ナイフをひねれば [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★
ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ最新刊
ホロヴィッツの戯曲の公演が初日を迎える。舞台の評価が気になるホロヴィッツ、出演者たち・・・終演後のパーティの和やかさは、嫌われ者の劇評家ハリエットの登場で一気に台無しになってしまう。
飲み直しに劇場にもどると、出演者のひとりがネットに出た劇評を見て声をあげる。悪意に満ちた酷評に衝撃を受けるホロヴィッツと出演者たち・・・
一夜明け、二日酔いのホロヴィッツを警官が訪ねる。今朝ハリエットが自宅で刺殺された事を告げる。凶器の短剣はプロデューサーが関係者に配った記念品、それがホロヴィッツのものだったのだ。
留置場で一夜を明かしたホロヴィッツが一回しかかけれない電話の相手に選んだのはホーソーン。後味の悪いすれ違いをしたばかりだったが背に腹は代えられない。
容疑者は劇場で飲み直した六人と楽屋口番の一人。事件解決までに残された時間はDNA鑑定の結果がでるまで、ホーソーンの人を食ったようないつもの聞き込みが始まる。
相変わらず愉しめる謎解きではあるが、読む方もついつい期待してしまうのでハードルがあがってしまう。贅沢な悩み?を持ってしまうシリーズ。
殺しへのライン [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
シリーズ第三弾
探偵ホーソンとわたし、作家ホロヴィッツは「メインテーマは殺人」の刊行を前にプロモーションとしての文芸フェスに参加するため孤島を訪れる。
フェスの参加者は不健康な料理本を出すシェフ、盲目の霊能者、歴史家、児童文学作家、フランスの朗読詩人・・・フェスを後援するのは大富豪、島に暮らすオンラインカジノのCEO。
前半はたっぷりこれらの登場人物に頁が割かれる。
事件は大富豪の邸宅で催されたパーティで起きる。主賓が椅子に右手だけ拘束されず、両足、左手は梱包用テープ拘束、刺殺された。それに続き妻も・・・
謎解きの定番、孤島もの。途中、アガサ・クリスティーを読んでいるのかと思ってしまうほど・・・安定感抜群のシリーズ第三弾、最後の最後まで謎解きを愉しみました。
ヨルガオ殺人事件 [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
「カササギ殺人事件」の続編
わたし、スーザン・ライランド、元編集者で今はクレタ島のホテルの経営者、はイギリスのホテルの所有者トレーハン夫妻から娘のセシリーの失踪事件について調べ、8年前、彼らのホテルで起きたフランク・パリス殺害事件と関係があるかどうかつきとめてほしいと依頼される。
殺人事件の犯人は捕まり、終身刑を言い渡され収監されていた。
失踪前、セシリーは殺人事件の真相をある本の中で見つけたと夫妻に電話をしていた。ある本とはわたしが編集者としてかかわった、アラン・コンウェイ、前作にも登場、のアティカス・ピュント・シリーズの「愚行の代償」だった。
「カササギ殺人事件」同様、作中作と現在形と二度も謎解きを味わえる趣向になっている。
<アティカス・ピュント>は<名探偵ポアロ>、著者はBBCのテレビドラマで何作か脚本を書いている、<スーザン・ライランド>は<ミス・マープル>に置き換えてもいい!?アガサ・ファンにとってもたまらない一冊・・・
その裁きは死 [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★
ダニエル・ホーソン・シリーズ第二弾
離婚専門弁護士が殺害された。ワインのボトルで殴られた上に、割れたボトルネックで首を刺され・・・しかも現場には「182」の謎の数字が・・・
警察から要請を受けたホーソンはわたし、アンソニー・ホロヴィッツ、との契約、ホーソンを主人公として三つの事件を本にする、を履行するため捜査に加わる。
離婚裁判で不利な条件を飲まされた?女流作家が居合わせたレストランで弁護士にワインを浴びせ、「ワインのボトルでぶん殴ってやる」と脅したという・・・
弁護士のパートナーが電話口で聞いた最後の言葉は、「いったい、どうして? もう遅いのに」・・・
前作、「メインテーマは殺人」、同様、ホーソンに同行するホロヴィッツ。ホーソンの人となり、暮らしぶりを探ろうとするがなかなか正体をつかめない。そうこうするうちワトソン役のホロヴィッツが犯人を導き出すものの、ホームズ役のホーソンに簡単にいなされ、真犯人を言い当てられる。
血の通わない?二人の関係と相った謎解きが実に愉しい。第二弾なので前作ほどの衝撃はないが、一気読みの一冊。
ダニエル・ホーソン・シリーズ第二弾
離婚専門弁護士が殺害された。ワインのボトルで殴られた上に、割れたボトルネックで首を刺され・・・しかも現場には「182」の謎の数字が・・・
警察から要請を受けたホーソンはわたし、アンソニー・ホロヴィッツ、との契約、ホーソンを主人公として三つの事件を本にする、を履行するため捜査に加わる。
離婚裁判で不利な条件を飲まされた?女流作家が居合わせたレストランで弁護士にワインを浴びせ、「ワインのボトルでぶん殴ってやる」と脅したという・・・
弁護士のパートナーが電話口で聞いた最後の言葉は、「いったい、どうして? もう遅いのに」・・・
前作、「メインテーマは殺人」、同様、ホーソンに同行するホロヴィッツ。ホーソンの人となり、暮らしぶりを探ろうとするがなかなか正体をつかめない。そうこうするうちワトソン役のホロヴィッツが犯人を導き出すものの、ホームズ役のホーソンに簡単にいなされ、真犯人を言い当てられる。
血の通わない?二人の関係と相った謎解きが実に愉しい。第二弾なので前作ほどの衝撃はないが、一気読みの一冊。
メインテーマは殺人 [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
「カササギ殺人事件」超!?
