8つの完璧な殺人 [book] [ピーター・スワンソン]
ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
名作ミステリーへのオマージュ
ミステリー専門書店、オールド・デヴィルズ・ブックストア、の店主、マルコムももとをFBI捜査官のグウェンが訪ねる。マルコムが10年前ブログに載せた<完璧なる殺人8選>について詳しく聞きたいと・・・
8選とは、「赤い館の秘密」、「殺意」、「ABC殺人事件」、「殺人保険」、「見知らぬ乗客」、「溺殺者」、「死の罠」、「シークレット・ヒストリー」・・・
グヴェン曰く、8つの作品に手口が似ている、と。
物語はどう展開するのかと思いきや、マルコム自身が「見知らぬ乗客」の交換殺人の片棒を担いでいることが早々に明かされる。ブログのリストに再び引き戻されたマルコムは交換殺人の相方捜しに執心?する・・・いかにもピーター・スワンソンらしい!?
名作ミステリーへのオマージュではあるが、スワンソンらしい結末かといわれるとそうではないような気がする。意欲は買うが結末は買わない・・・
だからダスティンは死んだ [book] [ピーター・スワンソン]
ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
超絶サスペンス
ブロック・パーティーで知り合った隣人の二組の夫婦、ヘンと夫のロイド、マシューと妻マイラ、ヘンとロイドは引っ越してきて二ヶ月、マイラに招かれディナーを共にする。
部屋を案内され、マシューの書斎でヘンが目にしたのは、二年半前の未解決事件、ダスティン・ミラー殺人事件、で持ち去られた?ジュニアオリンピック、エペ、三位のトロフィーだった・・・
マシューに固執するヘン、その一方でトロフィーを見た時のリアクションで感付いたことを悟るマシュー。
マシューを尾行するヘンが遭遇したのはマシューが男を殴り殺す現場、警察にふたつの事件を話すものの、真剣に話を聞こうとしない警察。ヘンの病状、躁鬱症、とヘンが起こした過去の事件が起因していた。
犯人は明らかなのに・・・殺人者マシューに抱く安心感、夫、浮気をしている、ロイドに抱く不信感、マシューを疑うマイラ、マシューの弟リチャードの出現で更に物語は混迷の度を増す。流石、ピーター・スワンソン!
最後の最後で邦題の「だからダスティンは死んだ」が明らかになる手の込んだミステリーだ。
ケイトが恐れるすべて [book] [ピーター・スワンソン]
ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
秀逸なサスペンス
ロンドンに住むケイトはボストンに住む又従兄のコービンと半年間住居を交換することにした。お互い逢ったこともないのに・・・
ボストンの住居はロンドンの住居の何倍もの大きさ、戸惑うケイトを更に悩ませる事件が発生する。隣に住む女性が死体で発見される。元カレ、向かいの棟の住人はコービンと女性は付き合っていた、と。
ケイトはコービンにメールで真意を確かめたがコービンは否定する。誰が嘘をついているのか?
ケイトが抱えるトラウマ、不安障害、コービンと友人?が共有する過去、殺された女性の向かいの男の「裏窓」的行動、連続殺人・・・サイコ・サスペンスの要素をふんだんに盛り込んだ一冊。
アリスが語らないこと [book] [ピーター・スワンソン]
ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
因果応報!?
大学生のハリーのもとへ父の死の一報が届く。転落死だ、と・・・急遽実家に戻ると気が動転した継母のアリスが待っていた。父の死の様子を聞いてもうわの空?ハリーはしっくりしないものを感じる。
刑事から父は転落する前に殴打されていたと聞かされる。悲劇なのか?しくまれた殺人なのか?
物語は現在と過去を行き来する。父の死を巡る現在、アリスを巡る過去。現在の中に父の不倫相手?の出現と死、過去の中にアリスの周りで起こる母、友人の死・・・
それらが反転する結末は秀逸。圧巻のサスペンス。それにしても性的な関係、エピソードが多過ぎ。
そしてミランダを殺す [book] [ピーター・スワンソン]
ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
CWA賞最終候補作
ビジネスクラスの専用ラウンジ、実業家のテッドは大学の文書保管員をしているリリーから声をかけられ、マティニーのグラスを傾ける。酔った勢い?でテッドは、妻のミランダが浮気をしていることを知り、「妻を殺したい」と言ってしまう。
リリーはそれは当然と協力を申し出る。何とも芝居がかった?書き出し・・・
妻を殺そうと行動を起こす男、それを後押しする女、浮気相手の男、浮気をしている?女・・・物語は一転、テッドが妻の浮気相手に殺される。それは妻と浮気相手の共謀!?
それに対してリリーは復讐を誓い行動を起こす。そこにはリリーの少女から大人なる間の秘められた過去があった・・・
リリーvs.ミランダ+浮気相手の構図が浮かび上がるが、物語はそう単純にはいかない。リリーが浮気相手を懐柔したことで三者三様の利害が発生、次に殺されるのはミランダ?浮気相手?
後半からリリーを追う刑事キンポールが現れ、殺すもの、殺されるもの、追うもの、追われるものの攻防が続く・・・
結末は最終ページの父からリリーへの手紙の中に!
CWA賞の最終選考まで残ったクールな犯罪小説!?
CWA賞最終候補作
ビジネスクラスの専用ラウンジ、実業家のテッドは大学の文書保管員をしているリリーから声をかけられ、マティニーのグラスを傾ける。酔った勢い?でテッドは、妻のミランダが浮気をしていることを知り、「妻を殺したい」と言ってしまう。
リリーはそれは当然と協力を申し出る。何とも芝居がかった?書き出し・・・
妻を殺そうと行動を起こす男、それを後押しする女、浮気相手の男、浮気をしている?女・・・物語は一転、テッドが妻の浮気相手に殺される。それは妻と浮気相手の共謀!?
それに対してリリーは復讐を誓い行動を起こす。そこにはリリーの少女から大人なる間の秘められた過去があった・・・
リリーvs.ミランダ+浮気相手の構図が浮かび上がるが、物語はそう単純にはいかない。リリーが浮気相手を懐柔したことで三者三様の利害が発生、次に殺されるのはミランダ?浮気相手?
後半からリリーを追う刑事キンポールが現れ、殺すもの、殺されるもの、追うもの、追われるものの攻防が続く・・・
結末は最終ページの父からリリーへの手紙の中に!
CWA賞の最終選考まで残ったクールな犯罪小説!?