ポリス・アット・ザ・ステーション [book] [エイドリアン・マッキンティ]
エイドリアン・マッキンティ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
ショーン・ダフィー・シリーズ第六弾
麻薬の密売人が相次いでクロスボウの矢で撃たれた事件を捜査するため、休暇を途中で切り上げ現場に向かうダフィー。
今回の事件は二件目、死亡した被害者は前科持ちの売人、ブルガリア人の妻と団地に住んでいた。
犯行声明はどこからも出ていない。
ブルガリア人の妻が麻薬の運び屋ではないかと尋問するが手掛かりはつかめず、高額の保釈金を払い釈放と同時に行方をくらました。
完全に行き詰ったダフィーを救ったのはブルガリア人通訳の紙切れ、そこには車のナンバーが・・・
ここから北アイルランド紛争の続きを交えながら物語は進み、シリーズ最大の危機がダフィーの身に降りかかる。ここから物語は一気に加速、クライマックスになだれ込む。
毒気の強かったダフィーがベスとエマを得、自分たちの将来をぶつかりあいながら描いたり、警察内部の人事評価を巡る暗雲だったり・・・今までにない展開も加わり、シリーズはどんどん成長している。
ガン・ストリート・ガール [book] [エイドリアン・マッキンティ]
エイドリアン・マッキンティ/早川書房/お薦め度 ★★★★
刑事ショーン・ダフィ・シリーズ第四弾
杉江松恋氏が言うには、「このシリーズ、全部読むのが面倒臭かったなら、最初の三作は飛ばして<ガン・ストリート・ガール>から読んでもいいと思う。それも面倒臭かったなら、五作目の<レイン・ドッグス>は後回しにして<ガン・ストリート・ガール>の次は最新刊<ポリス・アット・ザ・ステーション>でもいい・・・」
馬券屋の富豪夫婦が自宅の居間で射殺され、同居の息子マイケルの姿が見えない。家庭内の争いによる単純な事件か?と思われた。
ダフィ警部補は新入りの部下と捜査に当たる。行方不明のマイケルが遺書を残し、崖下で死体で発見される。
マイケルに続いて恋人?も自殺と思しき死を遂げる・・・
マイケルの大学時代の交流関係から彼のビジネス?が明らかになる。武器製造会社の社員、労働組合代表、アメリカ領事館宅のゲスト・・・事件は思わぬ方向へ舵を切る。
確かに杉江氏の言う通り、評判の高かった?<レイン・ドッグス>は飛ばしてもいいようだ!?
追伸:冒頭、現在世間をまたまた騒がせている統一教会が北アイルランドにも支部をもっていたのか?ダフィが「おもしろい事実を教えてやろう。統一教会の教祖、文鮮明は長老派として育てられた。つまり統一教会ってのは韓国の過激な長老派みたいなものなんだ」とのたまう件が・・・
レイン・ドッグズ [book] [エイドリアン・マッキンティ]
エイドリアン・マッキンティ/早川書房/お薦め度 ★★★☆
エドガー賞最優秀ペーパーバック賞受賞作
ジョーン・ダフィ・シリーズ第五弾にして初めて手にする一冊。
古城の中庭に女性の死体が発見された。正門以外に城内に入る方法は18メートルの外壁を超えるしかない。城の管理人は午後六時に門を締め、十時に見回り、次の日の七時まで密室状態だったという。
当初は自殺の線が濃いように思われたが、被害者は<フィナンシャル・タイムズ>の記者、フィンランドからの要人の取材に着いてきた、司法解剖の結果、死亡推定時刻は閉門前だったことが判明する。
古城の管理人が情況証拠から犯人と断定、逮捕される。
そんな折り、警視正が車の下に仕掛けられた爆薬で殺された。犯行声明は出ていないがIRAの手によるものと思われる・・・
女性記者のメモに絡むフィンランドの要人、元軍人のセキュリティ部門の責任者、それらをコーディネートした元同僚のセキュリティ・サービスの社長
評価が高かっただけにわたし的には残念、ダフィーが決定的な証拠写真を見つける件、北アイルランドとフィンランドとの犯罪者引渡条約、恋人ベスとの再会の件・・・唐突すぎて少々ついていけない。シリーズを読んでいる人にはわかる部分かもしれない。シリーズとはそういうものだから・・・
想像していた警察小説とちょっと違った一冊。
タグ:エドガー賞
ザ・チェーン 連鎖誘拐 [book] [エイドリアン・マッキンティ]
エイドリアン・マッキンティ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
いままで読んだことがない小説!?
レイチェルの娘、カイリーが誘拐された。犯人の要求は身代金と別の誰かの子供を誘拐することだった。レイチェルが誘拐に成功すれば犯人の子供は解放される。もし失敗すれば犯人はカイリーを殺す。
誘拐された子供の親は誘拐という犯罪に手をそめる以外、子供を助けることは出来ない。そういうシステムが<チェーン>なのだ。
レイチェルはカイリーを救うため身代金を支払い、誘拐リストを作成、行動を開始する。その手伝いを元夫の兄、ピート、元軍人、がすることになる。
他の子供を誘拐し、カイリーを助け出すレイチェル、手に汗握る展開の第一部、続く第二部はチェーンの全貌が見え、自身と娘のために敵に立ち向かうレイチェルの姿が描かれている。
第一部はスリラー、ノワール、第二部はアクション、一気読みの一冊!
いままで読んだことがない小説!?
レイチェルの娘、カイリーが誘拐された。犯人の要求は身代金と別の誰かの子供を誘拐することだった。レイチェルが誘拐に成功すれば犯人の子供は解放される。もし失敗すれば犯人はカイリーを殺す。
誘拐された子供の親は誘拐という犯罪に手をそめる以外、子供を助けることは出来ない。そういうシステムが<チェーン>なのだ。
レイチェルはカイリーを救うため身代金を支払い、誘拐リストを作成、行動を開始する。その手伝いを元夫の兄、ピート、元軍人、がすることになる。
他の子供を誘拐し、カイリーを助け出すレイチェル、手に汗握る展開の第一部、続く第二部はチェーンの全貌が見え、自身と娘のために敵に立ち向かうレイチェルの姿が描かれている。
第一部はスリラー、ノワール、第二部はアクション、一気読みの一冊!