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墓標なき街 [book] [逢坂剛]

sample1.jpg逢坂剛/集英社/お薦め度 ★★★☆

百舌シリーズ第六弾

かつて田丸は東京ヘラルド新聞社で社会部長を務め、残間はその下で働いていた。残間の書いた百舌事件原稿をボツにした張本人、田丸。その田丸から<ザ・マン>、田丸が編集長、に、百舌事件について知りうることを書いてほしい、と依頼される残間。なぜ今になって?

それと並行して残間のもとに「武器輸出三原則」にふれる内部告発者からのタレこみがあり、その調査を大杉、元刑事、現探偵、に依頼する。

大杉の調査と娘、めぐみ、が勤務する生活経済特捜部の捜査がはからずもバッティング、同じ対象者を父娘で追うことに・・・

百舌事件のかつての関係者、監察官、倉木美希が襲われた現場、田丸が殺された現場に百舌の羽根が残されていたことで、死んだはずの殺し屋<百舌>が、と・・・

複層する事件の裏で見え隠れする権力闘争と<百舌>?大杉、残間、倉木は事件の真相にたどり着けるのか?

シリーズの流れを知っていると知らないでは愉しみが半減、そういう意味で少々不満が残る本書、結末も<続く>で終わるのは残念!

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恩はあだで返せ [book] [逢坂剛]

sample2.jpg逢坂剛/集英社/お薦め度 ★★★★☆ 

シリーズ第三弾!

小学校の同級生、現在は御茶ノ水署・生活安全課の上司と部下の斉木斉と梢田威。迷走コンビが挑む難事件!?

スラップスティック喜劇(slapstick):ドタバタ喜劇。コマ落しなどの技法を用い、奇想天外なギャグや誇張した表現を連続させた映画。二十世紀初頭のアメリカ映画界で全盛を誇る。

スラップスティック警察小説:ドタバタ警察小説。警察小説全盛期にあって、こんなはちゃめちゃな警察小説があってもいいじゃないかと、逢坂剛は問う・・・!?

肩のこらない連作短編集かもしれないが、プロットはしっかり練られている。その証拠に本書はシリーズ第三弾。

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銀弾の森 禿鷹Ⅲ [book] [逢坂剛]

sample50.jpg逢坂剛/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆ 

待望のシリーズ第三弾!

トクトミタカアキ」、「禿富鷹秋」、通称「禿鷹」、警部補、神宮署生活安全特捜班。「ひろい額と薄い眉の下で、引っ込んだ目が洞窟にひそむ猛禽のように、ぎらぎら光っている。細くとがった鼻梁と、一本の線のように結ばれた薄い唇が、酷薄な感じを与える」「175センチある水間よりいくらか背が低く、しかも痩せている。ただし肩幅が、人並み以上に広い」

渋谷のシマを巡る3グループの争いの中で、敷島組幹部が殺される。どうやらその原因は「禿鷹」にあるようだ・・・

”ポリスノワール”としてしっかり定着した禿鷹シリーズ。待望の第三弾!



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禿鷹の夜 [book] [逢坂剛]

sample35.jpg逢坂剛/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆ 

「トクトミタカアキ」、「禿富鷹秋」、通称「禿鷹」、警部補、神宮署生活安全特捜班。
「ひろい額と薄い眉の下で、引っ込んだ目が洞窟にひそむ猛禽のように、ぎらぎら光っている。細くとがった鼻梁と、一本の線のように結ばれた薄い唇が、酷薄な感じを与える」
「175センチある水間よりいくらか背が低く、しかも痩せている。ただし肩幅が、人並み以上に広い」

イントロからして凄い!

暴力団渋六興業の社長、碓氷は娘と食事中、ライバル組織の南米マフィア・スダメリカナの刺客に襲われる。そこに居合わせた客?がカッコよく刺客をやっつけ、姿を消す。

ふたつの組織の抗争に巻き込まれ、恋人・青葉和香子が殺されてしまう。禿鷹の犯人追求がはじまる。

どんどん、勝手に物語が突っ走るという感じ。前置きなんかクソ食らえ!といわんばかりに。
破天荒、自己中、大胆不敵・・・なんとも凄いキャラにしてしまった!?

