フェディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
「犯罪」、「罪悪」に続く短編集
刑事弁護士だった著者が実際の事件から材を得た短編が12編収録されている。
参審制とは一般市民から選ばれた参審員が職業裁判官とともに裁判を行う制度。参審員は事件ごとに選出されるのではなく、任期制となっている。
参審制に材を得た「参審員」、主人公の女性は参審員の名簿から抹消し、この名誉職から解いてほしいという嘆願書を書いた。裁判所はその嘆願書を却下した。任期制がもたらした悲しい結末が心に残る。
短編の名手が真骨頂を発揮した一冊!
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