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蒼天の鳥 [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg三上幸四郎/講談社/お薦め度 ★★★★

江戸川乱歩賞受賞作

実在の女流作家、田中古代子、と娘、千鳥、をシャーロックとワトソンにした探偵小説。舞台は大正13年の鳥取。

「探偵奇譚 ジゴマ」、主人公のジゴマは変装名人の大怪盗であり、兇賊。Z組という集団をあやつって、盗み、放火、殺人、あらゆる犯罪を犯し、巴里の街の人々を恐怖のどん底におとしいれる。その兇賊に対するのは、ポーリン。どんな悪漢でも明晰な推理で確保する巴里一番の名探偵。

活動写真を見に行く古代子と千鳥、上映中に火災が発生、兇賊ジゴマがあらわれ、客のひとりを殺す。そのことを見てしまった二人が同じジゴマとZ組に襲われる。その大怪盗が夜光会、コミュニスト、くずれの露亜会の一味で・・・

時代背景、女性解放、コミュニスト・・・大正13年の鳥取・・・母娘探偵・・・魅力的な設定に映る。しかも小説としては完成度が高い。欲を言うともう少しミステリー色がほしかった。次作に期待しましょう。


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