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憂鬱な10か月 [book] [~'23海外編]

sample1.jpgイアン・マキューアン/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

プロットに脱帽!

主人公は母親の胎内にいる「おれ」、ラジオの音から世界の最新情報を、母親の飲むワインからソムリエ並みの知識を、両親のいさかいを、義弟の愛人との戯言を、夫を亡き者にする計画を・・・聞きもらさず、その明晰な頭脳で自身の運命と綱引きを演じる。

夫を亡き者にする計画とは自殺を装った毒殺、その後胎内にいる「おれ」を養子に出すというもの。準備は着々と進み実行を待つのみ・・・

まんまと自殺にみせかけた毒殺は成功するが、その後の警察の事情聴取にあたふたする母親と義弟。完全犯罪は成功するのか!?

最後の最後に「おれ」の選択であることが起こる・・・

ジム・トンプスンのパルプ・ノワール的な臭いを感じさせるありそうでなさそうな一冊!?

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