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償いの雪が降る [book] [アレン・エスケンス]

sample1.jpgアレン・エスケンス/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

MWA賞処女長編賞最終候補作

選択した授業で身近な年輩者の伝記を書くことになった大学生のジョー、彼にには身近な年輩者がいない。母子家庭、父親の顔も知らない、祖父母も親戚もいない・・・

そこで近くの介護施設でインタビューの相手を探す。そこで出会ったのがカール、三十数年前に十四歳の少女をレイプ、殺害、死体を焼却した殺人犯、末期がんのため仮出所、施設で最後の時を過ごしているのだった。

ジョーのインタビューに応じるカール、当時の裁判記録を取り寄せ、宿題に取り掛かるジョー。隣人の大学生ライラも裁判記録に興味を示し、ふたりで記録を読み込む。

カールの終身刑の根拠は殺された少女の日記、そこには解読不能な数字の暗号が・・・

アル中で自己中な母親、自閉症の弟、誰には言えない祖父との出来ごと・・・ジョー同様に過去のつらい記憶、言えない秘密を持つ、カールとライラ、そんな三人の秘密を掘り起こしていく物語でもある。

何も考えず行動を起こしてしまうジョー、自閉症の弟に心をよせるジョーとライラ、カールと心を通わせるジョー・・・三十数年前の事件の真相ももちろんだが、誰にも言えない罪の意識を告白、絆が生まれ、信頼関係を築く様は感動的!

爽やかな読了感を与えてくれる一冊!


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