疫病神 [book] [黒川博行]
黒川博行/新潮社/お薦め度 ★★★★☆
シリーズ第一弾。なんとテンポのいい小説か!
もとは解体業者。いまはしがない建設コンサルタントの二宮。そこへ産業廃棄物の中間処理業者から相談が持ち込まれる。
ある大きな処分場計画にかかりっきりになっていたが、ここにきて大きな問題が持ち上がった。その問題とは、行政書士に許可申請書の作成を依頼する段になって、ふいに水利組合が補償金の値上げを通告してきた。同意した三千万円に二千万円上乗せしろというのである。
二宮の仕事は、中心人物の組合長の弱みを探れというもの。成功報酬は五百万円。経費は一日当たり三万円。これで博打の借金が返せると飛びつく。
ヤクザをつかってヤクザを抑える「サバキ」の斡旋で金の亡者、ヤクザの桑原と出くわす。いつしか二宮の仕事に旨みを嗅ぎ取った桑原が強引に加わり、タッグを組むはめになる。二宮にとって桑原は疫病神か!?
建設コンサルタントとヤクザの最強タッグ?を中心に、ゼネコン、コンサルタント、不動産屋、地上げ屋、議員、ヤクザが暗闘を繰り広げる。オール悪役総出演!
テンポのいい大阪弁、テンポのいい展開。結構えげつないことも大阪弁で流し、あっけらかんとしているところがいい。あっと言う間に五百ページあまりを読ませる。
シリーズ第二弾、「国境」がミステリーチャネルのNo.1に輝いたのもうなずける。
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