高瀬庄左衛門御留書 [book] [砂原浩太朗]
砂原浩太朗/講談社/お薦め度 ★★★★
直木賞候補作
何とも洒落た題名、「御留書」、いまで言う備忘録?、とは・・・
息子、啓一郎、を亡くしてからの二年間を綴った御留書。
物語のクライマックスは郡方、庄佐衛門の管轄地は富地、一方隣村は天領地とはいえ貧地、隣村から強訴が起こり、庄屋屋敷に庄左衛門らが囚われの身となってしまう。
強訴であれば城下に繰り出すのがふつうなので、庄屋屋敷を取り囲むなど聞いたこともない。それに加え、強訴組のなかにかつて道場に通っていた友?の姿が・・・
旛の政争の具の嵐の現場に立たされる庄左衛門・・・
最後は大岡裁きと思われる結末を迎え、すべてがあるべきところへ収まる大団円!?
ハードな側面ばかりではなく、亡き息子の妻、志穂の恋慕の情が庄左衛門の心をざわつかせる?横糸としては申し分なし。
これを機会に何冊か手に取ってみたい作家。
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