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誕生日パーティー [book] [ユーディト・W・タシュラー]

sample1.jpgユーディド・W・タシュラー/集英社/お薦め度 ★★★★

邦訳二作目

キム、カンボジア移民、の50歳の誕生日パーティーに、小学生の末息子ヨナスはサプライズゲストに両親の幼馴染デヴィ、アメリカ在住、を招待する。

キムから子供時代の話をほとんど聞いたことがないヨナス、姉、兄も同様に、は音信不通になっているデヴィをパーティーに呼ぶことで父の子供時代の話が聞けるかもしれないと思っての企みだった。

カンボジア、ポル・ポト政権、大虐殺、クメール・ルージュ・・・政権末期、タイを目指したキム、瀕死の重傷を負ったデヴィを背負って生き延び、難民としてオーストリアに来て、ふたりは田舎の家族に引き取られた。

ちょっとした冒険心からフランス旅行中にデヴィの叔母探しをしたふたりは偶然にも叔母に巡り合え、デヴィはフランスで暮らすことに・・・当初はキムもいっしょだったが、オーストリアの家族のもとへ戻った。

カンボジア時代のキムとデヴィ、オーストリアの家族、キムとデヴィの現在、キムとデヴィの関係・・・が様々な残酷な過去と現在が交錯する。キムの最も会いたくなかった女性はデヴィだった!?

ミステリー要素といえば、クメール・ルージュ時代の少年の一人称で語られる章のミスリード位・・・前作、「国語教師」が恋愛物語だとすれば、本書は家族の愛情物語!?


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