資産家の老婦人、クーパー夫人、は自分の葬儀を手配するため葬儀社を訪れ、まさにその日、何者かによって絞殺された・・・
作家であるわたしは、元刑事のホーソーンからこの事件を自分を主人公にして書いてみないかと誘われる。報酬は折半で、と。
クーパー夫人は9年前、人身事故を起こしていた。幼い双子の兄弟を轢き、一人を即死させ、もう一人は重度の後遺症を負わせたのだ。自身は軽い罪に問われただけだった。
クーパー夫人の葬儀が執り行われた午後、俳優の息子が刺殺された。傷の状態からして怨恨が疑われた。
親子が殺されるに至り、事件の混迷度は増すばかり。探偵役のソーホーン、ワトソン役のわたし、ソーホーンの当てこすりに嫌気をさしながら、犯人を見つけ、この小説をなんとか書きあげたいと思う自分が・・・
伏線をすべて回収する手法がじつに真摯的、本年もアンソニー・ホロヴィッツ、昨年は「カササギ殺人事件」、は健在なり!!!
「カササギ殺人事件」超!?
資産家の老婦人、クーパー夫人、は自分の葬儀を手配するため葬儀社を訪れ、まさにその日、何者かによって絞殺された・・・
作家であるわたしは、元刑事のホーソーンからこの事件を自分を主人公にして書いてみないかと誘われる。報酬は折半で、と。
クーパー夫人は9年前、人身事故を起こしていた。幼い双子の兄弟を轢き、一人を即死させ、もう一人は重度の後遺症を負わせたのだ。自身は軽い罪に問われただけだった。
クーパー夫人の葬儀が執り行われた午後、俳優の息子が刺殺された。傷の状態からして怨恨が疑われた。
親子が殺されるに至り、事件の混迷度は増すばかり。探偵役のソーホーン、ワトソン役のわたし、ソーホーンの当てこすりに嫌気をさしながら、犯人を見つけ、この小説をなんとか書きあげたいと思う自分が・・・
伏線をすべて回収する手法がじつに真摯的、本年もアンソニー・ホロヴィッツ、昨年は「カササギ殺人事件」、は健在なり!!!
カササギ殺人事件 [book] [アンソニー・ホロヴィッツ]
アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
who done it?+who done it?
いまだかつて読んだことのないプロット!
上巻は名探偵アティカ・ピュントが登場する「カササギ殺人事件」。実は作中の作家アラン・コンウェイの作中作。しかも未決の・・・
下巻はアティカ・ピュントの担当編集者のわたし、スーザン・ライランド、が結末原稿探しをするうち、アランの自殺?に出会い、ふたつの謎を追う。
アランが仕掛けた謎?は上巻をしっかりなぞる形で下巻に引き継がれている。何とも凄い試み!
上巻はパイ屋敷で家政婦が掃除機のコードに足をひっかけ事故死?する。屋敷には誰もいなかった。数日後同じ村でパイ屋敷の主人、准男爵、が惨殺される。
小さな村だけに登場人物がお互いを監視する?ような形が常態化していた。家政婦の日記には事こまかに・・・事件は未決のままwho done it?の謎を残して終わる。
続く下巻は結末原稿を探し求めるスーザン、その最中に起きるアランの自殺?本来の未決原稿探しよりアランの自殺の謎を追うことに執着するスーザン。こちらのwho done it?・・・
「マトリョーシカ」のようなプロットに脱帽。最後の最後までwho done it?を愉しめる本年度ベスト3の本書!?
who done it?+who done it?
いまだかつて読んだことのないプロット!
上巻は名探偵アティカ・ピュントが登場する「カササギ殺人事件」。実は作中の作家アラン・コンウェイの作中作。しかも未決の・・・
下巻はアティカ・ピュントの担当編集者のわたし、スーザン・ライランド、が結末原稿探しをするうち、アランの自殺?に出会い、ふたつの謎を追う。
アランが仕掛けた謎?は上巻をしっかりなぞる形で下巻に引き継がれている。何とも凄い試み!
上巻はパイ屋敷で家政婦が掃除機のコードに足をひっかけ事故死?する。屋敷には誰もいなかった。数日後同じ村でパイ屋敷の主人、准男爵、が惨殺される。
小さな村だけに登場人物がお互いを監視する?ような形が常態化していた。家政婦の日記には事こまかに・・・事件は未決のままwho done it?の謎を残して終わる。
続く下巻は結末原稿を探し求めるスーザン、その最中に起きるアランの自殺?本来の未決原稿探しよりアランの自殺の謎を追うことに執着するスーザン。こちらのwho done it?・・・
「マトリョーシカ」のようなプロットに脱帽。最後の最後までwho done it?を愉しめる本年度ベスト3の本書!?