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壷中の回廊 [book] [松井今朝子]

sample1.jpg松井今朝子/集英社/お薦め度 ★★★★

ノンシリーズ

時代は関東大震災(大正十二年)からの復興を祝う帝都復興祭が催された昭和五年。昭和三年に起きたニューヨーク株式市場の暴落が日本経済にも大打撃を与え、社会運動の取り締まりに特別高等警察、特高、が全国へ配置された。

事件は歌舞伎の大劇場、木挽座で起こる。「掌中の珠を砕く」との脅迫状が届き、狂言作家の末裔、現職は大学講師、の桜木治郎が警察の依頼を受け木挽座へ乗り込む。

そんななか、名優、五代目袖崎蘭五郎が「忠臣蔵」の舞台中に毒殺される。役者、裏方と被疑者が多すぎ、捜査は混迷する。

時代の流れは歌舞伎界にも色濃く反映される。大部屋の役者の賃金カット、それに端を発した労働争議、メーデー・・・

胡散臭いアカの新聞記者、蘭五郎の弟子が撲殺され、事件は混迷の度を増すばかり。素人探偵、桜木は事件を解決出来るのか!?

結末に大きな影響を与える時代背景、不景気、就職難・・・、明治、大正、昭和初期を舞台に多くの著作をもつ松井今朝子ならではの一冊!


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