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悪意の夜 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★☆

ベイジル・ウィリング博士シリーズ最新刊

夫を事故?で亡くしたアリス、夫のデスクの引き出し、鍵のかかった、に入っていたミス・ラッシュなる人物の名前が書かれた空の封筒を見つける。

そこへ息子のマルコムがラッシュと名乗る個性的な美人を連れてあらわれる。心配性のアリスは想像力をたくましくする。夫とミス・ラッシュと関係を持っていたのか?息子に近づいた彼女の目的は何なのか?・・・

封印されていたアリスの夢中歩行が再発、アリスの向かっていた先はミス・ラッシュのコテージ。そこには脳卒中の父親がいる。その父親が絞り出す言葉、ラッシュは実の娘ではない!

ミス・ラッシュが乗った?車がアリスを襲う、息子のために女を殺す計画を立てるアリス・・・真実は闇の中、サイコサスペンス感あふれる展開、ウィリング博士の登場のタイミングもバッチリ、物語は期待を持たせながら結末へ。

ところがところが、いつもいつも高得点のヘレン・マクロイにしては結末がいただけません!これ以上はネタばれになってしまいますので・・・前半が良かっただけに残念な最新刊でした。

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牧神の影 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/筑摩書房/お薦め度 ★★★★

ノン・シリーズ

フェリックス叔父の急死、主治医による見立ては心臓発作、新聞記者からの電話、翌朝訪れた陸軍情報部の大佐・・・めまぐるしさに翻弄されるアリスン、フェリックスの義理の姪、それに追い打ちをかけるように大佐から聞かされた秘密は、叔父が画期的な戦地用暗号を開発した、と・・・

フェリックス家に同居しているロニー、フェリックスの甥、と顧問弁護士から聞かされた叔父の経済状況は予想をはるかに下回るものだった。邸宅の売却のため人里離れた山中のコテージに一時避難?するアリソン。

コテージで叔父の開発した戦地用暗号の謎を解き明かそうとする素人探偵?アリソン。彼女にかかわるロニーの友人と姉、食料品店の配達人、近隣の女装しているとしか思えないコテージの住人・・・

不穏な山中で女装しているとしか思えない住人の死体と共に発見されるアリスン。彼女を精神病患者にしたてたい誰かが・・・山中ゆえ犯人と思しき面々は徐々に絞り込まれていく。

フーダニと暗号解読を融合させたノン・シリーズ。フーダニと暗号解読の行きつく先が図らず?も一致するとは!?

外れのないヘレン・マクロイの最新刊でした。


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月明かりの男 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

ベイジル・ウィリング博士シリーズ

私用で大学を訪れたフォイル次長警視正は風が運んできた紙片を拾う、そこには「あなたが晴れて第一グループの殺人者に選ばれたことを、ここにお知らせします・・・」で始まる殺人計画が書かれていた。

その直後に心理学者が実験で使っていた拳銃の紛失騒ぎが起き、フォイルは決行時間の夜8時に大学を再度訪れる。そこでフォイルが第一発見者となってしまう。殺されたのはドイツからの亡命科学者だった。

窓から逃げた不審人物、月明かりの男、を目撃した三人の犯人像がことごとく食い違う。

犯人のリストは8人、大学の理事、実験心理学教授とその妻、社会人類学准教授とその妻、異常心理学客員教授、実験心理学教授の助手、殺された亡命科学者の秘書・・・

更に第二、第三の事件が起き、事情聴取以外に嘘発見器や言語連想検査の心理分析の手法も登場、冴えわたるウィリングの心理分析、Who done it? 

「珠玉」という言葉がぴったりの本格ミステリー!

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ささやく真実 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

 
ベイジル・ウィリング博士シリーズ

今年二冊目の邦訳、一冊目は「ふたりのウィリング」(筑摩書房)。

悪趣味な話題提供で世間を騒がすクローディア、今回は生化学者の研究室から拝借?した新薬の自白剤を用いてのパーティー。

参加者はクローディアの三番目の夫、夫の前妻、なぜか若い娘、クローディアが大株主の繊維会社の総支配人、生化学者。ウィリングはたまたま生化学者を車で送ったことでパーティーの参加者に出会う。

自白剤入りのお酒を飲まされた面々の暴露合戦が始まる。

翌朝、恋人、ギゼラを送り届けた帰り、クローディアの屋敷の灯りに不信感を覚えたウィリングが死体となったクローディアを発見する。

謎解き、フーダニットに特化した一冊。愉しめますよ!

 


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二人のウィリング [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/筑摩書房/お薦め度 ★★★★

ベイジル・ウィリング博士シリーズ

たばこ屋で出会った男がタクシーの運転手に自分の名前は「ベイジル・ウィリング」だと告げる。ウィリングは男の告げた住所をたよりにタクシーを追う。パーティーが開かれている家、ドイツ人の精神科医・ツィンマー、を見つけ出し、その家に乗り込む・・・何とも魅力的な書き出し!

