キリング・ヒル [book] [~'23海外編]
クリス・オフット/新潮社/お薦め度 ★★★★☆
CWAゴールド・ダガー候補作
濃密な血縁関係があらゆることの上位にくる片田舎の町で起きた殺人事件、アメリカニンジン採取中の老人が女性の遺体を発見した。
捜査を担当するのは郡保安官のリンダなのだが、町の有力者から見張り役として若いFBI捜査官を押し付けられてしまう。女の保安官は信用ならないと・・・
そこでリンダは帰国中の兄、ミック、米国軍犯罪捜査官、に捜査協力を依頼する。兄は妻との間に大きな問題を抱えていた。
捜査はミック主導で行われるが、一族の結束が強い村社会、人々は口をつぐむ。
アパラチア人は昔ながらの掟に従って生きており、それによって行動を起こすこともある。公然たる侮辱は常に、個人的な問題である。復讐行為は何世代にもわたって引き継がれるのだ。この丘陵地では、不法侵入者は殺した後に許しを乞うたほうが得策だということだった(本書264P)。
ミックは犯人のために捜査協力するという。女性の死はさらに三人の死をもたらした。ミックはどういう結論を出すのか!?
短い章立てとテンポの良さ、そこに何とも言えない文体が相まったミステリー。
ミック・ハーディン・シリーズ第一弾、腕利きの犯罪捜査官であることが結末で明らかにされる。すでに第二弾、三弾が用意されているようなので邦訳を待ちたい。
コメント 0