護りと裏切り [book] [アン・ペリー]
アン・ペリー/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
アメリカンミステリー賞最優秀伝統ミステリー賞受賞作
歴史ミステリーにリーガルサスペンスが加わった秀作!?
ときは1857年、クリアミ戦争後のロンドン、日本は安政四年、安政の大獄の前々年。この時代の女性の地位がどんなもんだったかと言えば、母親には子どもに関する権利がいっさいない。子どもを養う術もない。夫が望まないかぎり離婚の自由もない。妻が子どもを連れて家を出るのも不可能。
カーライアン将軍、名家、が階段から落ち、甲冑の鉾槍が胸に刺さり亡くなる。まもなく妻のアレクサンドラが逮捕される。アレクサンドラは自分が将軍の胸を刺したことを自白する。
無実を信じる妹の相談を受けた看護婦へスターは、旧知の弁護士・ラスボーン、元警官の調査員・モンクとともに調査にあたることに・・・
アレクサンドラの殺害動機が次第に明らかになる後半の法廷シーンは圧巻。果たしてアレクサンドラにくだされる判決は!?
イギリスの上流社会に隠された自己保身能力を垣間見る歴史ミステリーでもある。
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