雷電本紀 [book] [飯嶋和一]
飯嶋和一/小学館/お薦め度 ★★★★
日本相撲協会必読の書
すっかり飯嶋和一にはまってしまいました。
人間、雷電為右エ門の物語。生涯の黒星はわずか10、史上最強の力士。天明の大飢饉、浅間山噴火、米価上昇、疫病・・・全国で30万人とも50万人とも言われる死者が出る。そんな暗い世の中にこつ然と登場し、庶民から拍手喝采をあびる。その体躯は他を圧倒、まるで野獣のような相撲を見せた。
強いばかりじゃなく、思慮深く、赤子の厄除けを自ら進んで勤める優しさも兼ね備えた男。晩年は大火で焼失したと釣鐘の再現に尽力するが、幕府上役の不興を買い、江戸払いに処せられる。
圧倒的な筆力、時代考証、なんとも凄い作家。
100年に1度の経済危機、雷電のような人物の出現を期待してしまうのは私だけだろうか!?
追伸:不祥事続きの相撲協会、全員で本書を熟読してほしいものだ!
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