パーティーの参加者のひとりがウィリングを知っていたことから、偽のウィリングを強引に連れ出し、話を聞こうとしたがダイイングメッセージ、「鳴く鳥がいなかった」、を残し、息を引き取る。死因は毒物中毒。

続けて起こる事件。パーティーに参加していた富豪の老婦人も同様の薬物中毒で亡くなる。

パーティに参加していたわけありな面々、老婦人の甥、ナイトクラブの経営者と妻、土建業者とその妻、詩人とその娘・・・その内の何人かがツィンマーの治療を受けていた。

殺された男は探偵、その雇い主は老婦人。何かの口封じか!?

ウィリングの名推理とアクション?を十分にお楽しみください。


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歌うダイアモンド [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

九編収録された傑作選!?

特筆すべきことはSFものが4編も入っていること。わたしは初めて手にしました。最近で言うと「地上最後の刑事」、「カウントダウン・シティ」/ベン・H/ウィンタースなんかがそうですね。

わたし的には意外な作品!

また、シリーズものの「ベイジル・ウィリング博士」も2編入っています。表題の「歌うダイアモンド」もそうです。未確認飛行物体を題材にしたミステリー。

清朝末の北京を舞台にした「東洋趣味」、シノワズリ、は雰囲気のある作品。

多芸なマクロイを愉しんでいただける一冊です。


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逃げる幻 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

ベイジル・ウィリング博士シリーズ

「2015 本格ミステリ 」第1位!

ダンバー大尉は密命、監視員を殺し逃走したナチの捕虜の探索、をおびハイランド地方を訪れる。機内で同乗したネス卿から家出を繰り返す少年の話を聞く。

滞在先で偶然にもその少年に遭遇、両親のもとで送り届けることに。

精神科医でもあるダンバー、家出を繰り返し、忽然と消える少年にかかわざるを得なくなる。

そして少年の家庭教師が殺されるに至り、犯人探しの中心にたつダンバーと思いきや、真打、ベイジル・ウィリング博士の登場とあいなる・・・

戦後間もない時代設定が本書のポイント!?


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小鬼の市 [book] [ヘレン・マクロイ]

sample1.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

ベイジル・ウィリング博士シリーズ

ジェームズ・ボンド顔負けのベイジル・ウィリング博士の正体は!?

第二次大戦中のカリブ海の島国、通信社に働き口を求めた次の日、支局長が亡くなり、幸運にも後釜に座るフィリップ・スターク。

ライバルの女性記者から前任者は特ダネを追っていたことを知らされると、いきなり暴漢に襲われ、危うく難を逃れる。やがて本社から前任者は何者かに殺された、その真相を追えと指示が出る。

大戦中のスペイン、アメリカ、ドイツとの関係を逆手に取った、当時としては意欲的なプロットになっているが、そこはヘレン・マクロイの筆が冴える。

表題の「小鬼の市」に読了後、納得!


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暗い鏡の中に [book] [ヘレン・マクロイ]

sample2.jpgヘレン・マクロイ/早川書房/お薦め度 ★★★★

昭和52年刊行、絶版の一冊

ベイジル・ウィリング博士シリーズ

突然、女学園の教師を解雇されるフォスティナ、奇妙なことに本人に思い当たる節はまったくないのに。

同じ学園の女教師・ギゼラは事件の成り行きをベイジルに告げる。

ベイジルがフォスティナの代理人として真相解明に乗り出す。そこで明らかになる事実、学園長を含めた学園の何人かが、あたかも生き霊を見るように、同時刻に違った場所でフォスティナを目撃していた。そのことで以前も教師を首になっていた・・・

新たな事件が学園を襲う。同僚だった女教師がフォスティナ?によって殺される。当の本人はまったく違う場所に居たのに。

生き霊の謎を如何に解くのか、ベイジル博士の腕の見せ所。古さを感じさせない傑作。


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家蠅とカナリア [book] [ヘレン・マクロイ]

sample8.jpgヘレン・マクロイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★★

ベイジン・ウィリング博士シリーズ

1942年刊行の傑作、邦訳は2002年

クラシックなプロット。公演初日、舞台で起こる殺人事件、死体に近づくことができたのは三名、主演女優、外科医役、警官役の男優。

周辺で起こる不可解な出来事、刃物研磨店に押し入り何も盗らず鳥かごからカナリアを放つ夜盗、劇中で使われるメスの紛失、黒装束に身を包んだ人影が落とす台本、事件に居合わすベイジン・・・お膳だては完璧。

丹念な人物描写、人間関係、謎解き・・・十分に愉しめるヘレン・マクロイの初期の傑作です。


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