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過ちの雨が止む [book] [アレン・エスケンス]

sample1.jpgアレン・エスケンス/東京創元社/お薦め度 ★★★★

「償いの雪が降る」の続編

大学を卒業したジョーはAP通信社の記者となっていた。ある日、編集長からジョーの書いた記事が上院議員の名誉を棄損したとして訴えられたと知らされる。それと同時に、自分と同じ名前の人物の死体が発見され、凶行の疑いがあると書かれたプレスリリースを渡される。

ジョーの父親は彼が生まれた時、消え、いまどこに住んでいるのかもわからない。顔も知らない実父かもしれない!?

編集長から警察で撮られた古い顔写真を受け取り、父という神話に骨がつき、肉がつきはじめた。

早速、車を飛ばし現場の町へ向かい、聞き込みをはじめる。誰もが死んだ男について芳しくない印象をもっていることがわかってくる。

父親捜しと同時に殺人事件の真相を追うジョーに、自閉症の弟ジェレミーの後見人争いで袂を分かった母親の影、恋人ライラから受け取った母親からの手紙、が付きまとう。

過去と現在に課された家族にまつわる試練をジョーはどう向き合い、乗り越えて行くのか!?

謎解きミステリーというより青春ミステリーかな!?



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たとえ天が堕ちようとも [book] [アレン・エスケンス]

sample1.jpgアレン・エスケンス/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

法廷ミステリー

高級住宅街の路地で喉を掻き切られた女性の死体が発見される。わずかな手掛かりから、被害者が弁護士、ベン・ブルイット、の妻であることが判明する。捜査を担当するのはミネアポリス市警のマックス・ルバート刑事。被害者の夫とは浅からぬ縁、ある裁判でマックスを追いつめるための文書がねつ造された、があった。

マックスはベンに疑いをかける。追いつめられるベンはかつての事務所の上司、ボーディ・サンデン教授、弁護士を辞めた、に弁護を依頼する、ボーディとマックスはある出来度をきっかけに友人となっていた。

ボーディがベンの依頼を受けるということはマックスと一線を画すことになる。それを承知でボーディは弁護を引き受ける。

「天墜つるとも、正義を為せ」、お互いの正義を為すべく裁判が始まる。

本書にはもうひとつ大事なサブストーリーが・・・マックスの妻が死亡した交通事故、裁判の最中、妻の死は事故ではないという文章と鍵が送らてくる。

ミステリーとスリラーが合わさった贅沢な作品に仕上がっている。


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償いの雪が降る [book] [アレン・エスケンス]

sample1.jpgアレン・エスケンス/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

MWA賞処女長編賞最終候補作

選択した授業で身近な年輩者の伝記を書くことになった大学生のジョー、彼にには身近な年輩者がいない。母子家庭、父親の顔も知らない、祖父母も親戚もいない・・・

そこで近くの介護施設でインタビューの相手を探す。そこで出会ったのがカール、三十数年前に十四歳の少女をレイプ、殺害、死体を焼却した殺人犯、末期がんのため仮出所、施設で最後の時を過ごしているのだった。

ジョーのインタビューに応じるカール、当時の裁判記録を取り寄せ、宿題に取り掛かるジョー。隣人の大学生ライラも裁判記録に興味を示し、ふたりで記録を読み込む。

カールの終身刑の根拠は殺された少女の日記、そこには解読不能な数字の暗号が・・・

アル中で自己中な母親、自閉症の弟、誰には言えない祖父との出来ごと・・・ジョー同様に過去のつらい記憶、言えない秘密を持つ、カールとライラ、そんな三人の秘密を掘り起こしていく物語でもある。

何も考えず行動を起こしてしまうジョー、自閉症の弟に心をよせるジョーとライラ、カールと心を通わせるジョー・・・三十数年前の事件の真相ももちろんだが、誰にも言えない罪の意識を告白、絆が生まれ、信頼関係を築く様は感動的!

爽やかな読了感を与えてくれる一冊!


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