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フェニモア先生、人形を診る [book] [~'23海外編]

sample65.JPGロビン・ハサウェイ/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆ 

「フェニモア先生、墓を掘る」の続編。”にわか探偵”大活躍!?

主人公のフェニモアは四十年独身を通した心臓医。しかも婚約したことすらない。恋人のジェニファーとは頻繁に付き合っているが、歳の差(彼女は十五歳年下である)ゆえに彼は将来を誓うことをためらっている。

車は乗りつぶすまで乗り、衣類はもっぱらサルベーションアーミーの古着を着用。ものを大事にする、無頓着といえば無頓着だが、究極のエコロジスト。

エミリーとジュディスのパンコースト姉妹は、これからど押しかけてくるパンコースト一族のために、感謝祭のディナーを準備しているところだった。

階段を降りきったスペースに飾られたドールハウスのミニチュアのテーブルが、完全にめちゃめちゃになっていた。老齢のふたりは-エミリー八十二歳、ジュディスが七十九歳-顔を見合わせた。

そんな中、次々と一族郎党が集まる。いつものことながら、ディナーは大成功だった。

またまた、ドールハウスのダイニングルームがなにものか?によってめちゃめちゃにされた。椅子はひっくりかえり、ナイフフォークが散らばり、ナプキンやゴブレットが床に落ちている。そして人形がひとつ-姪のパメラそっくりの-が皿に顔を突っ込むようにしてテーブルにつっぷしている。

客が帰り支度を始めたころには、ぼつぼつ暗くなりかけていた。
残った人びとは、きぬを裂くような姪の悲鳴に度肝をぬかれた。
ダイニングルームはめちゃめちゃだった。自分のデザート皿に顔を突っ込んでいるのはパメラだった。

ここからフェニモア先生の往診?が始まる。

しかし、今回は緊急の患者をかかえていてなかなかフェラデルフィアを離れられず、パンコースト一家の見張りはドイル夫人(診療所の看護婦兼秘書)にお願いすることになる。季節が移り変わるなか、次々に迫りくる犯行を阻止できないフェニモア先生、事件の行方はいかに・・・

前作とは趣向を変え、読者への挑戦に富んだ作品に仕上っている。

2002/07

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