し、夕食の準備。半グレ集団の攻撃の手が野外活動部へおよぶのに時間はかからなかった。
囚われの身になった公一たち。一方、ひとり取り残された由良先生はというと女ランボーへ変身!?反撃を開始する!
半グレ集団にチャイニーズ・マフィアらが加わり、欲の皮の突っ張りあいが始まる中、決死の脱出劇が始まる。
代理教員由良先生の正体は?公一は祖母の仇をうてるのか?教頭先生は生徒たちを守ることが出来るのか?大活劇の始まり始まり・・・
はちゃめちゃな小説だが、それなりに十分愉しめる!
コルトM1851残月 [book] [月村了衛]
月村了衛/講談社/お薦め度 ★★★★
大藪春彦賞受賞作
表の顔は廻船問屋の番頭、裏の顔は抜け荷を一手に仕切る稼業、その名は「残月の郎次」・・・懐に「コルト」を忍ばせ、邪魔者を闇に葬るのも知られざる郎次の務め。
一家の跡目と目された郎次の運命がひとつの殺しから暗転する。裏の仕事から干され、弟分は手のひらを返したように郎次から離れていく。
切り札の「コルト」を頼りに裏の組織に戦いを挑む、時代劇犯罪小説。
大藪春彦賞受賞作というのも何となく納得してしまう一冊。著者ならではの時代小説!
黒警 [book] [月村了衛]
月村了衛/朝日新聞出版/お薦め度 ★★★★
スタンドアローン
「新宿鮫」を彷彿させる、中国の組織、日本のヤクザ、警察内部の腐敗・・・、構図なのだが、新宿鮫と違うのは、主人公がうだつの上がらないしょぼい、鮫島の対極、刑事。
生安局局長、次の次の警視総監か警察庁長官、が法制化に奔走している「人材交流案」は人身売買の抜け穴、その支援者は日本のヤクザ組織、天老会。
ひょんなことから、沈、国境を越えたアウトロー・ネットワークの義水盟、からひとりの女を預かる、刑事の沢渡とやくざの波多野。その女は天老会と警察の癒着を克明に記したノートを持っている。
匿った女と波多野が殺されるに至り、沈と沢渡のコンビは奇想天外な罠を仕掛ける。
いまいちすっきりしないのが、沈と沢渡のコンビ、黒川博行描くところの悪徳警官とヤクザでもないし・・・物語的にはうまくまとまっているが、「機龍警察」のような鮮度がないのは残念!
機龍警察 未亡旅団 [book] [月村了衛]
月村了衛/早川書房/お薦め度 ★★★★
シリーズ第四弾
「黒い未亡人」、女だけの先鋭的なイスラム武装組織、が日本に潜入。
フェンスで覆われた解体現場、それを取り囲む警察、密売品の受け渡し最中に全員を現行犯逮捕。逮捕されたのはカンボジア人の男6名と不法入国者グループの女10名。男6名が護送車に乗せられた瞬間、大爆発。それに続き警察車両と、計4か所で爆発が起こる。その間に女6名は逃亡・・・
4か所の爆発はすべて「自爆」。取引の内容は小型機兵装「エインセン」、156cm以下の女、子どもが操作する 、のパワーパックだった。
フィアボルグ、バーゲスト、バンシーVSエインセンの構図となるのだが、なぜチェチェンのテロ組織が日本へ。
特捜部の城木管理官の兄、国会議員、副幹事長の要職、が高等弁務官事務所在籍中に繋がりをもった人物が大きな鍵を握っていた・・・
前作に比べると、警察内部の「敵」にスポットがあたっていたり、タイムリーな「黒い未亡人」、今日から始まるソチ・オリンピック、が登場したりと盛りだくさんなのだが、どうもスッキリしない。「黒い未亡人」がなぜ日本へ潜入したかの説得力かな!?
ちょっと厳しいけど、前作が秀逸だった故、次作への伏線のみが際立ってしまった。