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邪魔 [book] [奥田英朗]

sample174.JPG奥田英朗/講談社/お薦め度 ★★★★☆  

「最悪」に続くクライムノベル(犯罪小説)。

九野薫、刑事。妻と子供を交通事故で亡くす。不眠症、常に薬を携帯。同僚刑事の風紀違反を立件するため尾行中。

及川恭子、主婦。郊外に住宅を購入。ローン返済のため近くのスーパーでパートとして働く。子供二人。夫は住宅がある郊外の支店勤務、経理課長。

渡辺祐輔、高校生。ダチ二人は退学。四流大学に滑り込む予定。おやじ狩り、カツ上げは当たり前。

恭子の夫、茂則が第一発見者となった放火事件を中心に三者三様、茂則を含めれば四者四様の「一体全体何なんだ!」の犯罪が始める。

日常生活の犯罪とは言えない!?ささいなことが事件の発端となる。そのささいなことが増殖を続け、最後にはどうしようもないアリ地獄に陥っている自分に気づく。

前作「最悪」同様、小市民がどつぼにはまっていくのを見ると、小説とはいえ読むのがつらくなる、後味サイアクの「イヤミス」!?

言い換えると、奥田英朗の罠に見事にはまったということ!

2001/4


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オリンピックの身代金 [book] [奥田英朗]

sample17.jpg奥田英朗/角川書店/お薦め度 ★★★★ 

力作だが、ただただ残念!?

「最悪」、「邪魔」のクライムからユーモアへ路線変更、「空中ブランコ」で直木賞を受賞、久々にシリアスな奥田英朗が戻ってきた!?

表題の通り。昭和39年、東京オリンピックをたてに身代金を要求する東大院生。事件は国民に知らされることはなかった。

東大院生の動機が、反革命勢力となるブルジョワジー、革命勢力であるプロレタリアートという構図、イマイチ気に入らない。時代的には、あるいは松本清張なら、これでいいかもしれないが奥田英朗ならもうひと捻りしてほしかった。これでは「社会派サスペンス」というような安直な帯がついてしまうだけだ。

ただただ残念のひと言。

三好徹に同名の作品があるんですね。こちらはオリンピック放送をたてにとるようです。


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イン・ザ・プール [book] [奥田英朗]

奥田英朗/文藝春秋/お薦め度★★★★★

シリーズ第一弾

最新刊「町長選挙」と比較すると、断然本書に軍配が上がる。著者自身もたのしんで書いているさまが手に取るようにわかる。それも本書、直木賞受賞作「空中ブランコ」までか!?

第三弾はネタ切れなのか「パロディ」になってきた。主人公が「ホリエモン」だったり「ナベツネ」だったり、と・・・アイデアも枯渇するよね。

それにしても変な、新種の病気ばかり、水泳中毒、ケータイ中毒、持続勃起症…、著者のアイデアに脱帽の新爆笑小説、ぜひ一読あれ。


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町長選挙 [book] [奥田英朗]

奥田英朗/文藝春秋/お薦め度★★★★

直木賞受賞シリーズ、第三弾

映画化するなら主人公・伊良部先生は誰だろうか?脚本と主演を三谷幸喜にお願いしよう!

表題の「町長選挙」、伊良部先生、人口二千五百人の島へ二ヶ月間の出張。もちろんマユミさんも一緒。そこで四年に一回の町長選挙に出くわす。両候補者からの賄賂合戦?に伊良部先生の処方箋やいかに。

結末の処方箋は最高。一本背負いの大技に、「参りました!」

やっぱり主演は三谷幸喜しかいない。ぜひお願いしたいものだ。


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空中ブランコ [book] [奥田英朗]

奥田英朗/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

「最悪」、「邪魔」のクライム・ノベルとは正反対な爆笑小説!?「イン・ザ・プール」の続編。

精神科医・伊良部の「幼心」?に驚き、呆れる。

「平凡に暮らしている人を苦しめるのは社会の枠とか常識。そういうものを取っ払えば楽になる。そういうものを全く無視している人間を出して、患者を楽にしてあげようという発想なんですね。あの伊良部という医師を出したのは」と、著者はいう。

クライム・ノベルがあって、伊良部が登場と。「必然の中の産物」というわけだ!


タグ:直木賞
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