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カミラ・レックバリ ブログトップ

魔女 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★☆

エリア&パトリック事件簿シリーズ第十弾

4歳の女の子が姿を消す。警察、近隣住民、シリア難民の協力で大規模な捜索が始まる。女の子は残念ながら、森の池で遺体で発見される。発見者はシリア難民のひとり。女の子が住んでいた農場では30年前に今回同様、4歳の女の子が池で遺体で発見される、の事件が起きていた。

30年前の事件では、当時13歳だった少女ふたりが、殺害を供述したものの、後に供述を翻し、事件は未解決のままだった。

少女のひとりは地元に残り、もうひとりはハリウッドで女優として活動していた。折しも映画の撮影のため、フィエルバッカに来ていたので、エリカは30年前の事件を本にするため、ふたりのインタビューを計画していた・・・

一本のタレコミ電話をメルバリ、署長、がとり、令状なしで単独でシリア難民の家宅捜査を強行、女の子の下着を発見する。このことで大ひんしゅくをかうメルバリ。

難民は釈放されたものの、住宅に火を放たれたことで住民の一部と難民間の軋轢はエスカレートするばかり・・・

物語は現在進行形、30年前、17世紀の魔女狩りが並行して語られ、その間にエリカとパトリックに関連する私生活がいつものようにちりばめられて進行する。

上下巻、1000頁超の大作、少々盛り込みすぎの感はあるものの、スウェーデンの抱える社会問題、スウェーデンだけじゃない、を浮き彫りにしている。

追伸:結末があまりにも悲しすぎるというか、現代のアメリカ社会的というか・・・

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獣使い [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

エリカ&パトリック事件簿・シリーズ第九弾

行方不明の少女が裸同然の姿で道路に踏み出し車にはねられる。眼球はくりぬかれ、鼓膜は破られ、舌は切り取られていた。

同様の失踪事件が周辺で4件発生しており、同一犯の可能性を視野に入れながら捜査に当たるパトリック達・・・

一方、エリカは新しい本を書くため、夫殺しで収監されているライラの取材が許される。ずっと断られていたのに・・・

物語的には失踪事件とライラの取材がどこかで交わることなると予測はされるが、なかなか交わらない。

その間に本書の特徴でもある個人的な問題、今回も妹夫婦、育児休暇中のパウラ・・・、が盛り込まれているので余計物語が交わらない。

ライラがなぜ夫を殺したのか?ライラの子供たち、姉弟、がなぜ別々の里親のもとで育てられたか?が事件のポイント!?

500頁超の大作ですが愉しめました。

追伸:「女性の日常生活に事件をからめた」ミステリーを「フェミクリミ」(femikrimi)というそうです。本シリーズはまさにその代表!


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死神遊び [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第八弾

息子を亡くしたエッバと夫は人生をリセットするため故郷の島へ戻る。長く住んでいなかった家の修復に没頭するふたり。そんな折火災が発生、発見が早かったため事なきを得たが、駆け付けたパトリックは放火を疑う。

事件はそれだけにとどまらない。修復中の床下から大量の古い血?が見つかる。その家は35年前、寄宿学校の校長一家が住み、復活祭前夜エッバだけを残し家族5人が忽然と消えた現場でもあった。否応なく時効を過ぎた35年前の未解決事件の再捜査が始まる。

エッバを一時預かっていたことから35年前の事件に固執していたユスタ、パトリックの同僚、がエリカとタッグを組み、パトリックと違うアプローチを試みる。

寄宿学校の元生徒のそれから、エッバの曾祖母、祖母の生い立ち・・・現在と過去を織り交ぜたスケールの大きな話。

妻であり作家であるエリカがパトリックの事件に首を突っ込むことからここから「エリカ&パトリック事件簿」のサブタイトルがついた。今回はどっぷりエリカが事件にかかわる。そういう意味では原点に返った本書、十分に愉しめます。

いつもいつも思うのですが、この夫婦には守秘義務なんてなんにもないんですね!


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霊の棲む島 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

エリカ&パトリック事件簿シリーズ第七弾

血まみれの手でハンドルを握る女、アニー、後部座席には毛布にくるまれた息子。彼女が向かった先は「幽霊島」・・・

アニーの過っての恋人、マッツ、も故郷に帰り、自治体の経理を担当していた。その彼が幽霊島を訪れた後、自宅で射殺死体で発見される。

マッツは自治体の経理を担当する前、DVの支援団体で働いていた。自治体の経理から、DVがらみからも何も見つからない中、ヘロインの入った袋が発見されマッツの指紋が検出される。だが、マッツと薬物の繋がりはどこにも見つからない・・・

アニーの夫が射殺死体で発見されたところから縺れた糸が一挙に解ける。エリカもそれに一役買う!?

事件以外のサイドメニューは、妊娠中に自動車事故にあったエリカと妹アンナ、エリカには双子が生まれ、アンナのお腹の子は死んでしまう。

上手いと思ったことがなかったシリーズだが、本書はなかなか上手い!


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人魚姫 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

エリカ&パトリック事件簿シリーズ第六弾

出勤途中の夫が行方不明になったと相談を受けるパトリック。一方、エリカは友人のクリスチャンが「人魚」で作家デビュー、出版記念パーティの最中、脅迫状を受け取る。

三ヶ月後、行方不明の男が氷の中から見つかる。死体にはナイフでやられた痕が・・・

それに続いて、クリスチャンの知り合いの妻が亡くなる。夫は癌ではなく殺された、と。夫も脅迫状を受け取っていた。

エリカはクリスチャンを助けようと奔走するが、なにひとつクリスチャンのことを知らないことに気づく。妻もまわりの人間も・・・

現在と過去が交互に語られながら物語は進む。いつしかエリカとパトリックの捜査?は交差する。

エリカとパトリックの間には「秘密保護法」なんて存在しない。双子を身ごもり、娘を育て、事件を追うエリカの力強さが目立つ本書!


