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魔性の馬 [book] [ジョセフィン・テイ]

ジョセフィン・テイ/小学館/お薦め度★★★★★

全米のミステリ専門店が主催した「二十世紀のミステリ百選」に、著者・ジョセフィン・テイの作品が五作も選ばれている。その中でも本書がもっとも支持を得ていた。1949年刊行の作品だが、古さを感じさせない傑作・・・

名門アシュビィ家では双子の弟・サイモンが二十一歳の成人式むかえ、母親の財産を相続し、ひとりだちすることになっていた。そんな時、八年前に遺書を残し、自殺をしたとされる、双子の兄・パトリックが戻ってきた。あらゆる状況が兄であることを示していたが、弟のサイモンだけが、頑としてそれを認めなかった。それはそうでしょ。母親の財産が兄・パトリックに行ってしまうのだから・・・

じつは、パトリックに瓜二つの男、放浪の孤児、ブラッド・ファラーがアシュビィ家をよく知る牧師の義弟、アレック・ロディングにそそのかされ、昔のことを教え込まれ、一家に現れたのだ。

ブラッドを取り巻くアシュビィ家の後見人である叔母のビー、長女のエレノア、双子の姉妹・ジェーンとルース。牧場や農場を抱え、馬で生計を立ててきた一家。そこで待ち受けるブラッドに対する罠とは・・・

現在版「スロー・ミステリー」!?風景、田舎の人間関係、競馬競争・・・なんとも和やかななかで展開されるミステリー。このコントラストがたまらない。

著者の代表作でもある「時の娘」「フランチャイズ事件」も手元にあるので、近いうちに紹介します。


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生姜

はじめまして。
「時の娘」(大好きです)「フランチャイズ事件」は知っていましたがこれは知らなかった…!小学館で発行されているんですね。ぜひ読んでみたいです。
by 生姜 (2006-03-10 14:40) 

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