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キャピタル ダンス [book] [井上尚登]

sample59.JPG井上尚登/角川書店/お薦め度 ★★★★

起業家、ビジネスモデル、キャビタルゲイン・・・

マイクロソフトの買収を断ったことで、シリコンバレーで「ビル・ゲイツを振った女」として知られる、日本生まれの中国系女性・林青、通称アオ。その彼女が日本でサーチェンジの会社を設立する。会社の名前はビル・ゲイツを振ったメールソフト・タコにちなんで、タコボールと名付けられた。

何とかタコボールを軌道に乗せるためぎりぎりの資金と戦うアオ。

上場後、有利にことを運ぼうとするベンチャーキャピタルとの駆け引きなど、ネットバブル崩壊後のITベンチャーの現実を踏まえながら物語は進行する。

ネット、ベンチャーに明るい方は、イントロが少しかったるいかも!?

後半は井上尚登お得意の胡散臭い香港の連中が登場し、本来のミステリーの様相を呈する。

経済小説+ミステリー=経済ミステリー

2002/05


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C.H.E. チェ [book] [井上尚登]

sample54.JPG井上尚登/角川書店/お薦め度 ★★★★

井上尚登は只者ではなかった!

時代はゲバラ没後30年の1997年。リベルタ共和国。謎の婆さん・マリーナを国外に連れ出すことを請け負った、ヨシヒコ・ヤザワ、旅行会社を営む日系三世、旅行会社で働く大友、たまたま居合わせた旅行者・智恵。

国外脱出に失敗した四人が警察軍に追われるところから物語は始まる。

どこからともなく聞こえるゲバラを歌ったサルサ。同僚の失踪を追う元新聞記者。ゲバラと同名の路上駐車屋。ゲバラの遺品を集める大金持ち。リベルタ共和国を影で操る財閥・・・胡散臭い人物たちが織りなす革命物語。

物語の根底には、常に自由を求めてやまなかったエルネスト・チェ・ゲバラの意志が存在!?

登場人物の多さもなんのその、一気に読ませてくれます。

井上尚登には「胡散臭さ」が似合う!?

題名の「C.H.E.」とは、スペイン語で「やあ」とか「ねぇ、君」などのよびかけ言葉。チェ・ゲバラの「チェ」は彼の名前ではなく、愛称。これがラストでも・・・

2000/06

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T.R.Y.北京詐劇 [book] [井上尚登]

井上尚登/角川書店/お薦め度★★★★

帰ってきた井沢修!

前作「T.R.Y」は横溝正史受賞作、本書はシリーズ第二弾!

詐欺師、井沢が狙う今回の標的は、「袁世凱」。

今回の歴史的ポイントは、『辛亥革命の成果を横取りし、中華民国大総統となった袁世凱。帝制復活を宣言し、「袁王朝」を夢見た男』

前作「T.R.Y.」は「辛亥革命」の少し前を舞台に、謎の詐欺師が暗躍する物語。胡散臭い時代、胡散臭い登場人物 があいまったジェットコースター・ノベルでした。本書も前作同様、ジェットコースター・ノベルに仕上がっているのですが、前作のような「胡散臭さ」が足りないのが残念です。あまりにも善人的過ぎて・・・

厨娘、江燕の活躍は一服の清涼剤、愛鈴の再登場もうれしい限り、シリーズ第三弾への布石はバッチリ!次作を期待したい。


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