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踊る骸 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★☆

エリカ&パトリック事件簿シリーズ第五弾

前作のラストで死んだ母親・エルシの遺品、ドイツの勲章、日記、セーター、が見つかる。勲章の鑑定を依頼した友人の元教師・エーリックが死体で発見されることから物語は始まる。

勲章と一緒に見つかった日記を不安混じりに読み進むエリカ。一方育児休暇中のパトリックも散歩中にパトカーに遭遇、元教師の事件現場を覘くことに・・・

母親の日記は戦時下の1943年に書かれたものだった。母は同年代のブリッタ、殺されたエーリック、極右活動家・フランスらと親しかった。早速ブリッタを訪ねるエリカ。アルツハイマー病を患うブリッタはエリカを母親と勘違いして吐いた言葉、「骨が・・・無名戦士が・・・」、が結末で解き明かされる。

エーリックに続きブリッタも殺される。否応なく事件と母親の足跡を辿るエリカ。夫のパトリックは子育て・・・

初めて手にする人は戸惑うかもしれないが、事件の謎解きより家族の話が長いシリーズ。今回は事件の解明イコール悲しい家族物語なので長さは気にならなかった。


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死を哭く鳥 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

エリカ&パトリック事件簿シリーズ第四弾

500頁超えの大作!?事件だけを追うのであれば300頁でいいのかもしれないが、エリカとパトリック、それに娘のマヤ、妹のアンナ、元カレのダーンが加わったファミリーの話が加算されると500頁超えになってしまう。加えて今回はエリカとパトリックの結婚式が真近なので尚更・・・

普段は酒を飲まない雑貨店の女主人の飲酒運転による事故死、なにかひっかかるものが・・・そのトゲは資料室で抜けることになる。数年前、こちらも酒を飲まない泥酔自殺のファイルが見つかる。

一方、テレビ番組のクルー、出演者が町にやってくる。リアリティ番組、四六時中カメラがまわされ、それにより出演者への共感度が図られる。ランクが落ちたら即退場のサバイバルゲーム。出演者のひとりが殺される。

ふたつの事件がいつしか交わるとしか言えませんが、交わり方が実にいい。これは読んでのお愉しみ!

追伸:前作同様、警察署長メルバリの三枚目役もなかなかのものになってきましたよ。


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悪童 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第三弾

エリカ&パトリック事件。「氷姫」、「説教師」に続く第三弾

「氷姫」はエリカ&パトリック事件簿だったが、「説教師」ではエリカが妊娠、事件に関与することなくパトリック事件簿。

これほどふたりの私生活が描かれる刑事ものも少ない。刑事ものというより事件簿かな!?

第三弾ではエリカの子育てから再開。育児ノイローゼ気味のエリカの気晴らしはシャロットとのおしゃべり。そのシャロットの娘・サーラが浴槽で殺され海に投げ込まれる。しかも灰を飲まされ・・・

シャロットの家族、母・夫・サーラの弟。シャロットの母と敵対関係にあるヴィーバリ家、夫・妻・息子。シャロットの夫の家族、父・母。それにエリカの家族、夫・義母+妹アンナの家族・・・それぞれの家族の愛情、憎しみ、秘密が事件と複雑に絡みあう。

殺人事件と並行して過去の物語が語られる。それはなんの複線なのか?事件の結末は衝撃的!

刑事ものとして読むと少々生温いが、事件簿としてなら許せる。第四弾に続く事件が起こる。エリカの妹アンナが夫を殺した、と。


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説教師 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

エリカ&パトリック事件簿

「氷姫」に続くシリーズ第二弾

第一弾はスウェーデンの冬をそのまま映した作品だったが、第二弾は打って変わって白夜の夏、暗く湿った冬から開放的な夏へ、作品の印象も大きく違う本書。

若い女性の死体、その下に横たわる24年前の死体、パトリックは休暇を中断、捜査にあたることになる。

3つの死体は同じ方法で殺害されていることが判明する。24年前の失踪事件に関して説教師一族の証言、殺された女性が弟の車に乗っていた、をつきとめ、捜査を根底からかやり直すことになる。墓を掘り起こしたり、無謀と思える作戦に出るパトリック、まったく口をはさもうとしない署長、孤軍奮闘のパトリック。

妊娠中のエリカは事件にかかわることなく、私生活でのイライラがつのるばかり。

事件と私生活、シリーズものだからいいけど、少々緊張感に欠けるミステリー!?


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氷姫 [book] [カミラ・レックバリ]

sample1.jpgカミラ・レックバリ/集英社/お薦め度 ★★★★

ミステリー王国、スウェーデンから初登場

エリカ&パトリック事件簿。伝記作家&刑事の事件簿。

エリカの少女時代の親友、アレクサンドラが浴槽で、両手首をカミソリで切られ、全裸死体で発見される。エリカの幼馴染、刑事のパトリックが捜査にあたることになる。

エリカは両親から追悼原稿を依頼され、20年以上疎遠だったアレクサンドラの人生を遡る作業をはじめる。

エリカとパトリックの情報がアレクサンドラの素顔を浮き彫りにしていく。

アレクサンドラを取り巻く複雑な人間模様に頁が割かれ、次々と封印された過去が明らかになる。人間模様の紐解きが捜査の進展となる設定。

どんよりとした天気と封印された人間模様がマッチしたスウェーデンらしい一冊!?


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