契り橋 [book] [高田郁]
高田郁/角川春樹事務所/お薦め度 ★★★★
あきない世傳 金と銀 特別巻上
シリーズ十三巻を読み終えた読者への贈り物
四編の短編、主人公は惣次、佐助、お竹、賢輔・・・
「契り橋」は九代目賢輔と七代目幸との秘めた想いの行方がメインなんだろうけど、わたし的には惣次を主人公にした「風を抱く」がお気に入り。
本編では江戸で事あるごとに幸にアドバイスを送っていた惣次の心根の変化が読みとれる。変化のもとは、家族の絆に対する激しい飢えがあったのだが、お家さんの富久、兄、弟、恋女房、幸との間に絆はとうとう築けなかった。その惣次が井筒屋二代目保晴を父に、その娘、雪乃の夫になったことで初めて心が満たされたのだった。
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