哀惜 [book] [アン・クリーヴス]
アン・クリーヴス/早川書房/お薦め度 ★★★★
アガサ賞最優秀長編賞受賞作
海岸で刺殺死体が発見される。死体は精神を病み、アルコールに溺れるホームレス状態で町に来たサイモンだと判明する。最近は複合施設でボランティアをしていた・・・
サイモンが学習障害のあるルーシーとバスに乗り合わせていたことが度々目撃されていた。
捜査に当たるのはバーンスタブル署の警部マシュー、シングルマザーのジェン部長刑事、経験の浅いロス刑事の三人。マシューの夫、同性婚、は複合施設の実質的な運営者。
断片的な情報しか集まらない情況のなか、ルーシーと同じ学習障害をもつクリスティンが誘拐される。後に解放されるのだが、サイモンのフラットに閉じ込められていたことが判明、誘拐と殺人のあいだにつながりがあることもわかっているのだが・・・
サイモンの心の闇は交通事故で子供を死なせたことに起因、立ち直ろうとしていたのに。
小さな町で起きた殺人事件、遅々と進まぬ捜査、学習障害を持つ女性と家族、複合施設に関わる面々・・・一歩一歩階段を上るような展開に少々苦戦!?最後の伏線回収もイマイチ!?だが、登場人物の人間性の描写は図抜けている。
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