P分署捜査班 誘拐 [book] [マウリツィオ・デ・ジョバンニ]
マウリツィオ・デ・ジョバンニ/東京創元社/お薦め度 ★★★★
シリーズ第二弾
コネで入庁したアラゴーナは無能なうえに傍若無人で騒々しい。つかみどころのないディ・ナルドは前任署内で発砲騒ぎを起こしている。無口なロマーノは怒ると自制を失い、容疑者や同僚の首を絞めた前歴を持つ。ロヤコーノはアーモンド形の目を持ち、中国人と呼ばれるシチリア人警部・・・四人のろくでなし刑事の後任は、いずれもほかの分署が嬉々としてお払い箱にしたろくでなし刑事。
ビッフォファルコーネ署長のパルマ、副署長のピザネッリ、<おふくろさん>と呼ばれるカラブレーズを加えた7人が追う事件は、辻褄が合わないことだらけの窃盗事件と入念に仕組まれた児童誘拐事件。加えてピザネッリが単独で調査し続ける自殺案件。
はぐれ者軍団?と思いきや、前作「集結」で初陣を飾り、チームとしての連帯感も生まれる。事件に立ち向かう7人の姿を公私両面から描いた、警察小説+群像劇。
シリーズ第三弾「寒波」も近いうちに手にしたい。
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