空の幻像 [book]

アン・クリーヴス/東京創元社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第六弾

シェトランド諸島の最北端、アンスト島、で里帰り結婚式が行われた。新婦の学生時代からの友人ふた組ーテレビ番組制作会社を営むエレノアと夫、司書のポリーと恋人ーの四人も参加、宴も終わりコテージに引き上げ、テラスで談笑中、エレノアが小さな女の子が浜辺で踊っている姿を見たといい出し、翌朝、死体で発見される。

捜査を担当するのは傷心の癒えない？ペレス警部とその上席者リーヴス警部ー前作登場ー、殺されたエレノアは幽霊に関するドキュメンタリーの企画段階で、幼い少女の幽霊ー小さな”リジー”ーに興味をもっていた・・・

一方、友人のポリーも小さな”リジー”の踊る姿を目にする。

エレノアの奔放な人間関係、ポリーの恋人に対する疑問、エレノアの母親とポリーの恋人の関係、新郎新婦の島への移住、新郎と母親の関係・・・遅々として進まぬ捜査。ロンドンへ帰る前夜、パーティ会場からポリーが小さな”リジー”？を追って消えてしまう。

孤島故、犯人は限られた人物だが、最後の最後まで誰が犯人なのか確証がつかめない。小さな”リジー”は幽霊なのか？

サプライズ計画が招くめくらまし、異常な？母子関係と思いこみが招く悲劇・・・ゆっくりと時間が流れる北欧ミステリー！