「百舌」シリーズとは趣を異にする「禿鷹」シリーズ。


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百舌の叫ぶ夜 [book] [逢坂剛]

sample81.JPG逢坂剛/集英社/お薦め度 ★★★★☆ 

最新作「ノスリの巣」から読むべきか、1986年刊行のシリーズ第一弾から読むべきか・・・

豊明興業の赤井らの手により叩きのめされ、崖から放り投げられた新谷。彼は三週間ほど前、珠洲の病院のベッドで目を覚ました。医師や刑事が入れ替り立ち替り事情聴取に来たが、住所氏名、年齢すら思い出すことができなかった。典型的な記憶喪失の症状だと医者は言った。

一週間ほど前、県下の有力紙がこの事件に興味を示し記事にしたがなんの反応もなかった。しかしこの日、たまたま地方紙の綴じ込みを見て事件を知った二人の男女が、一緒に東京から現地へ駆けつけ、彼を引き取ると申しでたのである。

女は新谷由美子と名乗り、彼を兄の和彦に間違いないと断言した。男は豊明興業企画部長赤井秀也の名刺を出した。

いかにも期待を持たせる導入部・・・

新宿中央署は混乱に揺れ動いていた。死者二名に負傷者二十一名。雑踏の中で爆弾が爆発したわりにこの程度の被害ですんだのは、むしろ不幸中の幸いと言わなければならない。

爆弾野郎は筧俊三という名前のフリーライター。死者の一人は倉木珠枝。彼女の夫は、警視庁の刑事。

記憶を取り戻すため奔走する新谷。爆弾野郎の足取りを追う倉木刑事。テロリストと思われる新谷を尾行する公安・明星部長刑事・・・複雑に絡みながら、ひとつひとつ信実が明らかになって行く。

「百舌」の正体とは!?

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平蔵の首 [book] [逢坂剛]

sample6.jpg逢坂剛/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

逢坂剛の鬼平犯科帳

結構厳しい書評があるんですね。池波正太郎の足元にも及ばないとか・・・

昨年、ジェフリー・ディーヴァーの「007 白紙委任状」が刊行されました。イアン・フレミングの原作だったり、ショーン・コネリーの映画でお馴染みのジェームズ・ボンドです。イアン・フレミングの原作をイメージする人、ショーン・コネリーのボンドをイメージする人、様々だったと思いますが、イアン・フレミングの足元にも及ばないなんていう書評はなかったはず・・・

本書も一緒です。逢坂剛の平蔵であって、池波正太郎の平蔵ではありません。比べても意味のないこと!

わたしはセリフのひとつひとつが吉衛門の声に聞こえとても愉しめました。連作短編のラスト、「野火止」は捻りのきいた平蔵裁きです。


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禿鷹狩り [book] [逢坂剛]

逢坂剛/文藝春秋/お薦め度★★★★★

シリーズ第四弾、完結編

これだけキャラの濃い人物を完結編で著者はどう料理したのだろうか?

ハムラビ法典、「目には目を、歯に歯を」ではないが、「禿鷹には、禿鷹以上のキャラを」ということで、イルスギ、スマコ、岩動寿満子、岩が動くとはまさにぴったりの名前の女刑事を登場させ、禿鷹の抹殺を図る。

脇役も健在なり。渋六興行の水間、ミイラ取りがミイラになった諸橋真理子、南米マフィア、初登場、岩動刑事の相棒、優男、嵯峨俊太郎も相まって・・・

疾風のように現れて、疾風のように去ってゆく禿鷹、その前に立ち塞がる岩動、その陰に見え隠れするキャリア、その真意は・・・シリーズ完結編に相応しい一冊、一読あれ!!!


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